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第八十九話 流れる冒険者

「ラヴィの、おとうちゃんとおかあちゃんがこまってるでちゅっ!!たちゅけてくだちゃいっ」


涙を目からあふれさせるラヴィちゃんに、俺はもしかして迷子ではない?とのこの状況から考えが浮かんでくる。


「もしかして、ラヴィちゃんはわざと迷子にされた?」


「んっ?ああっなるほどアルスロット君その通りかもしれないね~状況的に何処かにラヴィちゃんのご両親は連れ去られ監禁されているとみていい。ラヴィちゃんが丁度空を見たときに事が起こったんだろうね……一緒に連れ去られるよりはとわざとご両親は」


「そういえば……ラヴィとぶつかりそうになったすこし前に貴族の馬車とすれ違ってるが……どこの家だったか紋章が思い出せねえ」


「ガイルっほんの少し前の事でしょ思い出しなさいよっ!!」


「くそっ、そんなこと分かってる……貴族の馬車なんていくらでも見るし、いちいち紋章もっあ~だめだパッと思い出せねえ」


「がいるおじちゃん、おねがいしまちゅ思い出してくだちゃいっ」


「う~~ん、今日は朝から貴族の馬車がいつもより多く王城に向かうのを見ながら冒険者ギルドに来て……旧初心者ダンジョンのクエストを申請して向かったはいいが結局、大量のCランクモンスターの塊に苦戦して、ん~……」


そのまま、ガイルさんは考え込み黙ってしまう……確かに今日は俺の辺境都市オリアの報告を聞くためにアスハブ陛下から下級貴族を除いた全ての貴族が謁見の間へと集まっていたからな、早朝から貴族の馬車はひっきりなしに王城へと向かい夕方前ぐらいからは晩餐の為に一度、自身の屋敷へと戻っているはずだ。俺の身近な人物にこんな事があれば緊急速報ですべて俺に知らされるが……ラヴィちゃんの両親のピンチには知らせてくることは無かった。


「アル君っどうにかできないかな?ニュースサイトで調べたりは?」


「うん、もちろん出来ると思うけど……見た感じではラヴィちゃんの両親はどこかに閉じ込められてはいるが乱暴な扱いを受けているわけじゃない。そしてラヴィちゃんの冒険者ギルドへの関りが今になって全ての冒険者にとって、とても重要な人物になってしまったよね」


「うん……冒険者用の虚栄の門を設置管理できるなんてこれからの冒険者ギルドと冒険者にはとても大切な存在になったと思うわ」


「そう、とても大切な存在なんだ。だからこそ、ここは今集まる冒険者たちにラヴィちゃんの両親を助け出してもらいたいと思っている。もちろん俺のニュースサイトを使うけど、助け出すのは最年少冒険者登録の記録を更新した初心者冒険者のラヴィちゃんとグリナダスの全ての冒険者達だ」


「でも……どうやって?アル君の能力を教えるって事はないよね?」


「さっき、ラヴィちゃんはヴァル様を神の御使い様と言ってたよね。丁度それを利用すればいいと思うんだ」俺は思いついた作戦をセラフィムの皆を集めて説明をする。


「なるほど、今日はラヴィと冒険者達の所にオーチャコ神の声が聞こえるわけだね?」


「カルマータさんそうです、アリアちゃんの魔法<かぜのこえ>で天から届く神の声を皆に届けるんです。内容はニュースサイトで知りえたラヴィちゃんの両親の監禁場所などです」


「アル様それならば、今日の夕方の神秘的な現象も相まって皆様もきっと神の声だと信じると思いますわ」


「んっ・・・・・・・(信じると思う)


「ヴァルも神様の声を聞きたいのじゃ~っ!!」


「ははっ、神の声は俺なんだけどね。皆も神の声だと上手くラヴィちゃんと冒険者たちを誘導してくれよ」


「ああ、わかってるよ。この救出を成功させてグリナダスの冒険者たち全てをラヴィの味方につけたい。これに参加した者達はラヴィはパーティーの一員で仲間だと深く心に刻むことになるだろうね」


「じゃあ、俺はアリアちゃんに声を届けてもらうから皆とは別行動だ。アリアちゃん天から神の声が聞こえるように頼んだよ?」


「うんっアルお兄ちゃん任せてっ!!」







俺はアリアちゃんにグリナダス中の冒険者達に神の声(アリアちゃんの魔法<かぜのこえ>で届けられた声)を届けてもらう、センワルス様ゴメン……。

『我はオーチャコ神、今日新たに生まれた冒険者ラヴィの悲痛な声を聞き届た……北の向かい合わせのヘビを探すのだ……』


天から響き渡るような声に冒険者たちが騒ぎ始める、そしてラヴィという名前に先ほど初心者冒険者となった子供だと下の階から大騒ぎになるのが2階まで伝わってきたのだった。


「あらあら~ラヴィちゃんすごいわ~オーチャコ神様は見てらっしゃったみたいね~」


「ああ、そうだな。ラヴィここは冒険者ギルドに集まる先輩冒険者に助けを求めるといいかもしれないな」


「みんながたしゅけてくれまちゅか?」


「ラヴィちゃん、このグリナダスの冒険者ギルドに集まる者達はね冒険だけじゃない根底にはそこに暮らす人々の為にという冒険者の心得があるのよ。そして冒険者の一員になったラヴィちゃんの声に皆は耳を傾け両親を助ける為に手を貸してくれるはずよ」

アルカさんは、ティタさんに抱かれるラヴィちゃんに優しく説明する。


「うんっ!!ラヴィは、冒険ちゃになったんでちゅっ!みんなにおねがいしてみまちゅっ」


その言葉にイオスギルドマスターの執務室から冒険者ギルドの1階へと降りていくのだった。






「アルお兄ちゃん、今はラヴィちゃんが一生懸命皆に両親を探して欲しいと訴えてるよ」


俺は1階へと降りるときには先行して、ニュースサイトでラヴィちゃんの両親の監禁場所を把握しており。身体強化を使い急いで犯人と交渉をするためにグリナダスの城より北にある貴族が住む屋敷が立ち並ぶ地区へと早歩きで向かっていた。


「今、どの貴族がラヴィちゃんの両親をさらったのか皆にさっきのアルお兄ちゃんの神の声のヒントから割り出してもらってるよ」


北の貴族街は基本的には決められた大きさの屋敷が整然と立ち並ぶが、剣貴族が東と魔法貴族が西とで完全に分かれておりその内の大貴族だけは俺が下賜されたパーティーハウスのように広い庭と巨大な屋敷が与えられていた。

そして、俺の目の前には西側の魔法貴族のなかでも大貴族である広い屋敷の向かい合うヘビの紋章が大きくレリーフとなっている正面の門へとたどり着いていた。


「ここはお前のような子供がうろつくような場所ではない。すぐに門の前から立ち去りなさい」


そっけない、事務的な声が門の横に設置された警備室の開け放たれた窓から聞こえてくる。


「失礼しました。私は下級剣貴族のアルスロット・カイラスと言います、大魔法貴族マユス・ガーラン様にお目通りをお願いいたします」


「なにを……悪いことは言わない直ぐに立ち去るんだ。下級貴族でしかも剣貴族の訪問は一切通すことは許されていない」


「お仕事ご苦労様です、大丈夫ですアルスロット・カイラスが話があると一人で訪ねてきたと。マユス様が今夜開かれる王城晩餐の支度の為に屋敷に居ることは分かっておりますので大声で呼ばせていただきます」


「大声?ここからか?貴族の屋敷は音が漏れないように作られている。という事は外からの音も一切聞こえないという事だ……ここで騒いでるのが見つかると君の家の立場が悪くなる直ぐに立ち去りなさい」


警備室から出てきた門番は、10代後半のローブを着た青年だった。あっこの人、魔力の流れがすごい自然だ子供の俺でも一切油断してない、素晴らしい魔力のコントロールだった。



「アルお兄ちゃんっ、今ヒントの向かい合うヘビから北の貴族街で見た事があるっていう人が出たよ。ラヴィちゃんを先頭に皆を引き連れて冒険者ギルドの前から今、ゆっくりと歩き出したよ」



門で少しやり取りしていると、すでに俺の神の声のヒントからこちらへと向かい始めたようだ……ラヴィちゃんたちがたどり着く前にマユス・ガーランに合って話を付けないとな……。



「申し訳ありません、少し時間が押して来たようです。そのまま……えーと」



@@@@@@@@@@@@@@@@@@

大魔法貴族マユス・ガーランの屋敷門番


警備費をけちるために、グリナダス魔法学校の生徒から門番という研修を無理やりやらせている。


ここに居る門番のライド・デスタークは中級魔法貴族の次男でマユスと同じく今年度主席でグリナダス魔法学校を卒業予定である。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@


ニュースサイトのアンサーにこの人の事を尋ねると、やっぱり優秀な人で無理やりマユス・ガーランの屋敷の門番をやらされているようだった。


「ライド・デスターク様はそのまま言いつけられた職務を全うしてください」


「君は……俺はこのままだと君に魔法を使って排除しなければならないが……」


「はい、もちろん言いつけられた職務を全うしてください。これでも俺は剣聖ラングの息子ですので遠慮はいりませんよ」


「君が剣聖ラングの?」


「はい、息子のアルスロットと言います。あっ出来たらすぐに警報を打ち上げてほしいのですが、よろしいですか?」


「何を言ってるんだっ!!そんな事をしたら君は本当に終わりだぞ?ここはグリナダス建国王に力を貸し大貴族の一つとなったガーラン家なんだ。陛下にも意見を差し挟むことが出来る人物がいる、大貴族とはそんな家なんだぞ?」


子供の俺に必死になって大貴族の事を説明してくれる……ライド・デスタークと言う人物の人の好さが伝わってくるが。


「申し訳ありませんが、すでに時間がありません俺がマユス・ガーラン様と話す事が叶わなかった場合は……」



@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

緊急速報 冒険者ギルドと魔法貴族との衝突


最年少初心者冒険者となったラヴィの両親の監禁事件を機に、冒険者と大貴族マユス・ガーランを先頭に衝突が起きる。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


うん、まずいね緊急速報が立ち上がってしまった。すぐに俺が話をつける必要がある……。


「ライドさん、ごめんなさい。警報の魔法を打ち上げてください俺の心は変わりません」


「……、すまない」


ライドさんは右腕を高く掲げると、空に向かって種火の基礎魔法を打ち上げる。そして、パチンと指を弾いて鳴らすと……上空でパンッと軽い音と共に赤い炎が一瞬弾けたのだった。











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