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第七十六話 辺境都市オリア お母さまにお返しします

「主よ、先ほどの幼女の強さを理解できたか?」


「ああ、魔力のコントロールが抜群にうまかったと思う……後はこの世界での経験値かな?スキル技の壮大さが普通じゃなかった」あの小さな体で、俺のイージスを突破した魔力コントロールと……スキル技の一つ一つが壮大でとても美しかったな。


「イージスとブレイクか……」イージスは便利だけど魔力消費が激しかったし使いどころは限定されるかな……。ブレイクはスキル技を止められた時やスキル技の切り替え時の()に良さそうな感じだったけど肝心のスラッシュ系以外の技を覚えることが無かったのは後々困りそうだった。


「アル~王国軍の移動が終わったみたいなのじゃ~」


「ヴァル様っ、虚栄の門を壊れた城門の代わりに設置をお願い」

俺がピノと戦ってる間、今もカルマータさんとルーチェさんがモンスター達を押さえ込んでくれていた。


「ん~~~~~カルマータ、ルーチェ~~~下がるのじゃ~門が出るのじゃ~」

ヴァル様の合図の後には、空間が歪みながら元の城門にぴったりと同じサイズの虚栄の門が出現し……大群のモンスターの圧力にも一切の軋み音をさせないヴァル様が許可しない者は一切通ることが叶わない門が出現していた。


「こりゃあ……すげえっ!!」門をぺたぺたと触りながらすげえを繰り返すガンダーさん、まあさっきまで必死に壊れた門の代わりをしてたからね……。


「あっ、…………(カトラお姉さま)あそこに倒れてるロンドさんだったかな重症なんだ〇魔法で回復してあげて」


「うんっ、回復は任せてねっ!!」


「それじゃあ、ここを回復の治療所にしましょうか。伝令の方に城壁で戦ってる人たちには伝えてもらいましょう動き回って回復するよりもいいでしょうし」


俺は伝令兵にこの西城門前を回復させる治療所にすると伝令に出てもらう。ここオリアは城壁から王城まで40分と、王都グリナダスと変わらぬ巨大な都市だからその城壁の長さも長大だった。




「それにしてもライラお母さまは何故ここに? マリアちゃんとカレナちゃんは料理の指導にメリダさんに連れてくるようにお願いしてたんですが……」


「ふふふっ、ママもアルちゃんと同じ考えが浮かんだのよ~きっとオリアに逃げてきたエルフィン族の皆さんが困ってるってねっ!! それにここはママとパパの故郷だものっピンチの時には駆けつけなきゃねっ!!!」


何が嬉しいのか、こんな状況でも俺のお母さまはニコニコと元気いっぱいで……そうだ、お母さまの力を俺が奪ってしまったんだっけ……本当はその力があればこの状況を……今なんか丁度いいと思うんだけどセンワルス様出てきてくれないかな……。


『いや~もちろん、このタイミングを逃さないよ~ねっねっ!! ばっちでぐーなタイミングでしょ~? ここでアル君を産むときに渡してしまった力を返すときにバッチリっ!!!』


「うわっ! やっぱセンワルス様って俺を監視してるんですね?」


『んっ? そんなことないよ~もちろん大事な時は見逃さないようにしてるけどね~ほらっアル君は私を楽しませなきゃいけないし?』


「あー……そうでしたね……でも、いまはライラお母さまとラングお父さまの子供として第二の人生を送れることに感謝していますよ」


『うんうん、いままで送りこんできた子たちの中でアル君が一番だよっ!♪。そうそう、ライラが力を無くした原因だけどアル君にニュースサイトを渡したでしょ? あれって生まれたての赤ん坊では魔力が全く足りなくて危険だったんだよね~で、ライラは本能的に自分の力のほとんどを生まれてくるアル君に渡しちゃったんだよ~いや~結果的にはいい方向に進んだけどね~』


「そうなんですよね、ニュースサイトが生まれた時点でセンワルス様から賜ってなければ……俺は今こうしていなかったでしょうね……」


『そうなんだよねー、私のミスも悪くなかったんだよね~。でも、これはライラという駒を歪めてしまった私はこれを元に戻さなければならない……丁度いい機会を作ってくれたアル君に感謝だよっ!♪』





「アルちゃん?どうした……の? 貴方……アルちゃんを生むときに居たわね?」


『あっさすがだね~ライラ~今はアル君の体を借りて君だけに話しかけているよ。あの時、私はアル君にニュースサイトというユニークスキルを与えたんだが君が異変に気が付きアル君に、君の命と言ってもいい力……魔力炉を渡していなかったらどうなっていたことか……今日はその私の失敗、そしてライラという駒のゆがみを直すためにちょっと出て来たんだ』


「別に返してくれなくてもいいわ……その力はアルちゃんの中に、それに今後もアルちゃんの力になるかもしれないわ」


『ん~どうだろうね、すでにアル君の力は君が上げた力を超え始めている……ただ、使い方がなってないからお茶子の駒のオフェリアにも負けてしまったけどね』


「そう、もう私の力を超えて……じゃあ、もしかしたら私の力は今後はアルちゃんの邪魔になってしまうのかしら?」


『うん、そういうことだね。アル君の体の中には今2つの魔力炉がある……一つはライラから赤ん坊の時に渡された物とアル君自身の物だ今後の成長では君が渡した魔力炉はさらに成長するアル君の魔力炉の邪魔になるだろう』


「そうなのね……それで私はどうしたらいいのかしら?」


『そうだね~アル君のオデコに頭を少しの間くっつけてくれるかい? 流石に接触していないと魔力炉を移すのは危険だからね』


「オデコをくっつけるだけでいいのね?」


『ああ、それじゃあライラ……君のゆがみを直すよ……あの時、アル君を助けてくれてありがとう……』


「ふふっ、母親ですもの……」

オデコを付けた瞬間には俺の中にあった力の半分が抜けるようにライラお母さまに……。


「ライラお母さま……?」


「アルちゃんっ!! ふふっふふふっ魔力がっママの欠けた力が元に戻ったわっ!!!」

ライラお母さまは、揺らめく魔力を纏い……。


「ふふふっ!♪ 銀に輝く衣よ全てを停止させる守りとなれ<シルバーコート>」フワッと魔力が躍った後にはライラお母さまは銀色に輝く衣を纏っていた。


「ライラ様……に、アル様? の魔力がえっえっ?」


「アルお兄ちゃんとライラさんの魔力が全く同じ……に見えます」


「すばらしいですわ……魔力が完璧に具現化しています……」


「これは……見事だね……それに、アルと全く同じ魔力……」


「んっ?!」ルーチェさんは何時ものようにツンツンではなくライラお母さまの銀の衣を触ってしまうが……。


「ルーチェっ!!!」カルマータさんのお叱りの声と……。「「「「「あっ!!!」」」」皆から触っちゃったと驚きが漏れる……。



「ルーチェ~大丈夫なのか~?」


「ふふっこれは触っても大丈夫よ? 敵意が無ければ大丈夫なの。ほらヴァルちゃんも触ってもいいわよ?」


「ライラ~いいのか~? きゃあああああああ~冷たくってきっもちいいのじゃ~ふわふわ~なのじゃ~」


「あっあの……私も触ってみてもいいですか?」


「あらっアリアちゃんっ遠慮しなくていいのよ?」


「アリアも触るのじゃ~ふわふわ~で気持ちいい魔力なのじゃ~」


恐る恐る触るアリアちゃんにヴァル様はグイッと抱き着きドーンとライラお母さまに抱き着くと。

「ふわふわ~ちょっと冷たくて気持ちいいです~」


「んっんっんっ!!」あはは……ルーチェさんもぎゅうぎゅうくっ付きに行っちゃってるよ……。


「やれやれ……まだ、脅威は去っていないんだけどねえ……アルこの後どうするんだい?」


「ガンダーさん、この後の王国軍はどのように動きますか?」


「んっああ、そうだな王国軍の移動は終わったんだろ?最低でもその王国軍がここに来て交代で守りに入ると思うが……それよりもラングが心配だなこの門を見て撤退してきてくれるといいが……」


「あら? ラングが外で戦っているのね?」


「はい……到着寸前に門が破壊され俺たちは門の代わりにラングはモンスターの圧力を下げる為に単騎で門の外へと……」


「ヴァルちゃん、お空に飛び上がってラングを見つけてもらえないかしら?でも真っ暗だし見えないわね……」


「ん~?ヴァルは夜目が利くから大丈夫なのじゃ~」


「それじゃあ、俺は門を照らしてラングお父さまに門が健在なのを見えるようにします」


「うん、ヴァルちゃんもアルちゃんもお願いねっ」


早速、ピューンと飛び上がったヴァル様は上空で数秒ホバリングした後にはまたライラお母さまの所に戻って来る。


「巨大な樹が生えている辺りで青と金色の魔力の光がずっとピカピカしてたのじゃ~」


「エルフィン族が支配していた大森林の手前で戦っているのね……とにかく、ラングに門が健在なのを知らせましょう。アルちゃんが出来るのね?」


「はい、明かりは任せてください。唯一の基礎魔法以外の魔法ですが皆が驚くほど明るいのですよ」俺はお母さまに良い所見せたくてヴァル様が出した虚栄の門を思いっきり明るく照らすように魔力が暴走気味に魔法の明かりを作りだす。


「深淵の闇夜にも怯まない光よ<ライト>」俺はLEDの均一な明るい光で照らしだされるイメージをし頭に浮かんできた魔法を詠唱する……と。


「きゃっ!!! アルちゃんっやりすぎよっ!!! 眩しいわっ」

均一の光とイメージしたのがいけなかったのか……空全体から光がこぼれ落ち暗闇は一切なくなり、蠢くモンスター達が一匹一匹確認できるぐらいの明るさを皆の目に届けていた。


「あっでも、目が慣れてきました……アルお兄ちゃんの明かりはとってもすごいですっ」


「アル様は太陽をも作り出すことが出来るのですね……?」シエルナーザ様は俺のライトのあまりの明るささにちょっと? 勘違いをしてしまっていた。


「もうっアル君っ!!! 魔力を込めすぎよ、たぶんフワッと魔力を乗せるだけでこの魔法は良いはずよ?」


門だけではなく見渡す限りの空から光がこぼれる状況に……力みすぎたと反省する。

「はは、カトラお姉さまの言う通りです……」


「あー、ラングがこっちに来るのじゃ~」


「でもっそのおかげでパパがラングが門があることに気が付いたみたいねっ。アルちゃんっパパが戻ってきたら一緒に殲滅をしましょうねっ♪」


何故かライラお母さまの殲滅と言う言葉を聞き流し……城門に上がった俺たちはこちらへと突き進むラングお父さまを確認していた……。










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