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第七十四話 辺境都市オリア オフェリアとピノ

「お母しゃまっ!!!」


「ああ……オフェリア無事だったのですね。皆も?」


「はいでしゅっ!! お母しゃまがモンスターをおしゃえてたから……皆無事に逃げれたでしゅっ!!」


「それで、こちらの方たちは?」


「あっ! この仮面のお姉ちゃまは……聖女しゃまでしゅっ!! 皆のケガとお母しゃまの大けがを……まゆでパッとなおしゅてくれましゅたっ!!」


オフェリアは小さな体でできるだけ大きく〇を作るが……その姿がまるで変な恰好をしては冒険者を笑わせ力を奪うモンスターのモンチンのようで周りから笑いが起きる。


「ふふっ……それではエルフィン族の者達が大変お世話になったのですね。私はエルフィン族を束ねる女王テネシア・ウル・エルフィンですわ、エルフィン族を束ねる者としてお礼を申し上げますわね……」


「あっあの、仮面をしたまま申し訳ありません。訳あってこの仮面は外すことはできませんことをお許しください……先ほどオフェリアちゃんが紹介してくれたように私は聖女と皆さんから呼ばれています」

やはりここでも〇魔法で一瞬でけがの治療以上の効果が出てしまい、完全回復させる仮面を被ったカトラを皆が聖女と騒ぎ立てていたのだった。


「重症でも一瞬で回復させる力……そうですわね仮面が必要なようですわね」


「エルフィン族の女王テネシア様……お初にお目にかかります。私はグリナダス王国アスハブ国王陛下の末娘の一人、シエルナーザですわ」


「あなたが……あのいき……グリナダス王国は今まで手を取り合ってきた仲ですが、今回のモンスターの大侵攻の際にもこのようにエルフィン族の民を温かく受け入れていただき感謝の念で一杯ですわ」


「あわっわっわたしは、エルランダ教国司祭のアリアです。軽症の皆様のお怪我の治療を担当させていただきましたっ」


「そうなのですね、小さな司祭殿……エルランダ教国とは国交はありませんが今日のそなたのエルフィン族への暖かな支援忘れません」


「はいっ! テネシア様っありがとうございますっ」

アリアは小さな力だがそれでも皆の助けになったと、女王テネシアからの感謝を伝えられ天にも昇るような気持ちになっていた。




「うっ……ピノ? ピノがいないでしゅっ!ピノっーーーーーピノっーーーーーどこでしゅか~う゛~」

オフェリアはいつもそばに居るらしいピノがいなくなっており、涙をぽろぽろとながしながら口はへの字へと歪んでいた。


「あらあら、どんな時でもオフェリアの側を離れないピノがいないなんて……」


「テネシア様、そのピノって人は? エルフィン族の方ですか?もしかして逃げ遅れたとかでしょうか?」


「あっいいえ違うのですよ聖女様……ピノはオフェリアの友達、フェリンと言う幻獣族の子供なんですの」


「う゛~~~ピノがいなくなっちゃったでしゅ。聖女しゃま一緒にしゃがしてくだしゃいでしゅ……」


「オフェリアいけませんよ、皆様はエルフィン族の民を助けるため膨大な魔力を使いお疲れなんですよ。心配なのは分かりますがピノは幻獣の子ですきっと大丈夫なはずですよ」

泣きながら抱き着くオフェリアの頭をそっと撫でながらそう諭すが……。


「でも、ピノは子供でしゅっきっと迷子になって……こまってるでしゅ……みんなで探してほしいでしゅ」


「まあっ、オフェリア何時からそんなに聞き分けの無い子に……お母さまは悲しいですわ……」

オフェリアは首をブンブンと振り、ピノを探すと聞き分けの無い子になってしまっていた。


「あの……それでは、私が魔法で探してみましょうか? 上手く探せるか分かりませんが……オフェリアちゃんに協力してもらう必要がありますけど……」


「聖女しゃまっ!! それは本当でしゅか?何をお手伝いしゅればいいでしゅか? お手伝いはお母しゃまにも褒められるぐらいできるでしゅよ?」

ピョンとテネシアの膝から降りたオフェリアは聖女であるカトラに期待の目を向けていたのだった。






「カトラはそんなことまで出来るのですか? アル様に集うセラフィムのメンバーは皆がこうなの? ……私は何も出来ないわ?」


「シエルナーザ様……アリアもアルお兄ちゃんから教えてもらった基礎魔法と、簡単な回復魔法に遠くに声を届けたり聞いたりする魔法とかしかできないよ?」


「アリア、私の事はシエルお姉ちゃんとね? アリアの回復魔法も見事でしたよ回復魔法は程度の差があったとしてもとても貴重で、何より持続的に魔力を大量に消費する回復作業をこなせたことに驚いているぐらいなんですよ」


「シエルお姉ちゃん、そんな……」


「私はアル君にこの力を貰ったようなもんなんですよ……それまで私はなんとか基礎魔法が使える程度の魔法学校では落ちこぼれだったんです……」


「そうなのですか? 確かに〇×△□まるばつさんかくしかく魔法は未知の魔法……どうやってそれを知ったのです? 知れば知るほど謎……お父さまがアル様たちを発表しないわけだわ……」


「うん、アルお兄ちゃんはすごいよっ私を闇の底から助け出してくれたっ」

飢えて飢えて、基礎魔法も無いエルランダ教国では悪臭とゴミ貯めのような街の片隅で死ぬのを待つだけだった。そんな闇の中から私に手を差し伸べ助け出してくれた……あの時の事は一生忘れる事はないよね。





「さあ、オフェリアちゃんピノの事を頭の中で思い浮かべて?」


「そんな事でいいでしゅか? じめんにピノの絵をかいたりしましゅか?」


「ううん、お姉ちゃんの魔法はね思いが強ければ強いほど……探しやすい魔法なんだ。オフェリアちゃんが大事なピノの事を頭の中で思えば魔法でパパっと見つかるよっ」


「うんっ!! 毎日いっしょでしゅからピノの事はいっぱい頭の中にうかびましゅよっ!!」


ふふっかわいい、目をギュッとつぶりう~~~んと声に出してしまっている姿は抱きしめたくなるほどの可愛さだった。

ふうっ、集中しなきゃ……自分ではアル君を見ることが出来るけど……他人にこの魔法を使うのは初めてだ……失敗して何も起こらないかもしれないけど……私はう~~~んと唸るオフェリアちゃんのおでこに手を当て……これだけ必死なら大丈夫かな?そして指先に魔力を収束させていき……私だけの特殊な魔法を唱える。


(しかく)っ!! ×(ばつ)っ!!」


ピノの事を思うオフェリアちゃんのおでこに触れながら空間に透明な壁を作り出す□魔法に重ねるように遠視魔法の×魔法を唱えると……スクリーンとなった□魔法に遠視魔法の×魔法が映像を映し出していた。



「これは……少年と、もしかしてこの巨大なモンスターがピノ?」


私の□と×の複合魔法に映し出された者は……

「アルお兄ちゃんっ!」「アル様がっ!! 危ないですわっ!!!」


「あっピノでしゅっ!!! とってもおっきくなってましゅっ!!! すごいでしゅっ!!!」


「オフェリア……あれはピノでも様子が変ですよ? あなたのピノは……」


「う~たしゅかにそうでしゅ……でも、あれはピノでしゅっ……あっ!! ピノがっ切られちゃって……うっうっやめてくだしゃいっ!!! ピノはいい子なんでしゅっ!!!」


必死に私の魔法で映し出されたピノに切り付けるアル君に話しかけるが……もちろん声は届くことは無い……。


「アル様が戦ってます……すぐに合流しましょうか」


「聖女しゃま……ピノがっピノがっ……」


「アルお兄ちゃんと戦っています……すぐに止めないと……」


「うん、大丈夫よオフェリアちゃん……すぐにピノを助けに戦いを止めに行きましょう」


私はすぐにオフェリアちゃん経由で表示していた□×魔法を解除し……アル君を思いながら……「(しかく)っ!」空間を繋ぐうっすらと青く輝く透明なドアを作り出し「(まる)っ!」ドアを開けるための魔力を流し込む取っ手を「×(ばつ)っ!」大好きなアル君を思い浮かべながら空間を接続した先には……。











「主よ多彩なスキル技を覚えるためには、魔力をうまく使うのだぞ?」


「赤ん坊の時から魔力を増やそうと無茶をやってたから……魔力はそれなりに沢山あると思うんだけど……そんな事を言われても分からないよ」


「力みすぎないことだ、魔力も安定・収束・絶と出来るのが理想だ」


「絶? なんだそれ? 魔力を抑えるって事か?」


「そうだ、スキル技を放った後にも大体の者は魔力が力んで無駄に垂れ流してしまっているが。絶が出来るようになればそれが回避できるだろうな」


「安定は出来てるよな……身体強化なんかは安定した魔力供給が必要だし」


「主は、収束がまだまだだな……以前、我の力を借りて無理やり<神鋭>を発動させたが運が良かっただけだな。もちろんあれでは身にはなってないから今でも使えないだろうしな」


「ああ、分かってるよ……。お父さまのような<神鋭>には程遠い……俺の魔力は噴き出して無理やり抑え込んだ刹那の安定の上にあの<神鋭>が発動したんだよな……」


「まあ、そういう事だ。主は魔力保有量も我が見る限り底が無いような莫大なものだ、だがそれを上手く使えなければ……ただの魔力がたくさん入った入れ物にすぎん」


「ただの魔力の入れ物か……そうだな……」


「それも、これからの主次第だ。そこのフェリンで自分を少しでも昇華させるのだな」


「それにしても……このフェリン? モンスターの癖になんで襲ってこないんだ? さっきからお前と話してるが攻撃してこないぞ?俺はてっきり喋ってる俺にスキと見て攻撃をしてくるものだろうと思っていたんだが……」


「主よ……深く考えぬことだ」


「はあ? どういう事だっ? がっ!!!!」


俺は攻撃してこないフェリンにさらにスキを見せてしまっていた……しかも、全ての行動を事前に知ることが出来るニュースサイトも……立ち上げていなかった……。


「戦闘に必要な全ての情報とフェリンの2秒後の攻撃をトレース表示<ニュースサイト>∞……」

何時ものように、ニュースサイトのワイルドカードで知りたい情報をVR表示で表示させる。


「フム、主のユニークスキルは発動が面倒な所が……それにしても発動を忘れるとはな……」

やれやれと、折れた剣のカーンから呆れた声が聞こえてくる……。


「全くだ……自分の甘さに泣けてくるよ……」もし攻撃を受けて吹き飛ばされたのがカトラお姉さまだったら……〇魔法で一瞬で大けがを治せるカトラお姉さまは何があっても、皆の為にも守り通さないといけない、次は無いとそう思い気を引き締め俺のユニークスキルを立ち上げていた。





「本当に、カーンは力を貸さないのかよ……」俺がニュースサイトで全ての情報を手に入れながら今度は油断なく話しかける……。


「主のユニークスキルも発動しない方がいいのだが……さすがに死んでしまうからな。我の力は今は必要ないだろう、欠けた状態でも切り付ければ魔人剣としての力は行使できる」


「すっかり忘れていたよ……少しでも切り付けていけばアーティファクト=魔族の力を奪うことが出来るんだったな……」


「そういう事だ、今後の事も考えてそろそろ主の新しいスキル技も必要だ」


「うぐ……確かにスラッシュ系の初歩しか覚えれていない……正直どんなスキル技があるんだか……」


「丁度いい巨大なモンスター役(・・・・・・・・・)が現れてくれたんだ。このチャンスを逃さないことだ」


「チャンスかよ……そうなるといいな……」


俺は魔力を戦闘レベルまで高めて安定させる、基礎魔法を覚えていないとスキル技も魔法も頭の中に浮かんでは来ない……以前発動することが出来た<神鋭>は膨大な魔力を無理やり収束させる刹那の安定になんとか発動することが出来ただけで、もちろん常時使えるよう習得状態にはなって居なかった。


この巨大な体格のフェリンに俺の剣がどこまで通じるか……カーンの力は基本能力の魔族の力を奪うのみ……まずは手数で少しでも切り付け徐々に力を奪って……。


「<ラインスラッシュ>っ!!!」戦闘レベルに達した魔力から身体能力が格段に上がった俺の足が地面をボッと削り、フェリンに向けラインスラッシュが走るが……次の瞬間の俺の目の前はフェリンの前足の攻撃で真っ赤になって居た……。


「なっっ!!!!」なんとかラインスラッシュで魔剣カーンを突き出した体制から剣を引きチャトラアーマーの盾を前面に無理やり構えるが……無理な体制の切り替えの反動で足が浮き上がり……。


ドンッと空気が震えるような音が響き渡り俺の体はフェリンの巨大な前足に吹き飛ばされ地面を石畳に引っかかりながらガツガツとどこまでも転がってゆく……。


「主よ……Gランクの初心者モンスターの様には行かないぞ?人造魔族の時は元の人間が戦闘の素人で、生まれて間もなかった幸運もあるのを実感したか?」


「ぶっぺっぺっ……」俺はカーンに説教されながら石畳を転がり口の中は砂だらけ……しゃべることもできなかった。











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