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第六十九話 ちかいたいのにっ!!

「陛下失礼いたします……。アルスロット様がお目覚めになりましたのでお連れいたしました」


ヒルダさんを先頭にして俺達も続いて入っていくと……先客が……あっ男性の方は陛下にすごく似てる……女性の方はちょっと気が強い感じでマジマジと俺を凝視していた……。


「おおお、目が覚めたか……さっこちらへ来てソファーにかけよ。ヒルダはすまないが皆の分の紅茶とお菓子を用意してくれぬか?」


「はい、それでは皆様はソファーへお掛けになってお待ちください」そう俺達へソファーを進めると入ってきた扉とは違う部屋へとヒルダさんは消えていった。




「アルスロット……まずは城内に発生した魔族の討伐ご苦労じゃった。まさか我が国の貴族ともあろう者が……アーティファクトに手を出しているとは……あんなものは己を怪物に変えるか、本当に運がいい者だけにその力を使えるだけにすぎぬのにのう……残念じゃ」


「そうですね……いずれ全てのアーティファクトは封印するのがいいと思います……」


「ふむ……出来たらいいがのう……。そうじゃ、アルスロットにはまだ紹介していなかったな……ワシの隣にいる二人はワシの跡継ぎで一番上のジェレントに、行き遅れの末娘のシエルナーザじゃ」


俺は陛下からそう紹介される、うぐっ……紹介された二人からお前は何者だと? 目で訴えかけているのがまるわかりだった。


「お初にお目にかかります、ジェレント様にシエルナーザ様……Fランク冒険者のアルスロット・カイラスです。それとボクの隣にいる女性達は、冒険者パーティー・セラフィムのメンバーです」


俺に続いて、皆も順に名乗っていく……。


「カトリナ……お久しぶりですね。いきなりで失礼だと思うけど……そちらのアルスロット様があなたが見初めた方なの?」


「シエルナーザ様……そうです、わたくしの一方的なかも知れませんが……その、お爺様のお手伝いをしていた時に謁見に何度も来ていたアル様を大好きなっていました」


「そうですの……私の代わりにお手伝いを、まず私はその事で頭を下げなければなりませんね」


どうやら、カトリナ様はシエルナーザ様の代わりに陛下のお手伝いを始めたことが俺と出会うきっかけになったそうだった。


「ふむ、なるほど。何度も謁見をとなると……もしかしてアルスロット殿は最近の事故や問題を解決している中心人物なのかい?」

ジェレント様は俺を見ても子供だと侮るような言葉は出てこなかった。


「ふう、仕方ないのう……そうじゃ見た目は子供じゃが最近のグリナダスで起こった問題は全てこの子が中心となって解決しておるんじゃよ……。ジェレントよタナトスが少し前に咳が止まらなくてトリミアティナをだいぶ心配させたじゃろ? あれの治療薬を作り出しこの国を救ったのはアルスロットなんじゃよ」


「そっそれはホントなのですか父上? たしか……魔法研究所のバラスもお手上げだったと聞いておりましたが? それをこの子が……英雄ではないですか、国が傾いていてもおかしくはなかった……タナトスは重症化はしてはいなかったがそのままだったら剣士の道はなかった程だった……」


その時の事を思い出したのかジェレント様はつらそうな表情を見せるが直ぐに。


「そうかっ!! 民たちを……そして子を持つ親として君にはいくらお礼をしてもし足りないな」


「すばらしいですわ……でも、なぜ大々的にアルスロット様を国を救った英雄として民に紹介しなかったのです?」


「ふむ……それは、バラスの問題もあったのでのう……。その時にはカトラにはとてもつらい思いをさせてしまった。この事を公表すれば有害物質を流出させた魔法研究所と統括するバラス家に全責任を押し付ける事となって居た。それもあって、一部の者以外には大々的に公表などは出来なんだ」


「そうでしたの……でも、わたくしはそんな英雄の事が知りたかったですわっ! カトリナだけずるい……」


なんか、シエルナーザ様からの熱い視線がイタイです……。


「シエルナーザ様とはいえアル様は渡しませんわっ!!」そしてカトリナ様に抱き着かれる俺……その後は連動してヴァル様とルーチェさんアリアちゃんのちんちくりん3人衆にも押し潰されるように抱き着かれる……。


「ははははっ、シエルナーザっこれはかなり頑張らなきゃこの中には入れそうにないなっ!! わっははは」


「そっそのアルスロット様は私のようなちょっと気が強いですが……どうかしら?」


えっ? えーとアスハブ陛下の方を見ると……バチッとウィンクを……爺さんにやられても気持ち悪いだけだったが、はは俺のお嫁さんの中にシエルナーザ様もですか?


「えーと……そうですね、実は陛下の元へお伺いしたのは……皆と夫婦になる伴侶の誓いを神へお伝えする儀式の事を相談しに来たんですが……」


「なんと? おお、アルスロットついにこの者たちと神に伴侶の誓いを報告する時が来たか……うむうむ、皆もアルスロットの事を好いておるようだしのう」


なんか、陛下は俺をみて涙ぐみ始める……。


「あっえっ? それじゃもう私はまた、遅かったですの? ………………」


俺たちが伴侶の誓いを神に挙げる儀式の相談に、この世の終わりのような顔をしだすシエルナーザ様……。


「ふむ、こればっかりはのう……アルスロット次第だしのう……」ちらっと見る陛下は、なんとも言えないような顔をしていた。


もう一度、シエルナーザ様に視線を移すと……顔が青く……。


「カーンっ!!!」陛下に会うために俺は神の宝箱に魔剣カーンを収納していたのを瞬時に出すと……シエルナーザ様に切り付ける。


「なっ!!! アルスロット殿なにを……」ジェレント様は俺の信じられない動きに硬直しながらに何とか声を出す。


「なぜじゃ? アルスロット……」もちろんアスハブ陛下も驚愕の顔で俺を見ている。


シーンと静まり返る室内に、カトラお姉さまの〇魔法の魔力が満ち……シエルナーザ様はすぐに正常な顔色で意識を取り戻して俺を見つめていた。





「フム……これは我が主に変わって説明しよう……。そこのお嬢ちゃんはアーティファクトに浸食されている、悪いことに本人も気が付かないタイプだな。何かしら身に付けている物にアーティファクトは?」


「そんな、わたくしはその様な危険なものは身に付けては……」


「フム、その胸の首飾りは? 我の目から見るとアーティファクトにしか見えぬのだが?」


「えっ? これは只の首飾りですわ……グリナダスの大通りの宝石商で私が選んで買ったものです」


「お嬢ちゃん、お主は先ほど力があればとか負けないとか願ったな? アルスロットが切り付けたのは我の魔族を滅する力で魔族化するのを抑え込んだ。今すぐその首飾りを外すことをお勧めする」


その言葉を聞いたとたんにシエルナーザ様は引きちぎるように首飾りを床に投げ捨てる。


「もしかして、体の調子が最近おかしかったのは……この首飾りのアーティファクトのせい?」


「フム、そうであろうな……。アーティファクトは力が欲しいと願った時に発動する……その先には化け物に変わるか、少しばかりの力を使えるかの二つに一つしかない」


「わっわたくし……そんな恐ろしい物を、知らなかったとはいえ……もう少しで魔族の化け物になる所でしたのね?」


そう、自分の現状を把握したシエルナーザ様は震えて涙がポロポロとあふれ出していた……。




「シエルナーザ様……痛かったでしょう? 顔が青くなり魔族化が瞬時に進んだため魔剣カーンで切り付けるしかなかったんです……申し訳ありませんでした」俺は少し落ち着いてきたシエルナーザ様にぺこりんとごめんなさいをする……。


「アル……アルスロット様は私のわたくしの、うわ~~~んっ!!」反対側に陛下とジェレント様と一緒に座っていたシエルナーザ様は泣きながら俺に飛びついてきてしまっていた。


「フム、お嬢ちゃん……主とは少しの間は離れぬ方が良いぞ? もう切り付ける必要はないが我の力でもう少し時間をかけて浄化する必要がある」


「えっ? カーンそうなの?」


「そうだな、例えばだがルーチェお嬢ちゃんは覚醒した我を所有する主の側にいれば……普通にしゃべることが出来るし、戦闘も魔族化はしてしまうがよほどの長時間でなければ大丈夫だろう。普段から我が魔族の力を滅して浄化するから体の負担を無くしている」


「それじゃあ、どのみちシエルナーザ様は僕たちと行動を共にするしか無いみたいですね」


「無理にとは言わないが、我はそれをお勧めする」


カーンの意見に、陛下もジェレント様も俺に顔を向け首を縦に振っていた……。


「シエルナーザ様……その、お体が良くなるまで僕のそばに居たほうがいいそうですが」


「ついてゆくわ……その……皆様がいいのなら、アル様と一緒に」


俺は一応皆の顔を伺うが、特に反対する物は無くシエルナーザ様が俺と行動を共にすることが決まっていた。




「それで、アルスロットは何を相談にきたんじゃったかのう? ……」

突然のシエルナーザ様の魔族化にびっくりしたのか先ほどまでの話が飛んでしまっていた陛下がそう口を開く。


「おじい様、私達の神への伴侶の誓いの儀式の話です。出来れば静かに神への報告を終わらせたいのです」カトリナ様が先ほどの話の内容をもう一度伝える。


「おお、そうじゃったそうじゃった。シエルナーザが突然あんなことになったもんじゃから話が飛んでしまっていた。そうじゃの……本当なら大々的にと言いたいのじゃがのう」


「僕の存在を大々的に発表されてしまうと、たぶんですが冒険者の行動が出来なくなってしまいます」


「そうじゃのう……アルスロットにいらぬ虫が寄ってくるようになると厄介かの……」俺の言葉に直ぐに理解をしてくれた陛下はそれぞれの身内のみでの神への伴侶の誓いの儀式を挙げる許可を、そしてこの世界はその場ですぐに行動を起こすのが……だが……。






「アスハブ陛下っ!!! 歓談中に申し訳ありませんっ緊急事態でございますっ!!!」ノックの後に入ってきたのはカトリナ様のお父さまのギンド・ファイスだった。


「ギンドどうしたのじゃ?緊急事態とは……」


「西のエルフィン王国がモンスター大群に飲み込まれて壊滅したそうです。そして今現在、辺境都市オリアにてモンスターの大群との激しい戦闘が行われているようです。すぐにでも王国軍の出兵とCランク以上の冒険者の援軍要請が先ほど早馬で……」


「エルフィン王国が……何という事じゃ……あの森はエルフィン族が管理する生きた大森林じゃ、かの者たちが管理しなければ我が王国も森とモンスターに飲み込まれる……それにまずいのう、王国軍はすぐに動かしても早馬で1日の距離、歩きでは3日じゃそれまでオリアが持つのかのう?」


「それは、モンスターの規模によります……オリアはグリナダス王国の西の辺境の守りの為、城壁は強固ですが……モンスターは種族によりますが鋭い爪などを使いよじ登ってこられます。数の暴力で攻められてしまった場合はオリアの兵たちの体力次第となりましょう」


「ギンドよ王国軍の半分を王都グリナダスの守りに、王国軍剣聖部隊には今すぐにでも馬を使い先行させよ」


「はっ!! 今より全軍に緊急招集っ、王国軍剣聖部隊は馬を使い先行っ!!」


そう、復唱するとすぐにギンド様は軍を動かすため部屋を退出していった。


「父上……大変な事になりました。エルフィン族が無事なら良いのですが……モンスターの大群と、もしもですがエルフィン族が全滅でもしていたらグリナダスは生きた大森林に飲み込まれることになります……」


「大丈夫じゃ……オリアの城主はワシの弟じゃ、だれよりもエルフィン族がいかな種族か理解しているはず城門を開け保護をしているはずじゃ。アルスロットすまぬが……今からワシたちはオリアへの対応を協議する、神への伴侶の誓いの儀式はできたらまたの機会に残念じゃ……」


「はい、もちろんです陛下。そうですね……陛下、グリナダス王国の最強の剣士を直ぐにでも西のオリアへと向かわせる方法があるのですが……」そう切り出すと、俺はアスハブ陛下にエルランダ教国へと向かった方法と、門の存在を伝える。


「なっなっ……そんな神のようなことが可能なのか? アルスロット……」


あまりの事に陛下は俺を少し厳しい目で見つめてくる……。


「はい、可能です。僕とヴァルがオリアへと飛んで先行し……そうですねたぶんエルランダ教国よりかなり近いので数十分で到着後には王都グリナダスへとつなぐ門を設置、そこを通り王国軍をオリアへと瞬時に送ります」


「ヴァルがアルを抱っこして飛べばすぐなのじゃ~オリアは近いのじゃ~」


「ははは……父上……アルスロット殿は、本物の英雄ですな……」


「頼んじゃぞ、ワシはすぐにでも王城訓練場に軍を待機させる、そして門なんじゃが訓練場へ繋いでくれできれば門の存在は秘密にしたいのじゃ」


「はい、僕も緊急事態でなければ今の所は使う気はありません。オリアへの兵の移動が終われば門は解除します」


「そうじゃな……それがいいじゃろう。すまぬが直ぐにでもオリアへと飛び、そうじゃの……」陛下は立ち上がると執務机へと向かい何やら出し書き始め……その姿を見ながら少し待つと。


「これは、ワシの勅令書じゃこの書類を見せればオリア城主、ワシの弟のアルタス・アーク・オリアに面会し門を設置させることが出来る」


「わかりました……これを見せてアルタス様に面会し門の設置を急ぎます。それでは陛下は訓練場に……飛び立つときにヴァルが虚栄の門を壁に設置しますが開くことは無いので門が自然に開くまでは待機をお願いします」


俺は陛下から封蝋がされた勅令書を渡され、俺のパーティー・セラフィムにシエルナーザ様が加わり、神へ伴侶の誓いの儀式は延期となった。













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