表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/148

第五十話 教皇

「私は今、神の奇跡を見ているのか・・・」大聖堂を出て大広場、そして門へと続く大通りには人々があふれ返り・・・屋台が見渡す限り立ち並び、様々な食べ物の良い匂いを私の鼻まで届けていた。


「どこからこんな食料が・・・エへラン教皇陛下、少し前から良い匂いが・・・そして住民が祭りの時の様に生き生きとして大通りにあふれ返っております」


「皆の者!!エへラン教皇陛下がお通りになるっ!!」私の前には聖教徒騎士団の者たちにより道が出来上がると私の方を向き首を垂れ始める教国民たちの姿が見えていた。


「よい・・・皆の者、私にかまわず食べ物を頂いてくれ・・・そして、もし隣人が困っていたら助けてやってほしい。今どの様に誰が食料を配布しているか分からないが・・・聖教徒騎士団は6の衛星都市に早馬を出し食料があることを伝えるのだ・・・」

私はこの食料を出来るだけ多くの教国民に食べさせてやりたいその一心で、この神の奇跡に誰が?とかどうして?とかそんな事は頭から消え去り指示を出していた。


「エへラン教皇陛下っ!!美味しい食べ物がいっぱい食べれましたっ」


私の前には・・・サッパリと水浴びをした後のような奇麗な顔をした少女が食べ物を私に差し出していた・・・。水も・・・体を拭くのに十分な水もあるのか?私はその少女から食べ物を受け取りこの神の奇跡を立場など関係なく横に膝をつき聞き出していた。


「これはいったいどうしたのだ?教国民は飲み水さえ手に入らず食料もないはずだ・・・。私の失策のせいで・・・」少女から手渡しで貰った包み紙を開けると・・・暖かい良い匂いがほわっと香り胃がギュウ~と動き始める、小麦を溶いたものを薄く焼き中に肉や野菜・・・なんだ?この白いモノは・・・じっと包み紙の中の食べ物を凝視していると。


「エへラン教皇陛下っこれは、とーーーーーーてもおいしいんだよっ!!あっちの屋台でお兄ちゃんとお姉ちゃんがいっぱいいっぱい焼いてみんなに配ってくれてるの、私はお腹がいっぱいになったからお手伝いしてるのっ!!」


「あっああ・・・それでこれは美味しいのだな、食べても良いのか?」


「うんっ!!エへラン教皇陛下たべてっ!!!」


私に食べ物をお腹いっぱいに食べて血色の良くなった顔を笑顔で一杯にしながら、食べてと言う少女に私の胸には込み上がってくるものがあり・・・少女から受け取った食べ物にかぶりついていた・・・。


「うっうまいっ!!!!何という美味さだっ!!!こんなうまいものは今まで食べたことは無いぞっ!!!」


「ねっ!!!とーーーーーてもおいしいよっ!!!」


私の前で手を大きく広げ体で美味しいと表す少女を前に、私は涙が止まらなくなっていた・・・。







「美味しかったよ・・・ありがとう、すまないがこの食べ物は何処の屋台で貰えたのかな?」


「あっちの屋台だよっ!!エへラン教皇陛下っはやくこっちっ!!」


私の少し前で手をおいでとする少女に本当にお腹いっぱいで元気になったんだなと実感するそして、やはり周りの者たちも身ぎれいだ・・・むしろ私の方が薄汚なかった。


あの屋台か・・・少女に案内された先の屋台では少年と幼女?に成人女性が一生懸命に屋台で先ほど食べた物を手渡しをして配っていた・・・。

ああ・・・皆の者が手渡された食べ物に笑顔になる・・・私はこの笑顔を守れなかったんだなと今更ながらに衝撃を受けて立ち止まってしまっていた。


どの位、少年が一生懸命に屋台で食べ物を配ってるいるのを見ていたんだろうか・・・私の周りにはいつの間にか教国民の輪が出来上がり・・・。


「おはようございますっ!あなたがエルランダ教国のエへラン教皇陛下でしょうか?」


私の前には、この奇跡の原因の中心であろう少年が立ち私に話しかけていた・・・。


「ああ・・・君はいったい何者だ?神の使いか?」


「あっ、エへラン教皇陛下申し遅れました・・・僕はグリナダス王国セラフィム所属のEランク冒険者アルスロット・カイラスです。今日はグリナダス王国アスハブ・ギルン・グリナダス陛下の言によりエルランダ教国の食糧支援要請に応えこうしてはせ参じました」


私は、この少年が言っていることが理解はできるが・・・なぜ?どうやって?と頭は真っ白になって思考はグルグルと回っていた。何よりこのエルランダ教国までグリナダスから最低でも10日はかかる・・・しかも早馬でだ・・・。普通に歩けば3週間近い日程かかるはずだ・・・それがどうやって?私がグリナダスへ送った使者は・・・タンテスだ、動ける者の中で一番位が高く真面目な男を選んで支援要請を託したが・・・この早さで事を成せる能力があの男に?いや・・・あの者の力ではない、この子供・・・が?私は考えれば考えるほど答えは真っ白へと塗り潰されるだけだった。


「今回、エへラン教皇陛下へ謁見が叶う前にこうして独断で教国民の皆様へ食料を勝手に分け与えてしまう事態になったことに、お詫び申し上げます」


この少年は、ペコリと私に無断で教国民に食糧配布をしたことに謝罪をしてきていた・・・。

「いっいや、それは構わない・・・君は、アスハブ陛下の言に応えたのだな?」


「はいっ!!正確にはアスハブ陛下の言を実行するヒルダ・トリニテからの要請で僕は手伝いをさせてもらっただけです」


手伝い・・・この大広場と大通りにあふれ返るほどの教国民をお腹いっぱい食べさせてるこれが?・・・この小さな少年をじっと見ると、不思議な威圧感?がにじみ出ており・・・教皇という教国の頂点に立つ私は少したじろいていた。


「エへラン教皇陛下、失礼します。<浄化>」


私の体は泡に包まれ・・・あああっ気持ちいい、この者は神の魔法を使えるのだな?

「アルスロットと言ったか・・・神の魔法を使うことが出来るのだな?今の清浄?は経験したことが無いほどの見事な魔法だった」

服を見ると真っ白に、そして体はすっかりきれいになり体を水で拭いた時以上のサッパリ感が体中を包み込んでいた。私の最高の魔法でもこうはいかない・・・この少年は神の使い・・・そんな考えが威圧感?を出す少年にぴったりとはまる姿だった・・・。


「えっと・・・神の魔法ではありません。これは基礎魔法といい、グリナダス王国では親から子へと受け継がれる全ての基礎となる魔法です。特に特別な、ましてや神の魔法ではありません」


私は、少年アルスロット・カイラスの神の魔法ではありません言う言葉に・・・今日一番の衝撃を受けていた。


「いやっこれは神の魔法のはずだっ!!教国民は全ての者が大聖堂にある神像の前に立ち祈りそして神の魔法を賜るのだっ!!」

あまりの衝撃に私の口調は荒れ・・・大声が出ていた。


「・・・そうですね、エへラン教皇陛下・・・教国民の皆様の中から一人この場で基礎魔法を受け継がせるお許しを頂けませんか?」


「なっ!!・・・それは、そんな事は・・・」私は私を囲む教国民を見渡す・・・が・・・。


「エへラン教皇陛下っ!!わたしが受け継いでみたいですっ!!私は神像様から神の魔法はいただけませんでした・・・。もしお兄ちゃんが・・・基礎魔法と言うものを話の通りに受け継がせてくれると言うのなら私は受け継いでみたいですっ!!!」


私の横には先ほど案内してくれた少女が真剣な顔で・・・ああ、覚悟をしてる何という事だ大司教や枢機卿の中にこのような真剣な覚悟を決めた顔を・・・いなかった・・・そしてエルランダの惨状があったのだった・・・。


「ああ、エへランの名において許す・・・」


「エへラン教皇陛下ありがとうございます。皆さんっ今この少女に・・・」「アリアだよっ!!お兄ちゃんっ!!」「アリアちゃんに教える魔法はグリナダス王国では基礎魔法と言い親から子へと受け継がれてゆく全ての基礎となる魔法です。この基礎魔法があるからこそ魔法がありスキル技があるのですっ!!そして今からアリアちゃんには僕から基礎魔法を受け継いでもらいますっ!!」

俺は集まっている見渡す限りの教国民に告げ・・・アリアちゃんと向き合う。


「アリアちゃん、魔力は知っているかな?体に流れるポカポカした物なんだけど・・・どうかな?」


「ん~分からないけど・・・神像様に祈る時に体中がポカポカしてるっ!!」


「よかった・・・それなら直ぐに覚えることが出来るはずだよ。まず目をつぶって神像様に祈る時の様に体中がポカポカする状態になってくれるかな?」


俺の指示に従い、アリアちゃんは俺の前に膝まづき・・・祈りを始めると・・・あっこの子すごい、魔力が強いのか体の周りに戦闘レベルの魔力が流れているのが見えて(・・・)いた。


「うん、アリアちゃんその調子。その状態で種火、水を浄化、送風、体の浄化をしたいと思えば勝手に呪文が浮かんでくるのよ?人それぞれ呪文が違うから人の呪文は使えないからね」


アリアちゃんは膝まづいたまま・・・手を突き出すと<ひたね>ポッと指から・・・しかも5本全てから()が上がると、一斉に周りから驚嘆の声が上がりざわつき始める・・・。


そして・・・・・・・。


<おみず>炎は消えて、水が・・・<そよかぜ>水が止まり、風が・・・<きれい>俺に浄化魔法と思われる<きれい>が発動し一瞬でさっぱりと俺がアリアちゃんにかけてあげた<浄化>そっくりの効果が出ていた。


「アルお兄ちゃんっ!!!わたしっ!!!できたっ!!!わたし・・・わたし・・・えぐっでぎた・・・」アリアちゃんはあまりに簡単に基礎魔法を俺から受け継ぎ・・・目の前ですべて披露すると、出来た喜びに泣き出してしまっていた。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ