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第四十二話 血に飢える者

「う~ん、お腹がすいたのじゃ~」むくっと突然起きてきた少女はじゃ~と伸ばす独特な言葉に・・・目が赤いっ!!ルーチェさんより少し高い位の背に、背中には伸びをした時に連動するのか体よりも大きな闇のような漆黒の翼がバサッと動いて風を巻き起こしていた。


「あらっあなた、ヴァンプ族の子だったのね・・・」


「うっ!!そうなのじゃ~お使いに出てたのじゃ~。今日は日差しが強すぎてチカチカしたのじゃ~」


「あなたみたいな小さな子が?どうかしたのかしら?たしかヴァンプ族の人たちは基本、ダンジョンでモンスター討伐で生計を立てていて。冒険者ギルドが定期的に買取クエストを・・・あっ!!!もしかして初心者ダンジョンっ!!!」ヒルダさんは初心者ダンジョンに住み着くヴァンプ族の事を思い出していた。


「あ~、初心者ダンジョンにヴァンプ族の集落があったね・・・私たちが新たに初心者ダンジョンを目覚めさせちまったからあそこは今最低でもCランク冒険者じゃないと入れないからね・・・。しかも新しく生まれ変わってるから以前のFランクダンジョンの様に危険だ実質はAランク冒険者の付き添いが必要だろうねえ・・・」


「う~そうなのじゃ~誰も冒険者が来なくなってこまったのじゃ~。それで飛んできたのじゃ~日差しがチカチカで大きな門があったお屋敷の門の陰で休んでいたのじゃ~」


「あらっ、あなた私が訪ねた時にはスウスウ可愛く寝てたわよっ」


「う~疲れてたのじゃ~、初心者ダンジョンのモンスターが強すぎて飛んで逃げてきたのじゃ~」

モンスターが強かったと口をへの字にゆがめて目に涙をため始める・・・。


「んっんっ」よしよしとルーチェさんのほうが背が低くてちびっこの癖に頭をナデナデと慰めると・・・さらにヴァンプ族の少女は本格的に泣き出してしまっていた。





「ほらっもう泣かないでお腹がすいてるんだったわね、直ぐに食べれる物を用意いたしますわ」メリダさんはキッチンへと軽い食事を調達に引っ込んで、5分もするとスープにジャガイモをふかしていたのかジャガイモにマヨネーズをたっぷりかけた物を持ってきていた。


「明日の朝食用にジャガイモをふかしていたのですが丁度良かったですわ。マヨネーズをたっぷりかけてあるからとっても美味しいですわよ」


くんくんとにおいをかぐと、少女はあちのじゃ~うまいのじゃ~と口いっぱいにジャガイモを頬張って食べると涙も止まり食べ終わるころには笑顔になっていた。




「それで、あなたのお名前は?」食べ終わりヒルダさんが紅茶とお菓子の焼きメレンゲを出し頬張りつつまだ名前も分からない少女に聞く・・・。


「うっ、そうなのじゃ~ヴァル・フレイアなのじゃ~」ぺこんと、おいしかったのじゃ~と名前と共にお辞儀をするとお腹がいっぱいになり。日が落ち始めて夕方になったこともありヴァンプ族のヴァルは元気が出てきたようだった。


「フレイア・・・はっ!!、大変失礼いたしましたっ!!!ヴァル・フレイア様っ」突然立ち上がるヒルダさんが頭を下げると、フレイア家はヴァンプ族の大貴族でヴァルは大貴族フレイア家のご令嬢だと皆に説明を始める。


「アル様、フレイア家はグリナダス王国にヴァンプ族の王権を渡し大貴族となり、今はともにグリナダス王国を支えている大貴族なのですわ」


なんで、そんな大貴族のご令嬢が・・・。


「それで、なぜ危険な初心者ダンジョンを抜けて王都に来たんだい?」


「おなかがすいたのじゃ~、冒険者が来ないから集落の食べ物は昨日でなくなったのじゃ~。だからヴァルが国王様にお助けをおねがいにきたのじゃ~」


ああ・・・なんでこんな簡単な事も気が付いてあげれなかったんだろう・・・。ヒルダさんは「私たちは・・・何をしていたんだ自国民が餓えていたなんてっ!!」と声を荒げていた・・・。


ヴァルが俺のパーティーハウスの屋敷にたまたま転がり込んできたことにより、更に問題が増えてしまった。自国民のヴァンプ族が初心者ダンジョンに閉じ込められ、冒険者が来ないため昨日から食料が底をつきお腹を空かしていることと、エルランダ教国の今日明日にも餓死者が出そうな緊急の食糧支援の問題と・・・。



「それで、どうされるんですか?ヴァンプ族のほうは今からアスハブ陛下に?」


「そうですわね・・・アスハブ陛下に謁見し現状を語ってもらい、すぐに王国軍が動くのがいいでしょうね」


ヒルダさんはすぐにでもヴァル様をアスハブ陛下の元へとお連れしますと支度を始めるが・・・。


「うっ~一人じゃさびしいのじゃ~アルもきてくれなのじゃ~」なぜか俺にびったりとヴァル様はひっつきイヤイヤと首を振りながら俺たちに同行を願い出ていた。


「アル君っついてってあげましょうよ」「そうですわね、まだヴァル様は幼いですし不安ですものね」「んっんっ」ルーチェさんもヴァル様をナデナデしながら付いていくとよしよししていた。


「しょうがないねえ・・・初心者ダンジョンが今の危険な真の初心者ダンジョンになってしまったのも私らが関わっているし・・・何とかしてあげるのが筋だね」


「はいっ!!!俺もそう思いますっ!!」


「ありがとうなのじゃ~、それじゃあすぐにでも国王様の元に行くのじゃ~」


俺達がついてきてくれると分かったとたんヴァル様は、ぱあっと花が咲いたような笑顔になりヒルダさんを逆にせかし始めていた。









先にヒルダさんは王城へと戻りアスハブ陛下に謁見の前準備をするため俺達とは別行動をしていた。


「うわ~、なんかピリピリしてる・・・」


「そうですわよカトラ様・・・自国民のヴァンプ族が真の初心者ダンジョンに閉じ込められて、そのせいでヴァンプ族は飢えているなんて・・・これが広まっていたらグリナダス王国の大失態ですわ・・・そしてアスハブ陛下の治世に影響も出てもおかしくないかもしれませんわね・・・」


「まあ、国民を飢えさせたなんて笑いものだろうね・・・しかも、王都民はたらふくご飯を食べれているんだ他部族のヴァンプ族をないがしろにしたとかね。グリナダス王国は多種族国家だ人族を優遇する国王とうわさが広がれば治世は大打撃を受けるね」


「だいじょうぶなのじゅあ~ヴァンプ族は人族となかよしなのじゃ~国王様もなかよしなのじゃ~」

カトリナ様とカルマータさんの言葉に不安だったのかヴァル様は仲良しなのじゃ~と必死な顔で俺たちに伝えてきていた。


「うんっ、ヴァル様もちろんですよっ。俺もヴァンプ族とヴァル様は大の仲良しですっ」

俺は出来るだけ不安を無くしてあげたくて声を大きくしてヴァル様に伝えていた。俺の大の仲良し発言にヴァル様は、ぱあっとまた花のような笑顔になりアスハブ陛下の謁見へと向かっていった。








「ふむ・・・今回は王国軍を直ぐに動かし、真の初心者ダンジョンとなって閉じ込められたヴァンプ族をすぐにでも保護することとする・・・。ヴァンプ族には一時的に王都に移動してもらうのじゃが・・・数万人規模の住民を受け入れる住居がすぐに用意が出来ぬ・・・ヴァンプ族は日差しに弱いという事じゃし困ったのう・・・誰かこの難題をどうにかしてくれる者がおると良いのじゃがのう」

チラッと俺を見るアスハブ陛下・・・沈黙を守る俺に何度もチラッチラッ、ウオッホンッとわざと咳をする・・・。


「アル君っ、ほらっ!!」「アル様・・・」カトラお姉さまとカトリナ様が、わざとらしいアスハブ陛下の演技に助け舟を出してきた。


はあ・・・まあそりゃあ何とかしてあげたいけど・・・数万人規模の住む場所、しかも暗いダンジョンのような所を用意しないといけないって事だろ?

俺の能力以前にそんなのは何十年もかけて少しずつ住処を作るのが普通だよね・・・一応ダメもとで・・・聞いてみるか・・・。


ヴァンプ族の住処をどうにかしたい、いい案は無いか?<ニュースサイト>


「1847 虚栄の水晶」


虚栄の水晶?なんだ?俺は記事を開く。


@@@@@@@@@

1847 虚栄の水晶


虚栄の水晶は栄華を誇る都市の虚栄を作り出す神の魔道具である。三種類の水晶球を所定の場所に設置をし登録、操作することによりその都市を鏡を映したように異空間に作り出すことが出来る。


使うには心の清い者が必要。澄み渡る純粋な心が虚栄の水晶の発動キーになり、管理もその者により自由自在となる。


@@@@@@@@@


はは・・・うそだろ・・・これがあればグリナダス王国の首都をそのままコピーして異空間に全く同じ都市を作ることが出来るのか?俺が持ってる水晶はアシェルさんが魔術師ギルドに持っていけば高値で売れる?と言ったやつだ・・・売らなくてよかったよ・・・・・・。



「んっどうしたのじゃ?アルや?」長時間フリーズしていた俺に皆の顔が集中していた・・・。



「神の魔道具を使えば何とかできます・・・」


「なに?神の魔道具じゃと?創世神話に使われ、作られた神の遺物の一つかの?」


「はい、真のボスドロップ品の中に三種類の水晶球があったのですが。どうやらは三種ではなく一つで虚栄の水晶と言う神の魔道具の様です・・・」


「虚栄・・・それはどういったものじゃ?」


「それは。この栄えるグリナダス王国の首都をそっくり鏡に映すように異空間に作り出すことができます」


「なんじゃとっ!!!そんなことが可能なのか?・・・100万の民を更に首都に居を置けるのじゃな・・・アル、その神の魔道具をグリナダス王国の為に使ってくれるのかの?」


「はい、ヴァンプ族の者たちに平和で安全に好きな時に王都と行き来できるならば・・・これをヴァル・フレイア様に献上いたします」


「むう・・・、フレイアにか?」


「いえ、これはヴァル・フレイア様にです」


「アル~ありがとうなのじゃ~?ヴァンプ族は助かるのじゃ~アルはやさしいのじゃ~」

俺は嬉しそうにはなまる笑顔を向けるヴァル様にこの方なら清い心を持ってるしこの神の魔道具を持つにふさわしい方だろうと確信をする。


「むう、残念じゃのう・・・ヴァル・フレイアにかのう・・・?」チラッと俺を見るアスハブ陛下は本当に残念そうにしていた。


はは・・・これはダメだろうな・・・アスハブ陛下は良い為政者だが、今回の神の魔道具を使う事は無理だろう・・・。ん~心が清くなければ使えませんなんて言ったら・・・さすがにマズいな・・・どうやって誤魔化そう・・・。俺は、なんて説明しようとウンウン考えるが・・・。


「アル君っ大丈夫?もしかして御トイレ我慢しているの?アスハブ陛下っアル君が御トイレにっ!!」


「わああっ違うんですっ!!もう、カトラお姉さまっひどいですよっ!!」


カトラお姉さまのおかげで沈黙で静まり返った謁見の間が少しほっこりとしたような気がした。


「ふむ、残念じゃが今回に限ってはワシは下手を打ったようじゃのっ。アルやそちを困らせたようじゃ、虚栄の水晶はヴァル・フレイア(・・・・・・・・)に献上。神の魔道具を発動させ避難をさせたヴァンプ族の王都での住処とする、これでよいかの?アルや?」


「はいっっ!!!」俺は、アスハブ陛下の深いお心に大きな返事をしていた。







アスハブ陛下との話し合いが終わるころに、ラングお父さまが謁見の間に呼ばれていた。

「お父さま・・・」


「やあっアルっ朝ぶりだなっ」


ラングお父さまの軽い感じの挨拶に、なんか嫌な予感がする・・・。

「あっあの、お父さま・・・」


「アルっ今は何時だ?ママが心配して俺の所まで泣いてきたんだぞ?心配させたらダメじゃないか?」


「あうっ、申し訳ありませんっ!!」


俺はライラお母さまの愛情に、目まぐるしく動く厄介ごとにどこかで忙しいからと・・・こんな俺はライラお母さまの息子でも甘えすぎだと反省する。


「アスハブ陛下っ申し訳ありませんっ僕は一度家に帰りライラお母さまに愛情たっぷりのお叱りを受けてまいりますっ。それでは御前失礼いたしますっ!!」

おれは、すぐに数歩下がり踵を返すと早歩きで自分の家に・・。心配させたライラお母さまの元へと帰っていった。







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