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第三十八話 Fランクの解放ー終ー

ダルガンは何処にいる?<ニュースサイト>


「1732 ダルガンの今は」


@@@@@@@@@@@

1732 ダルガンの今は


南住宅街に火をつけた後、大通りで訳の分からないことを叫んで剣を振りまわし暴れている。すでに数人のけが人が出ている模様。


@@@@@@@@@@@


「まずは、このまま南大通りを進みましょう。ダルガンが暴れて王都民を切り付けてケガ人が出てるみたいですっ。カトラお姉さまは仮面を被って怪我した人たちを回復してあげてください」俺はシエルハーナ院長からカトラお姉さまがもし一般人を治療する時には顔を隠す仮面を必ず被らせるようにと渡されていた。


「あらっカトラ様っステキですわっ」「んっ」「仮面かい・・・顔を知られるとまずいし、いいかもね」




「ぎゃはははっぶはははっじねええええええええっお前らしっねえええええええええっ。おれのためにしねえええええええっ!!!」

ブンブンと乱暴に振り回されるダルガンの剣に、大通りにいた人たちが逃げまどう。


そして、倒れる母親の陰には小さな子供、何とか止めようとする若者に、何人かの男たちが棒を持ち牽制していた。



「許せないっ!!!皆どいてっ!!!(さんかく)っ」カトラお姉さまの怒り声に牽制していた男たちは一斉に左右に分かれると△の魔法の楔がダルガンの体を縫い付け一切身動きが出来ないように。

「直ぐに痛くなくなるからね・・・(まる)っ・・・」カトラお姉さまは右手から△魔法、左手から〇魔法を発動させる。


親子の体が〇魔法に囲まれると暖かな光が瞬時にダルガンから切り付けられた傷を治してゆくと一斉に周囲の人々から歓声が沸き上がった。


「最後までクズだったねっダルガンっ!!!あんたを絶対に許さないよっ!!!」△の楔に縛り付けられたダルガンは何処か彼方を見て笑いながら、カルマータさんの怒りの拳で殴られ気絶した。




「アル様っ!!!南東の方・・・赤い炎が立ち上がってるのが見えますっ!!!ここは周りの男性方に任せ消火にっ」


「うんっ、すぐに向かおうっ」


俺達は南東の方へ赤く炎が立ち上がり天を焦がす様子を目印に全速力で向かっていった。




「そんなっ・・・」「まいったね・・・」「熱いですわっ」「んっう」


到着した俺たちの目の前には踊り狂う炎で燃えさかる家々だった・・・。


「おとうちゃんおかあちゃんっ、わたちのおうちがもえちゃうっ」「うんっ・・・大丈夫っあなたが無事ならいいのっ」「そうだ、可愛いお前が無事ならいいんだ」


目の前には焼け出されたのか親子が着の身着のままで固まって泣いていた・・・。



俺はこの光景を見て一層ダルガンの事が許せなくなっていた・・・ギルドが安全のために設けたシステムを悪用し、Fランク冒険者を良いように使い。Fランクダンジョンを自分の遊び場のように汚し、自分が怪我をし逃げかえれば王都の住民の幸せな生活を脅かす・・・そんな姿を決して許せなかった。


「アルっどうにかできるのかい?どう見ても水魔法でもこの火災を消すのは無理そうだけど・・・」先ほどから井戸からバケツリレーを住民たちがしているが・・・大火になりつつある炎の前には目に見える効果は無かった・・・。


「直ぐに、火を消しますね・・・」俺は胸のベルトの青い丸の上に手を置き炎を見る(・・)と・・・一瞬で視界の炎が消え、代わりに大量の水が炎と入れ替わり火でおおわれていた家を包み込む。



(しかく)っ」咄嗟にカトラお姉さまが□魔法で消火活動していた人たちの前に魔法障壁を出すと同時に大量の水で家の残骸が盛大に崩れ落ちていた。


「アルっ!!!もう少し水を少なくしなっ!!!」


「アル様っ私たちが住民の皆様を退避させますわ」「アル君っ私は□魔法で崩れる瓦礫から守るわっ」


「んっ」ルーチェさんは強大ハンマー・トールのハンマーヘッドを限界まで巨大化させて壁にしていた。



「ふうっすいません一気に出しすぎたみたいです・・・次は手前から徐々に水を出して消してゆきます」

俺は炎を収納しながら、代わりに水を出し手前から徐々に奥へと順序良く火を消していった。


「何とかなりそうだね・・・それにしても。この水は・・・なるほどね神の宝箱の中にあの膨大な10Fの水を収納したんだね・・・とんでもないねえ」


「アル君っすごいっ!!」「アル様の、神の宝箱は本当に神のなせる業ですわ・・・」「んっんっ!」


みんなそれぞれに興奮し、神の宝箱があの水で身動きが出来なかった窮地を救ってくれたことに、全ての水を収納できてしまったことに驚いていた。




「おにいちゃま、ありがとう」「火を消していただきありがとうございます」「君の名前を是非教えてくれ私はムラク妻のコトリに娘のラヴィだ」


「俺はFランク冒険者のアルスロットと言います。家の方は・・・間に合いませんでした」


「いや、こうして家族全員がそろって。私たちの家から出た火も王都に広がることなく消えた・・・これ以上のことは無いよ、ほんとうにありがとうアルスロット君」


「アルおにいちゃま、ありがとうっ」とんと抱き着いてありがとうと言うラヴィちゃんは小さくこの子の笑顔が見れたことに安堵した。


「焼け出された人たちは何人ぐらいかしら・・・オーチャコ神礼拝堂で一時的に受け入れることが出来ます。ムラクさんこのまま焼け出された人をまとめて大通りを北に進んだオーチャコ神シエルハーナ院長に事情を話し保護を受けてください。家が見つかるまでの衣食住は提供されますので」


「はいっ、ありがとうございます・・・えーと・・・」


「あっ私は申し訳ありませんが素性は話すことはできません・・・」


「そうですか・・・ありがとうございます。オーチャコ神様の元に保護を願い出てみます」


「はいっ、シエルハーナ院長はちゃんと相談に乗ってくれますから大丈夫ですよっ」



「おにいちゃま、おねえちゃまありがとーばいばいー」

ムラクさんとコトリさんは他に焼け出された人たちをまとめオーチャコ神礼拝堂へと向かっていった。ラヴィちゃんは最後まで父親のムラクさんに抱っこされながら俺たちに元気よく手を振って別れた。




「アル君っほっとしたわっ、あの子の顔が曇った泣き顔じゃなくて・・・」


「はいっカトラお姉さまっ!!皆の協力があってあの笑顔が守れたんだと思いますよ」


「そうだねっ皆よくやったよ・・・・」「そうですわねっ大火になってもおかしくなかったですもの」


「んっ」ルーチェさんもイイねしながら返事をする。



大通りに戻ると、回復をしてあげた親子からお礼と感謝の言葉を貰い周りの何とかしようとしていた人たちからはダルガンは王国軍に引き渡され連行されたと教えられた。



「さっ、疲れ果ててるけど冒険者ギルドに行こうかね・・・」


「ふえ~カルマータさん・・・私もうへとへとです・・・」「わたくしも・・・フラフラですわ・・・」


「んっ~う~」ルーチェさんもダラーと俺にもたれ掛かって抱っこ状態になる。


「うっわ」「あっ!!!ルーチェさんずるいっ!!!」「わたくしもっ!!」俺は三人に後ろから抱き着かれ疲れた体を身体強化で無理やり動かして冒険者ギルドへと向かうのだった。







「アシェル戻ったよ」


「わっ無事帰還されたんですねっ良かったっ!!!」

カウンター越しだったが初のボス討伐から無事帰還したことに飛び上がるほど喜んでいた。


「危なかったけどね、こうして皆無事に帰還出来たよ。もちろん初のボス攻略も果たしたからね・・・明日からはFランクダンジョンは本当の意味でFランクになり解放されるよっ!!」


最後のほうのFランクダンジョンの初ボス攻略を成し遂げたこと、明日からは本当の意味でFランクのダンジョンになりFランク冒険者に解放されることを今ここに居る冒険者たちに伝えると、一斉に「うぉおおおおおお」と皆が雄たけびを上げていた。


「やあっ、無事に帰ってこれたようだね・・・」

冒険者たちの大騒ぎにイオスギルドマスターが2階の執務室から降りてきていた。


「ああ、危ない場面もあったけどね・・・皆無事に戻ることが出来たよ。それと、ダルガンなんだけど王国軍に今は拘束されているよ。まだ情報が来てないみたいだけど・・・奴は王都に火をつけて大通りで剣を振りまわし人々を切り付けたよ」


カルマータさんの言葉にギルド中の冒険者たちが一斉にシンと静まり返る。


「なっ!!!カルマータっそれでっ・・・火という事は今もどこかが燃えてるのか?どこだっ!!!」

イオスギルドマスターは今も燃えていると思い込み、いつもの冷静な姿は消えていた。


「火はもう消しましたわ」「うんっ、もう消えてるわ」「んっんっ」


「火は住宅街の家屋に放火されたのですが今は消火も終わり、焼け出された人々はオーチャコ神礼拝堂に向かってもらいました。それと、大通りでダルガンに切り付けられた人々の治療は終わってますので安心してください」


「そっそれは・・・ほんとうになんと・・・」チラッとカルマータさんの方を見るイオスギルドマスターは目線で聞くと・・・。


「本当だよ、ダルガンの凶行は全て片付けて来たよ・・・まあ、焼け出された人たちには少しの間不便な思いをさせるけどね」


「そうなのか・・・ダルガンがそこまでの事をしていたとは・・・監視を付けなかった私の落ち度だ。今回の一連のダルガンの凶行を最小限に抑えることが出来たのは君たちのおかげだ、ありがとう」

イオスギルドマスターからの感謝の言葉に、周りの冒険者たちも一人ずつ俺たちの前に来てはFランクダンジョンの解放とダルガンの凶行を止めたことに、それぞれ賞賛を受けていた。




「さて、討伐報酬とドロップ品の査定をお願いしようかねアシェルたのんだよ」


「はいっ、皆さんの冒険者カードをお預かりしますねっ。それとドロップ品は談話室で査定をしますので談話室に移動をお願いします」




「アルさんドロップを出してくださいね、あっまずはボス以外の物からお願いしますね」


俺はボスまでの道中で倒したモンスタードロップを出してゆくが、全部ゴブリンのドロップだった。


「あれ?ゴブリンだけですか?これだとレアドロップが出ないとかなり厳しい査定になりそうです・・・」

その他に、ゴブリンでもゴブリンアーチャー、ゴブリンマジシャン、ゴブリンナイト、ゴブリンキングなど出現率がレアなモンスターはかなり高いそうだ。


「そうだね・・・ゴブリンのドロップは期待できないねえ」


「ん~魔石にナイフにゴブリン鉱石が少しですねえ、256匹の討伐をされていますが・・・すぐに報酬額を出しますね」


アシェルさんはさっと傷品が無いかチェックをした後に魔道具を使いカウントしていく。


「えーと、まずは討伐報酬がゴブリン256匹で128000ギルダ。ドロップ品は魔石が256個で25600ギルダ、ゴブリンナイフが128本で128000ギルダ、ゴブリン鉱石が12個で120000ギルダで合計で401600ギルダに5人で分けると80320ギルダになります」


「アシェルさんそんなに悪くないわっ、Gランクモンスターだけ討伐する方が効率は良さそうだけど」


確かにカトラお姉さまが言うように悪くない金額だったが、これはモンスタートレインで効率よく?ゴブリンたちを集めてくれたおかげでもあるしね・・・通常ではこの半分も稼げないだろうなあ。


「でも、わたくしたちにはFランクダンジョンのボスドロップがありますわっ!どんな値が付くのかワクワクしてしまいます」


「カトリナっ私もっすっごい気になってドキドキするわっアル君っ早く出してっ!!」


「うん、ちょっと待ってね。かなり大きいのと量が多いから・・・」


ちょっと待ってくださいと、アシェルさんが床にクッション性のある布を一面にひき始めた。


「さあ、この上にドーンと出してくださいっ!!!私も真のダンジョンボスドロップ査定ですっさっきからドキドキしっぱなしですよっ!!」

どうやら、ダンジョンボスのドロップは初の物は真と呼ばれアシェルさんが興奮しているようにとても貴重で高価なドロップ品だろうとのことだ。


まずは、巨大な魔石を取り出す。神の宝箱から出したい所に視線を合わせればその場所に出すことが出来るから巨大な物でもスッと出てきて、なれないとびっくりする。


「きゃっ!!!わっわっ!!!すっすごい・・・こんな巨大な魔石を見たのは初めてです・・・100cmはあります・・・それにとっても澄んだ水色で奇麗・・・」


「ボスモンスターが水系モンスターのゼレインだったからねえ・・・通常のゼレインより体格が6倍以上あって正直私でもあせったね・・・」


「えっ?6倍以上ですか?通常は子供位の80~100cmぐらいの大きさのモンスターですよね・・・6倍・・・・・・」


「ああ、アルなんか水の中に引きずり込まれて見つけた時には爪とヒレでタコ殴りにされてたよ。あれを見た時は生きた心地がしなかったね・・・全く心配かけてくれるよこの子は・・・」


カルマータさんは俺の頭をぐりぐりと撫でて、心配したんだぞっと優しい言葉をかけてくれた。


「すいません・・・これは値段が付きません。真のダンジョンボスのドロップはすごいとは思いましたけど、査定表にも載ってないこんな巨大な魔石だなんて・・・」


「そうなるとどうなるんだい?値段が付かないんじゃパーティーハウスにでも飾っておくしかないかねえ」


アシェルさんも困った顔をしてしまう。


皆黙り込むと・・・「んっ、んっ」ルーチェさんは奇麗な水色の魔石をツンツンしはじめる・・・。


飾っていても無駄だし・・・ルーチェさんにツンツンされるぐらいがいい所だろうし・・・。

「あっ!!!皆・・・出来たらこれをアスハブ陛下に献上しない?で代わりに焼きだされた人たちの家を何とかしてもらえるように頼みたいんだけど・・・どうだろう?」


「アル君っそれいいわっ!!!私は大賛成っ!!!」


「アル様っわたくしもですわ・・・おじいさまも、今回の事には心を痛めてると思いますし。国王がただ与えるという事は出来ないのでとても助かると思いますわっ」


「ああっそれはいいね・・・今回の焼きだされた人たちはダルガンのCランク冒険者の凶行で家を無くした。冒険者の私たちがその尻ぬぐいはするべきだろうね」「んっんっ」


「はい、俺達はこうして値段が付かないような魔石を手に入れ国王に交渉ができる。どうせ値段が付かないのなら価値あることに変えてもらいましょうっ!!!」


「皆さん、とってもいい考えだと思います。ステキですっ!!」


こうして巨大なゼレインの魔石は国王に献上することに決まった。




「それじゃあ、他の物を出していきますね・・・」俺は宝の短剣、3種の水晶球、ヒレ8枚、目玉石6個、角8本、牙68本、大量の鱗は山になっていた。


「・・・どれも通常のゼレインのドロップとは違いますね・・・。まず、大きいです通常の物の6倍以上の大きさです・・・それとどれも澄んだ水色の光沢を放っています・・・これも通常の物とは全く違います」ヒレ、目玉石、角、牙、鱗とそんな状態でこれも値段が付けることが出来なかった。


「あと、3種類の水晶球ですがこれは魔道具だと思います・・・どんな能力があるかは分かりませんが・・・魔法ギルドのほうでこれはとんでもない値段が付くと思われます。そして宝の短剣でしょうか?これも値段が付きません・・・」


「はあっ、まさか全部値段が付けられないとはね・・・まあ、お金には困っちゃいないしいいんだけどね」


「私達値段が付けられない宝を冒険で手に入れたんですねっ!!」


「そうですわっカトラ様、これこそ冒険っですわっ!!」


「んっんっ」カトラお姉さまとカトリナ様にルーチェさんと輪になりピョンピョンウサギさんになり喜んでいた。


「そうなると、すぐにお支払いできるのは今回のギルドマスター指名依頼達成の報酬とダンジョンボス真攻略の報酬に先ほどのゴブリンの報酬です」


「それじゃあ、それだけでもいただこうかね」


「はいっ、先ほどのゴブリン報酬が401600ギルダ、ギルドマスター指名依頼達成報酬が10000000ギルダ、ダンジョンボス真攻略報酬が100000000ギルダとなり・・・えーと・・・110401600ギルダになり5人で分けると22080320ギルダとなります・・・・・・」


「「えええええええええっ2千2百万・・・・・・」」カトラお姉さまとカトリナ様は信じられないような顔をして、双子のようなそっくりな顔を合わせていた。


「あああっうれしいねえ・・・冒険者になってこんな・・・最高の相棒タイタンに、だれもが夢見る大金をほんとに手に掴むことが出来たんだねえ」

カルマータさんは少し目から水が・・・ウルウルしていてとても美しかった・・・。


ルーチェさんは安定のピョンピョンウサギさんになって・・・いやいつもの2倍は喜んでいた「んっんっ、んっんっ」


こうして俺たちは一人2千2百万ギルダを超える報酬と値段が付けられないレアドロップの山を手にし一流冒険者パーティーのとして名が一瞬で広がることとなった。










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