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第三十五話 Fランクの解放

(しかく)(まる)×(ばつ)っ。さっアル君っパーティーハウスに行きましょっ」


俺の部屋にはカトラお姉さまが作り出したマジックドアが開いていた。




「もうっアルちゃん今度からはもうちょっと早く買ってきてねっ。ママ待ちくたびれちゃったんだからねっ」


「うっうん。ごめんなさいお母さま、卵を販売していた人がちょっと知り合いでつい話し込んでしまったんです」


「そうなんです、ライラさんティタっていう女性冒険者で12人のパーティーをまとめているそうで、つい話し込んじゃいました」


「まあ、そうだったの。じゃあ卵販売をいつも頑張ってる女子たちかしら、ママも買いに行ったときに見る子だと思うわ。髪はショートでちょっと男の子みたいな感じの子でしょ?あっもちろん顔立ちは可愛い女の子だけど」


ボーイッシュって言いたいのかな?まあ、クエスト中は女性らしさを出してる余裕なんか無いだろうしな。カトラお姉さまも髪は短いし、カルマータさんはさらに短いな・・・ルーチェさんとカトリナ様はロングでとっても女性らしい髪型だけど。あの二人はランクも高いし元々がガチのお嬢様っが入ってるんだろうな・・・ただルーチェさんはかなり謎だけど・・・。


そんな話をしながらお母さまの朝食を食べ終わる。あっ今何時?<ニュースサイト>


「0758 ただ今の時刻は」


「うわっ!カトラお姉さま7時58分ですっ完全に今からじゃ遅刻ですっ」


俺達は8時にパーティーハウスに基本は集まるようにしていたので、今からだとどんなに急いでも40分はかかる道のりに完全に遅刻だった。


「えっ?いま時間の事?アル君私がいるなら時間は関係ないよ?マジックドアを開けばすぐに到着でしょ?」


「あっ、そうか・・・」


「まあ、カトラちゃんまたすごい魔法を覚えたのねっ。あっこれは秘密かしらね?」


「はい、ライラさんこれは絶対に秘密にお願いします。アル君の部屋で度々、マジックドアを使うと思いますがよろしくお願いします」







「アル様、カトラ様おはようございます。皆さまはすでに談話室でお待ちになっております」


「メリダさんお早うございます」カトラお姉さまのマジックドアは北城門屋敷パーティーハウスの1階マジックドア専用の部屋に繋がっていた。



「アル様、カトラ様おはようございます」「おはよう」「んっ」


「「おはようございます」」俺とカトラお姉さまは二人そろって挨拶をして談話室の長テーブルに着いた。


「全員そろったし、少し話すことがあるんだけどいいかな?」カルマータさんは昨日解散した後にギルドマスターと話したことを皆に伝える・・・。


「と言うわけなんだけど、アルっお前はどう思う?」


「俺も朝に城門で昨日のFランク冒険者と少し話すことが出来ました。そして謝罪を受けました、それでと言うわけじゃないんですが今の現状をどうにかする力があるのなら俺達で何とかしたいです」


「そうですわねっ、アル様っ私も」「んっ」賛成の声を上げるカトリナ様にピョン飛びするルーチェさんに・・・カトラお姉さまは聞くまでもなくウンウンしていた、決まりだな。


「じゃ、私たちはFランクダンジョンの初ボス攻略を果たし攻略済みダンジョンとしてFランク冒険者をCランク冒険者の足かせから解放するっ」


カルマータさんの力強い宣言で俺たちのパーティーのFランクダンジョンの攻略クエストが決まった。




「じゃあ、ギルド本部でアシェルにクエストの受諾を伝えてから談話室から直接、Fランクダンジョンに向かうよっ。装備は出る前にチェック、乾燥した携帯食料をメリダから貰うのを忘れないようにね。10分後に庭に集合っ!」


「そうだ、俺の荷物はいくらでも持てるので通常の食料やパンなどもある程度持つようにします。時間も止まるみたいですしね」

反則的な能力を持った、三種の神の宝箱に入れれない物は無いだろうな・・・どれぐらいの量が入るのか一度やってみたいな。







「アシェル、ギルドマスターからの指名クエストを受けるよ聞いてるだろ?」


「はいっ、もちろんです・・・それですぐにでも攻略に?」


「ああ、そのつもりだ。それと談話室を借りたいんだが・・・1日中は無理だね・・・」


「えっ1日中ですか?ダンジョンに行かれるのに何故?」


「あーそれは言えないんだよ。やっぱ談話室は無理か・・・そうだね冒険者カードで使用の有無を管理してたね・・・」


「はい、談話室も沢山あるわけではないので。冒険者カードで使用の有無を管理しています・・・借りて使ってないとなると後でペナルティーがあります」


「こまったね・・・」


「んっんっ」ルーチェさんがピョン飛びしてカルマータさんをしゃがませて何やらボソボソと話しかけると・・・。


「ああっ、そうだったねっ!!アシェル有難う、ギルドマスターにちょっと相談するよ。さっ行くよみんな」


「あっは~い、皆さん行ってらっしゃーい」手を振り振りするアシェルさんは何のことやらと首をカクンと傾けながら俺たちを見送ってくれていた。


「えっと、ギルドマスターの部屋に行くんですか?大丈夫でしょうか?」


「ああ、大丈夫だよ。なんせ指名依頼をしたのがギルドマスターだからね素性も元は私とルーチェの仲間だった奴だから信用は出来るしね」


「えっ!?ギルドマスターが・・・」








「邪魔するよっ!」

ドアを開けさっと入っていくカルマータさんとルーチェさんに俺たちは入り口で立ち止まってしまう。


「ああ、後ろの子たちも入ってきてくれないか?あまり開けっ放しにしたくないのでね」


ギルドマスターと思われる男の声に俺たちも部屋の中へと入る。


「それで、また何の様かな?」


「少しの間部屋を借りたくてね・・・無理にとは言わないが攻略期間中はギルドマスターの部屋を使わせてもらいたい」


「私の出した指名クエストに関係あるのなら構わないが・・・この部屋を何に使うんだい?それは聞かせてくれるんだろう?」


「アルっこいつは私とルーチェの元仲間だしギルドマスターだ。信じてくれないか?」



カルマータさんとルーチェさんが信じてくれと言うのなら、信じる以外の選択は無いな。

「はい、カルマータさんとルーチェさんが言うのなら信じます」



「あはははっ、アル君けっこう厳しいね普通はギルドマスターの言葉は信じてもらえるもんなんだが・・・厳しい厳しい。そうだね私はこれでも冒険者の為にギルドマスターをやっている、そして冒険者のシステムを悪用するような奴は許さないつもりだよ・・・今回、Cランク冒険者がいないとFランク冒険者がダンジョンのクエストを受けれないのを悪用されて私も動いていたのだよ。まあ、そこに丁度カルマータ達がFランクダンジョンに挑戦してるので君たちに今回の事は任せようと思ったんだ」


「それでは絶対に情報を漏らさないようにお願いします」


「アル君っもし約束を破ったら、その時はカルマータさんの鉄拳・・・タイタンの怒りが炸裂するわっ」

カルマータさんのダンジョン産グレートソード、タイタンがホワッと光り応える。


「はははっその通りだよっ!!いや~カルマータはイイ女なんだがそこがねえ~とっても怖いんだよ~」


「なんだって?イオス・・・アンタ死にたいのかい?」


「まっ冗談はこのぐらいで、それで君たちは何をするためにこの部屋を借りたいんだい?」


(しかく)(まる)×(ばつ)っ。それはこのドアを使って移動するためです」


カトラお姉さまがマジックドアを作り出すとイオスギルドマスターは目を見開き硬直してしまった。


「これは・・・ドアなのか?もしかして他の場所にドアを開けると行けるんじゃないだろうね?」


「えっそうですよ?とっても便利な魔法なんで使えた時は嬉しかったんですよっ!」


「ははは・・・これは誰かに漏れると非常にマズいね・・・私はカルマータとルーチェの信頼に誓って絶対に漏らすことは無いよ」


「納得してもらったし、行こうかね。帰りは使う予定はないから安心してくれ、来客もあるだろうしね」


「ああ、ここには色々と私以外の者も出入りするからね帰りは使わない方がいいだろう」








「何度も言うけど・・・本当に便利だねえ。一瞬でこの前帰還した場所に来れるんだから、すぐに攻略して見せるよ。アル先頭を頼むよ」


前回は2Fの下り階段前で帰還したので、今から3Fに降りて行く・・・お父さまはダンジョンを50分ほどで10層を降りてたな・・・1層あたり5分か、実際に身体強化で戦いながら進むけど昨日の感じでは1層あたり1時間以上はかかると思う・・・。


「それにしても、このFランクダンジョンはFランク以下のモンスターしか出ませんよね・・・それなのに何故2年もたつのに攻略されていないんですか?」

俺は歩きながら疑問をカルマータさんにぶつける。


「それは、Cランクが付いていながら誰もボス攻略から戻ってこなかったからだね・・・」


「そっそれは・・・私たちが行って倒せるんですの?」「カルマータさんっ大丈夫なんですか?」

カトリナ様もカトラお姉さまもボス攻略に向かったパーティーが戻ってこないと聞いて不安になってしまったようだ。


「んっ」ルーチェさんは大丈夫と二人をツンツンしていた。





あれは・・・前方から人の列が・・・。走ってる?いやモンスターに追われてるのかっ!!


「皆っ前方から人が走って来るっ、どうやらモンスターを引き連れているみたいっ!!」


「全く、飽きもせず・・・いつものようにまずは勢いを止めるよっ!」




前方から来る冒険者たちは全員大きな荷物を背負って、息も途切れがちに必死にモンスターの群れから逃げていた。

10人ほどが列になって俺たちのパーティーなど気にせずに通り過ぎて行くが、一人が転んでその場で大量のドロップ品に押しつぶされて身動きが取れなくなっていた。


「仕方ないね・・・助けるよっ!!カトラ保護を頼むっ」


「はいっ!(しかく)っ」

カトラお姉さまはカトリナ様の横で□魔法で大量のドロップの荷物に押しつぶされた冒険者の後ろに魔法障壁を出す。

そして、ルーチェさんはカトラお姉さまの横に付き□魔法を展開する間は護衛をするようだ。


「アルっ気合を入れなっ、ゴブリンがぱっと見30はいるからねっ!!最悪はアルがカトラたちの前に立ち壁になるんだよっ!タイタン頼むよっ<タイタンディチ>っ」


カルマータさんの呼びかけにタイタンは答えると、溝は簡単に登れそうにないほどの深さの堀になっていたが、ゴブリンはGランクモンスターの様にはカルマータさんの掘りには落ちずに回り込み、または這い上がって来る。


「やっぱ、人型には厳しいねっ!!!だけど勢いは完全に止まったよっ!」


カルマータさんは深い堀を回り込んでくるゴブリンを、全方位から軽く振り回すタイタンをインパクト時に魔力を流し瞬時に超重量の剣にして押し潰し切る。そして、魔力を流さないタイタンは重力に逆らい浮くほど軽く、振り回される200cmを超える巨大な剣は目でとらえることはできなかった。


「アル君っ、右っ這い上がってきてるっ!!」


左から右へと振りぬかれたカルマータさんのタイタンディチは右に行くほど堀が深くなっていたが、そこを登り始めて出てくるゴブリンが出始めていた。



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