第三十話 ダンジョン再び
「アシェル、パーティー申請を頼むよ。アルスロット、カトラのパーティーにカルマータとルーチェとカトリナを入れとくれ」
「はいっ、アルさんのパーティーに入られるんですね・・・。カルマータさんとルーチェさんが、高ランクのお二人が入ればきっと王都でも有名なパーティーの一つに直ぐになってしまいそうですね」
「そうだねえ、特定の方にはすでに有名なんだがね・・・じゃ登録後に王都南のFランクダンジョンに行くからね今日は日帰りの予定だよ」
「はい、分かりました。皆さんの冒険者カードをお預かりしますね」
今日はギルド本部にパーティー登録とクエストを受ける為に来ていた、そして今受付をしているのは西城門支部のエトラさんではなく本部ギルドの受付嬢のアシェルさんだ。俺たち全員の冒険者カードを預かり魔道具に差し込むと、カードをパーティーでリンクをさせFランクダンジョンへ入ることを魔道具に記録する。
これで帰還したときに冒険者カードを出してパーティー単位の討伐報酬と無事に帰還したかのチェックが行われることとなる。
「それでは、カルマータさんがいるので大丈夫でしょうけど。気を付けてくださいね」
「ああ、アシェル行ってくるよ」
俺達もそれぞれアシェルさんに行ってきますと冒険者ギルド本部を出ていった。
「今から行くFランクダンジョンは南門の外でしたっけ・・・」
それぞれの大通りは早く歩いても30分はかかる、この早くは身体強化をした早歩きなので通常に直すと全力疾走の速さだ・・・。
「そこから更に平原を抜けて森のとの境辺りまで進むよ、ダンジョンは基本的に大きなアーチ状の入り口が地上に出ているからスグに分かるよ」
今から行くFランクダンジョンは2年ほど前に出現した新しいダンジョンで、まだ攻略はされていないそうだ。そのためFランクだけどCランク以上の冒険者がパーティー参加してないとこのダンジョン攻略クエストは受ける事は出来なくなっていた・・・カルマータさんとルーチェさんのおかげで今回このダンジョンには入れることになる。
「わたくしも後一つでCランクになれますわっ」カトリナ様はDランクだっけ・・・でも。
「Cランクは・・・生易しくないよ。合格する討伐数も普通の奴なら数年はかかる数だしね・・・短時間でこなすにはそりゃあ血反吐が出る思いをしてこなすことになるだろうね」
「んっ」ルーチェさんも・・・コクコクと首を動かすが・・・一番信じられない外見のあなたはBランクでしたね・・・。
「FランクからCランクになるにはランクごとにどんどん増えていくモンスター討伐数に体を壊す奴もいる。そしてCランクからは脅威度Cランク以上のモンスターをコンスタントに倒すことが必要になって数は関係なくなるからね・・・要はどの強さが自分なのかでランクが決まることになるから自分が強くならないとここから先はランクが上がることはないね・・・剣聖ラングはSランクだろう?あの方は先頭に立って見えないところでSランクの化け物をコンスタントに退治しているって事さ」
ラングお父さまはいつも帰りが遅いしね・・・軍と貴族の訓練指導だけじゃなくてSランクの化け物モンスターも退治してるんだな・・・俺は冒険者ランクの厳しさに、そこを乗り越えてきた高ランク冒険者たちをカルマータさんの話を聞いて改めて尊敬していた。
俺達は敵に合わないように平原を歩き、人より大きなアーチ状の地底へと続くダンジョンの入口へと到着していた。
「さっ入るけど、先頭は私とアルで一撃を加えモンスターを基本的に押しとどめる、そして中にカトリナとカトラだよ二人は数をこなす役目だ、攻撃から魔法の手数は任せたよ。そしてルーチェは最後尾だけどあんたは好きに動きな」
「んっ」ルーチェさんは武器を持っていなかった・・・俺の折れた宝剣を渡そうとしたが断られたよ。
そして、カトリナさんはロッドを持っており完全に魔法系だった・・・剣聖ラングに師事をしていたと言ってたけど・・・な?
まずはいると、中は広大な空間が広がっていた・・・なんかカトラお姉さまを助けに落ちた先の空間を思い出し身震いする。後ろを見るとカトラお姉さまも、俺と同じように身震いをしていた・・・。
「アルっお前が一番索敵は鋭いからね頼んだよ・・・それとマッピングはどうしようかね・・・」
マッピングか・・・ニュースサイトでどうにかできないか・・・?ん~。
進む先の地図を知りたい<ニュースサイト>
「842 王都南Fランクダンジョン地図∞」
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842 王都南Fランクダンジョン地図∞
ワイルドカードで表示範囲が20mのFランクダンジョンの地図が表示される。
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よし・・・できた。俺の目の前には空中に浮かんで見える地図が表示されていた・・・しかも敵の表示も連動していた。これで進んだ道と20m先の地図を知ることが出来るようになったそれに敵の位置もね。
「アル様・・・そんなことが、すごいですわ・・・」
あっカトリナさんに俺の能力の事サッパリ話してなかったな・・・また後で詳しく教えると約束させられてこの場は敵とダンジョンに集中する。
「<タイタンディチ>っ」カルマータさんの両手で持つグレートソードから繰り出されるスキル技は剣線に沿って地面に溝を作り出しダンゴロアーマーの足止めをする。
「アルはケーブルスパイダー、カトリナとカトラは突撃コウモリを落とすんだよっ」
俺は「<身体強化><ラインスラッシュ>っ」と飛びついてくるケーブルスパイダーを止めどもなく切り裂いてゆく、身体強化とニュースサイトのワイルドカードで小さな敵がクッキリと赤く縁取りされているおかげか面白いように剣がケーブルスパイダーを点を結ぶようになぞってゆく・・・。
「<ストーンシャイン>っ」カトリナさんの魔法が発動し細かな石がロッドから噴き出して突撃コウモリを打ち落としていった。
「とどめは任してっ!!<ピアッシングレイン>っ」そして落下する突撃コウモリはカトラお姉さまの細剣で串刺しにされて砂となって崩れていた。
「んっ」ルーチェさんはタイタンディチの溝に転がってるダンゴロアーマーを蹴って遊んでいた・・・。
そんな戦闘をこなしながら俺は表示された地図を見ながらどんどん進んでいく、途中なんどか敵が出てくるがケーブルスパイダーと突撃コウモリにダンゴロアーマーというダンゴロ虫のでっかい奴版みたいなのがドワ~と一気に出て来ては先ほどの様にサクッと殲滅を繰り返していた。
「ふう1FはGランクだけなのかな?それにしてもアル君は地図が見えているのね?凄いわ・・・迷うこともなく行き止まりなんかも回避できてるし」
「んっんっ」ルーチェさんもピョンピョン飛んでる、凄いと表現してるのかな・・・。
「そうだね、このダンジョンは私も初めてだしここまで迷わずに進めるのは大したもんだよ」
「本当に、アル様の能力は素晴らしいですわ・・・私もそんな能力があるといいのに・・・」
カトリナさんは俺の能力で迷わないのを見てとてもすごいと感心しきりだった・・・。確かにすごいけど・・・俺の場合はね、皆の様に努力を繰り返したうえでの能力ではないことに心の中では「・・・・・・・・・・」とつぶやいていた。
「ふむ・・・問題が一つ出て来たな・・・」
「アル君っ大丈夫?とっても重そう・・・」
「そうですわね・・・」
「ダンジョンでこんな時はどうするんですか?」
「んっ」ルーチェさんは来た道を戻る方向へと指をさす・・・。
「大きなパーティーの場合は荷物持ちがいるんだよ、それと専用の荷車を持ち込んだりね」
「あーなるほど、それで俺達みたいな小さなところは?」
「そうだね、持てる限界で帰還をするか・・・進める最高階層のドロップ以外は捨てるかのどちらかだね・・・ほとんどは後者の最高階層のドロップを満載で帰還するのが一般的だね」
すでに、わらわらと出てきたGランクモンスターの討伐数は200匹を超えてドロップ品は俺が持てる限界をとっくに超えて俺の腰位までの山になっていた。
答えが出るといいけど・・・聞いてみよう。この荷物をどうにかできないか?<ニュースサイト>
「922 □魔法〇魔法×魔法の複合魔法で帰還魔法」
は?そんなことできるの・・・?カトラお姉さまの〇×△□魔法はチートすぎる・・・こんなのを知られたら悪い冒険者から狙われたり。今よりさらに教国に狙われる事になるよね?。
「一つ何とか出来るんだけど・・・皆絶対に秘密にするようにしてくれる?」
「ああ、私は秘密は漏らしたりしないよ」「んっ」「ええっ、もちろんですわ?」「アル君っ秘密は守るっ」
「じゃあ、これはカトラお姉さまの〇×△□魔法の複合魔法なんですが・・・正直これが知れ渡るとカトラお姉さまの身に危険が一層増します・・・なので言っていいのか」
「あら、アル君っ私とカトリナを守ってくれるんでしょ?それにカルマータさんにルーチェさんと高ランク冒険者の仲間もいるし・・・アル君のバックにはあの剣聖ラングがついているんだよ?怖い物なしだと思うけど」
あははっあっけらかんとした感じで言い放つカトラお姉さまを見ながら俺はニュース記事を開く・・・。
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922 □魔法〇魔法×魔法の複合魔法で帰還魔法
□魔法で通ることが出来る大きさのドアを、〇魔法でドアノブを、×魔法で帰還先を思い浮かべてドアノブに重ね魔力で回し開ける。
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ようは、魔法のドアを作るって事か・・・なんでもありだねユニークスキルは、俺はカトラお姉さまに複合魔法の使い方を教えると・・・ほんとに?と言う顔をしながらもカトラお姉さまは魔法を唱え始めた。
「□っ」カトラお姉さまは背伸びをしながら長細いドアを□魔法で作り。
「〇っ」〇魔法をドアに見立てた□魔法のドアノブの部分にくっつけ。
「×っ」×魔法を俺たちのパーティーハウス北城門屋敷を思い〇魔法の中に書き込む。
「開けてみるわっ」カトラお姉さまは徐々に魔力をドアノブに流し回してゆく・・・。
開いた先は、談話室だった・・・長テーブルに椅子が並び誰もいないシンと静まり返る部屋だった。
「えっえ?カトラ様・・・の魔法?そんな・・・」
「はあっこりゃあ凄いなんてもんじゃないね・・・」「んっんっ」ピョンピョン
「あのっ私もこんな事が出来るなんて・・・驚きしかないです。それにアル君に言われた通りにやっただけですし・・・」
「とりあえず、カトラお姉さま魔力の負荷はどうですか?大丈夫ですか?」
「あっええ・・・開けている間は少し魔力の消費がきついみたいよ。だから早めにドロップ品を放り込んでくれると助かるかも・・・」
俺達はカトラお姉さまの、開けているのが少し辛いとの言葉で急いでドロップ品をドアの向こう、談話室に投げ込んでいた。
「ふうっ・・・うん、開けている時だけちょっと魔力消費が激しいみたい。魔法の扉を作る分には大した負担にならなかったわっ」




