第二十八話 えっ褒美なんですか?
「ふぉふぉふぉっ、アルやまたお前はこのグリナダス王国の歴史に1ページを加えたのじゃな・・・基礎魔法の事はギルドマスターのイオスより報告を受けた。其方は魔法薬、マヨネーズソース、新しい防具、基礎魔法とびっくり箱じゃのう、ワシはこのような素晴らしい者が我が王国の民であること嬉しく思うぞっ」
俺はアスハブ陛下より呼び出され滅茶苦茶褒められていた・・・。うん、魔法薬はカトラお姉さまの魔法と一緒に100万の王国民を助けることが出来たし。マヨネーズソースは民の食卓では欠かせないソースとなっていて、近い将来に孤児院とは別でマヨネーズ専用の工場が稼働するらしい。
新しい防具、マジックレイヤーアーマーはチャトラお姉さんが中心となって今は急ピッチで切り替えが始まったそうだ。
そして基礎魔法が親から子への口伝魔法であること、根幹の基礎魔法を覚えないとスキル技と通常魔法を覚えることがかなわないこと。そして便利な道具や機械が出てきても遺失させないために根幹の基礎魔法は決して廃れさせてはいけないこと・・・報告を受けた朝は剣貴族と魔法貴族が衝撃を受け、どれも後世に伝えるべきとグリナダス王国記という歴史書の1ページにそれぞれ記される事となるのが決まったとアスハブ陛下より直々に伝えられた。
「アルやお前は何か欲しいものは無いかの、正直を言うとな褒美は何が良いのか未だに決まらなくてのう・・・」
「それは何でもよろしいでしょうか?」
「そうじゃな、ただワシが出来る範囲でじゃのう」
アスハブ陛下が出来る範囲か・・・正直お金とかはいらない、生活はお父さまとお母さまのおかげでしっかりと出来ている・・・からな。
ちらっと、カトラお姉さま、カルマータさん、ルーチェさんを見る・・・「んっ・・・・・・」
えっ?パーティーハウス?ハテナ顔をしていると・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
あっなんかカルマータさんもパーティーハウスって言ってる・・・たぶんパーティーで使う家の事なんだろうな。
「アスハブ陛下一つだけ決まりました。私たちは正式にパーティーを組むことになりましたが拠点がありません。パーティーハウスと言うんでしょうか?が欲しいです」
「ほう、正式にパーティーを組んだのじゃな。それでは尚更パーティーハウスは必要じゃろう、パーティーを組んだのならパーティーハウスを持つものじゃしのう」
へええ、そういうものなんだ?アスハブ陛下が持つものだというし普通の事なんだろうなと納得する。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ははっ速攻でカトラお姉さんに訂正されました。だけど成功した冒険者たちだけ許されたパーティーハウスかいいなっ!!
「そうじゃのう、ワシの屋敷の中から一つ下賜をしようかの・・・、広めの庭がある方が良いじゃろうな城壁の横になってしまうがその分広い北の城壁屋敷をやろうかの、カトリナお前が案内をしなさい」
「はい、陛下・・・。アル様のご案内はわたくしにお任せくださいませ」
アスハブ陛下の横に立って控えていた少女が答え・・・俺の方を見て自己紹介を始める。
「お初にお目にかかります、わたくしはアスハブ・ギルン・グリナダス陛下の孫、カトリナ・ファイスでございます。以後お見知りおきを・・・」
「ふぉふぉふぉ、この子も冒険者になりたいと言うておってのう・・・褒美のついでにカトリナもアルスロット達のパーティーに入れてやってくれぬか?」
えっ、突然の陛下の孫をパーティーに入れてね発言に俺は混乱するしかなかった・・・。うっ陛下のお言葉・・・ほんとは相談してパーティーに入れたりするんだろうけど・・・。皆をチラ見する・・・俺がいい?と言う感じで目くばせすると、皆も突然の事に目が左右に泳いでいた・・・ああ、どうしたら分らないと言ったかんじだ・・・。
陛下の孫という事は、継承権がある方なのか?正直パーティーに入って堅苦しく王女よとか言われても困るしな・・・不敬かもしれないが条件を隠さずに話した方が後々問題ないだろうな。
「アスハブ陛下・・・そのお聞きしたいのですが。カトリナ様は継承権を持った王女様という事でしょうか・・・?」
「そうじゃな、この子は一番継承権が低い子でな冒険者になりたいというのも。継承権を放棄したいという事でのう・・・ワシは寂しいから反対したのじゃが未練はないと申しての。それとカトリナは、そちの事を何度か見て気に入っててのう」
えっ気に入った?カトリナさんを見ると真っ赤になってうつ向いていた・・・。ぐあああ、さらに衝撃の内容が陛下から出てきて俺はすでにどうしたらいいのか分からなくなっていた。
「アルや、どうじゃろうのう・・・この子は大人しくて慎まやかな子で、迷惑はかけないと思うのじゃが」
「あっえっーと・・・、アスハブ陛下・・・今から僕の不敬をお許しください・・・。まず、パーティーに入れるには皆と相談が必要です。そして、パーティーに入れば仲間で王女としては一切扱う事はありませんし・・・最悪冒険者は命を落とすこともあると言うのは・・・知って僕のパーティーに入りたいという事なんでしょうか・・・正直、一時的に冒険者をしたいと思われているのなら近衛兵の護衛を使い体験されるのがよろしいかと思います」
ああっ言ってしまった・・・かなり厳しいことを・・・カトリナ様を見ると今度は真っ青になってうつ向いていた。
「ふむっ、そうじゃのう。アルが言ったことはもっともな事じゃ。だがのう、アルスロットよそちはもう全ての貴族から狙われておってのう・・・それもあってワシなりに自然にのう・・・それはどういった事か分かるかの?」
えっ、狙われている?俺は有名になりすぎたみたいな?今後上位貴族たちから無理やりにパーティーに入れろと本物のお嬢様が押し付けられるって事か?
で、いまアスハブ陛下が俺にカトリナさんを紹介し、しかもカトリナさんはアスハブ陛下の孫そんな方が俺の所に来ると・・・上位貴族たちは黙るしかない。
うっ、俺は分かってしまった・・・これを断ると次の日から上位貴族からのお嬢様攻撃が始まることに・・・。
「それにのう・・・カトリナがアルスロットの事を一目ぼれしてしまって、毎日のようにワシに聞きに来るんじゃよ・・・いつ来るの?と。のうカトリナ?」
また赤に変わったカトリナさんは、イヤンイヤンしてくねくねしていた。そんなカトリナさんを見ながら、俺はまた皆に目線を送りどうしたらいい?と問う・・・。
「・・・・・」カルマータさんはパーティーに入れるのには反対ではないようだ「・・・」ルーチェさんはようわからん・・・。
カトラお姉さまは・・・「・・・・・・・・」
俺は、陛下と一人の少女の覚悟に・・・。
「アスハブ陛下・・・陛下よりの褒美、ありがたく受け取らせていただきます」
「そうかっアルスロットよ下賜する屋敷は悪くないぞ、カトリナともどもよろしくのう」
こうして俺たちはパーティーハウスを手に入れることになったが・・・カトリナ様もついでに付いてくることとなった。
「さっアル様、こちらです・・・腕を組んでもよろしいですか?」
「えっちょっと!!!アル君っ私もっ腕をっ」
俺はカトラお姉さまとカトリナ様の二人から腕を組まれて大通りを北へと歩いていた・・・。
「それで・・・カトリナ様は、冒険者になるのかい?ハッキリ言うが辛いよ?王女様がなれるようなもんじゃないんだがね」
カルマータさんは、歩きながらカトリナ様の真意は何処にあるのか探り始める・・・。
「カルマータ様、わたくしの事はカトリナと呼び捨てでお願いいたしますわ。アル様もカトラ様もルーチェ様もわたくしのことはカトリナと。これでもわたくしは剣聖ラングに師事を受けておりますので、それなりに強いんですのよ?それにDランク冒険者なのでアル様とカトラ様よりも先輩になりますわ」
えっお父さまに師事を・・・?しかもすでに冒険者でDランクだった・・・。
「んっんっ」ルーチェさんにカトリナ様がツンツンされる。
「ルーチェ様・・・なにを?」不思議ちゃん行動なルーチェさんに戸惑うカトリナ様。
「んっ・・・・」
俺を挟んで二人を交互に見るルーチェさん・・・。
「あっそうだね・・・カトラはショート、カトリナはロングで髪型が違うから・・・顔が、あんたたち姉妹じゃないだろうね?」
陛下の前ではジロジロとお互い見ることが出来なかったが今はお互いをしっかりと見ていた・・・。
「気持ち悪いっ!!!」「それはこちらのセリフですわ・・・」
はは、髪型で気が付かなかったけど顔がそっくりで・・・双子なんじゃ?そんな気しかしなくなってきた。アスハブ陛下・・・絶対何かあるよねこれ・・・まだ隠されてたことがある気がしながらも俺たちは下賜された北城壁屋敷へと到着した。




