第二十七話 Fランクの礎
お母さまから基礎魔法を習いすぐに覚えてしまった俺はスキル技を覚えるため西城門Gランク狩場へと来ていた。
「さて、基礎魔法を覚えたアルがスキル技を覚えることが出来れば、魔力と基礎魔法とスキル技の関係は確かなものになるね」
「はいっもしかしたら・・・ですけど、通常魔法もそうかもしれません」
「そうなのかい?でもカトラは通常魔法が使えなかったんじゃないかい?」
「はい、私はユニーク魔法のせいで通常魔法は一切使うことが出来ませんでした・・・。それでさっき基礎魔法を習得する時にアル君が私たちが見たことが無い魔法を使ってたんですが・・・あれは通常魔法じゃないかと思って・・・」
「んっんっ」ルーチェさんはコクコク首を動かして肯定していた。
あー、そうか・・・俺は基礎魔法と通常魔法の境が分からないで使ったんだな・・・なるほどね・・・でも、正直違いが分からなかったな・・・。
<ニュースサイト>基礎魔法と通常魔法はどう違う?
「1052 基礎魔法と通常魔法の違い」
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1052 基礎魔法と通常魔法の違い
基礎魔法は親から子へと受け継がれる魔法であり、スキル技と通常魔法の根幹である。
基礎魔法を覚えるには、親(基礎魔法を持っている)から子(基礎魔法を持っていない)へと口伝で伝わり発動する。
子単体からは基礎魔法は発動することは無い。
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なるほど・・・カトラお姉さまは孤児たちの親の代わりをしたんだな。それと、俺が使ったのは基礎魔法だけじゃなかったのね・・・どれが通常魔法になるかさっぱりだけど・・・。
この事を皆に伝えると・・・ポカーンとした顔で俺を見て固まる・・・。
「あっアル君・・・それが本当なら・・・とても大事な事だわ。陛下にも報告する必要があるかも・・・」
「そうだね・・・今の内容は記録して後世に残すようなことだね・・・」
「んっ」またまたルーチェさんもコクコク首を動かしてなんかかわいいね・・・。
「それに、いつか基礎魔法に変わる便利な道具や機械が発達した場合。基礎魔法を使わなくなり、この事を知らなかったら基礎魔法、スキル技、通常魔法は遺失している可能性がありますね」
「そうだね・・・基礎魔法は根幹、それが使われ無くなれば・・・自然と消えて行くだけだね」
「アル君っ!!私は魔法が無くなるのは絶対反対っ、そんなことにならないようにするっ!!!」「んっんっー」
ははっ、カトラお姉さまとルーチェさんは力強く俺に魔法が無くならない宣言をしてきた。まっ、そんなことになる前には誰かは必ず気づくようなことだと思うしね・・・。
「それじゃあ、アルが前衛でカトラは後衛を担当しようかね。これでアルのスキル技が発動するといいが」
「んっ」ビシッっと親指立てるルーチェさん・・・うん可愛いらしいから気合が入るのかどうかは微妙だ・・・。
俺は、モンスターは何処にいる?と<ニュースサイト>をワイルドカードで立ち上げる。
「1100 モンスター∞」
俺の目に、うっすらと赤く縁取りされたモンスターの姿が見えるようになる。有効範囲は10mだっけ・・・それだけ気を付けないとね・・・。
「前方から突撃コウモリの群れです・・・」ちっさくてランダムな動きをする突撃コウモリは正直目で追うのはかなり難しそうだったが、ニュースサイトの能力で赤く縁取りをされた突撃コウモリは目で動きをとらえるのが容易になっていた。
戦闘態勢に入り俺は魔力を体に流すと・・・あっ・・・<身体強化>すぐに体から物凄い力が立ち上がる。そしてミスリルショートソードに魔力を流すと・・・キタっ!!!
・スラッシュ
・ラインスラッシュ
2つのスラッシュが頭の中に浮かび待機状態となっていた・・・。
「<スラッシュ>っ!」
目でとらえた突撃コウモリにスラッシュを・・・身体強化と合わせた俺のスラッシュは瞬時に胴体を切り裂いていた。
そして・・・「<ラインスラッシュ>っ!!!」どこまでも続くスラッシュは赤く縁取りされた突撃してくるコウモリを止めどもなく切り裂いてあっという間に殲滅して戦闘が終わった。
「アル君っすごいっ!私の魔法を使う暇もなく全部倒しちゃったっ」
「ああ、いいね。基礎魔法を覚える前はいくら戦闘をしても覚えれなかったのに・・・これで基礎魔法は全ての根幹だというのが証明されたね」
「んっんっ」
あっピョン飛び有難うございますルーチェさん。
「さっ、夕方まで肉狩りして戻るよっ。そうだね、今日は狩りつくしてやろうじゃないかいっ!」
その後は俺とカトラお姉さまが前衛、カルマータさんとルーチェさんは後衛で俺たちは指示を貰いながら夕方まで肉狩りをこなしていった。
「お帰りなさいっ、うわあっ今日も沢山狩りましたね~新記録ですね?」
「エトラっ今日はそれだけじゃないよっアルとカトラはFランク冒険者合格だよっ」
「えっ、合格ですか?カトラさんは元々に実力があった様ですが・・・。アルさんは・・・もう基礎魔法とスキル技を覚えて?」
「ああっ、スッと覚えたね。それに今日の狩りのほとんどはアルが一人で倒したね」
「そっそれはすごいですね・・・まず、冒険者カードで討伐確認をして・・・報酬をお支払いしますね」
エトラさんに冒険者カードと大量のドロップ品を渡すと、少し時間がかかりますと言って計算と鑑定を始めていた。
「まず討伐報酬を・・・突撃コウモリ67匹、ケーブルスパイダー47匹、ウニョウニョ33匹、コケッコ鶏が56匹で20300ギルダになります。次にドロップ品ですが魔石が10150ギルダ、コウモリの皮が23枚で23000ギルダ、魔糸が20本で20000ギルダ、唾液袋が8袋で8000ギルダ、ウニョウニョの皮が8枚で8000ギルダ、コケッコ鶏の肉が56羽で33600ギルダで合計で123050ギルダとなり4人で分けると、30762ギルダとなります。それぞれ冒険者カードの方へと入金させてもらいますね」
「それで、冒険者カードの討伐記録から・・・その、本当にアルさんが半分以上・・・倒されていました」
「ああ、大したもんだよ・・・それで合格には出来るのかい?」
「はいっ、もちろんです。すぐにお二人の冒険者カードを更新しますね」
俺達は冒険者カードをエトラさんに渡すとすぐに魔道具に差し込みギルダの入金とFランクへの書き換えを完了して返却してくれた。
「カルマータさん申し訳ありませんがギルドマスターの方へその・・・ご報告をお願いできませんか?最初の何組かのFランク合格を出したCランク冒険者には報告をさせるように指示を受けていまして・・・」
「ああ、それは構わないよ。むしろ報告をしなきゃならない大事な話がこっちがあったぐらいだからね」
カルマータさんの言葉にエトラは申し訳そうな顔がぱっと明るくなり、今回の冒険者ギルドのFランク問題が解決したんだと感じさせていた。
コンコンッ「邪魔するよ」
「やあ、いらっしゃい・・・。朝に西城門支部で会ったばかりだが・・・まさか?」
「ああ、まさかだよ。私が担当しているカトラ・バラスとアルスロット・カイラスがFランク冒険者に合格ランクアップした」
「へえっ、それは本当にFランクの資格ありと君が公平に判断したのかい?んー大丈夫かな~?」
「全くっ胸糞悪いねっ!!もちろんまだまだな所はあるが二人ともとてつもない力を持っているよ。イオスあんたよりもね・・・」
「ははっ、まあそう怒らないでっ。カルマータ、君はそこを治せばいい女なんだけどね~残念だな~」
「私はお前と長話をする気はない・・・。良く聞け、そしてアルに感謝するんだな・・・正直、アルのおかげでFランクの礎が築かれたと言っていい。お前がすることはアルに感謝の首を垂れることだよ。ここに、今回のFランクの強さを身に付ける為の重要な事をまとめて書いておいた、内容をよく見てアスハブ陛下にもしっかりと報告をするんだよ・・・」
「やれやれ・・・私はこれでも頑張ったんだがね・・・」
バンっとドアを乱暴に閉める音で私の言い訳はカルマータには届かなかったようだ・・・。昔は仲が良かったんだけどね~、ははっまあ私はあの二人を置いて裏切った?し仕方ないのか・・・私は違う道を見つけただけなんですがね・・・ため息をつきながら私はカルマータから渡された報告書を見る・・・。
「はははっ・・・これはホントなんですか?カルマータ・・・」
あまりの重要な内容に私は怒って出ていってしまったカルマータに声を出して問いかけてしまっていた。




