第二十五話 国王様も○○が好きになったようです
んっむうっ・・・。俺は・・・あ~久しぶりに魔力枯渇で気絶したか・・・。
「アル君っ大丈夫?」「アルっ全く無茶を・・・」「んっんっ」
「はあっ良かったアルっ・・・俺の全開がはじかれたのが分かって安心したが、お前が崩れ落ちたから心配したぞ全く、、、・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「うむ、チャトラにアルスロットよお前たちの技術の結晶、まことに素晴らしい物であった。しかし、ちと強すぎるな・・・」
アスハブ陛下は俺が気絶から回復した後、あまりにも高性能なチャトラアーマーに逆にブレーキがかかってしまったようだった。
「こうするのはどうでしょうか・・・、本日献上いたしました盾は最高の強度を目指して作ったものです・・・アスハブ陛下から強すぎるとのお言葉が頂けたように、私もやりすぎたと少し反省しております。この結果からダウングレード・・・丁度いい、逆にこの装備が人の脅威となりえない程度に仕上げてまた献上を再度させていただきたく存じます」
「ふむ、そうじゃな・・・以降この装備は作ることは許さぬ。そして、今現在あるこの装備はアルスロット・カイラスのみに装備し使うことを許すこととする」
アスハブ陛下は俺にこのチャトラアーマー(今俺が着ているマジックレイヤーアーマーと献上品だったマジックレイヤーシールドのこの初期型をチャトラアーマーと呼ぶこととなった)を、下賜と言う形で俺に預けていただけることとなった、それと成長に合わせての作り直しも許可を頂け実質このチャトラアーマーは俺だけの最強の鎧となった。
この1ヵ月後にはダウングレードされたマジックレイヤーアーマーとマジックレイヤーシールドが完成し再度、アスハブ陛下への献上が行われ合格、軍へ採用されることとなる。
「さて、本日はもう一つ献上品があるとの事だったが・・・」
今俺たちは、アスハブ陛下と昼食を一緒に食べていた・・・もちろん、アレですよアレ・・・今日の朝に俺が思いついた事を実行するため、事前に王宮料理長にマヨネーズのレシピを渡し今現在なにも伝えないままこの食卓の上で真っ白で艶やかな姿を皆に晒していた。
「はい、僕からの献上品ですアスハブ陛下」
さすがに、俺なんて陛下に向かって言えないから咄嗟に「僕」と行ってしまう俺・・・あっみんなちょっと下向いてる・・・。
「おおっ、アルスロットから・・・ラングよ良い息子を授かったな、まだ子供でこのように行動が出来る者はそうは居るまいに・・・ああ、しかしカトラも・・・ふむ、これは運命かも知れぬな同じような二人がこうして出会い一緒にいる、ふむこれ以上は無粋か・・・のう?」
「あっその、光栄です・・・」
カトラお姉さまは真っ赤になりながら・・・これはオーケーってことなのか?よし・・・俺も大好きだしこのままいい感じになりたい・・・。
「うんっ、それでアルスロットや、ワシに献上したいものはそろそろ教えてくれぬかの?チャトラとの防具はびっくりさせられたが・・・また違うびっくりをワシに見せてくれるのじゃろ?」
「はいっ、今回僕から献上させていただきます物は・・・この食卓にあります。そしてそれをオーチャコ神礼拝堂に来る礼拝客に売り孤児たちの仕事の一つにしてあげたいと思い今日、アスハブ陛下への献上となりました」
「ほうっそれは、うむなかなか良いアイデアだ・・・孤児院は基本的に赤字で運営されておるからのう。自分たちのお小遣いは無いはずじゃ・・・肩身の狭い思いもさせておるじゃろう。どのぐらい売れるか分からぬがそれで少しでも金銭が入れば心豊かに育つ助けとなろうな」
「はい、自分で手にしたお小遣いワクワクしながらお菓子、服、その他いろいろと孤児たちに夢が広がるといいなと思います」
「それで、そろそろ・・・んっこれはなんじゃ?」
「ふっふっふっ・・・」しゃべりながら昼食を頂いていた俺たちはついにアスハブ陛下がマヨネーズソースがかかったサラダに手を付け食べ始める。
「うまいっ!これはどうしたことじゃっ!!まさか・・・まさかこれがこの白い艶々としたソース・・・こんなものは今まで見たことが無い・・・アルスロットや此れなのじゃな?ワシに献上したい物は・・・」
俺は言葉を発しず、首だけを動かし肯定するとアスハブ陛下は旨い旨いっを連呼し止まらず温野菜サラダを食べつくし、俺は他にも色々な物につけて見てもおいしいですよとアドバイスをする。
「ふううううううっ、いや素晴らしい食事であったっ!!!アルスロットよ合格じゃっ!!!これを孤児たちが作り礼拝堂で売る許可を与える。もちろんこのソースは許可の与えたもの以外は作らせぬぞっ!」
こうして、俺のマヨ作戦は大成功に終わりアスハブ陛下からも豊かな食卓の一助となる素晴らしい物だとすぐにでも孤児たちが売り出せるように手を尽くしてくれるとの約束を頂いたよ。
そして、家に帰り夕食のなか今日の事を話してゆくと・・・お父さまはいつかの俺の様にお母さまから拳骨を貰い・・・いや、俺の時のような手加減は無い本物の拳骨だったか・・・朝から頑張った俺はすぐに眠りについて次の朝を迎える。
「アル君っ~おはようっ!」「アルっまだ寝ているのか・・・」「んっ」
昨日の夕食後にベットに戻ると気絶するように眠って・・・どうやらかなりの寝坊をやらかしたようだ・・・。
「うぐああああっ、あづううううっ。体が・・・うごかない・・・」
「あっ!!!」「ああ・・・」「ん」
「アルちゃんっ、それは筋肉痛ねっパパの全開を受け止めたんだもの・・・ね・・・」
どうやら俺は酷使しすぎた体が休めと超寝坊をかましてしまったようだった・・・。お父さまの全開を受け止めたんだもんな・・・はは、体は正直ってことだね・・・。
「アル丁度良かった・・・今日はなクエストは中止しようと思ってたんだよ・・・なんせ」
「うん、アル君っもう孤児院が大変なのよっ」
「えっ?!何かあったんですか?!!!」
「あっ違うの、悪い意味じゃなくて・・・アスハブ陛下がもう動いてくださって孤児院に調理場の拡張と売店を今日のお昼ぐらいまでには作ってくださることになって・・・今日の夕方前には販売を開始するようにと通達が来て・・・もうシスターたちは大混乱で、私たちが子供たちの面倒とマヨネーズソースの指導を今すぐに始めることになったの」
「んっ」ルーチェは私も手伝うと手をピシッと上げてピョンと主張を始める。
「ああ、ルーチェと私もだよ・・・それにライラさんにマヨネーズソース作りの指導をしてもらうつもりだよ」
ああ、俺は勘違いをしていたようだ・・・決めたらその瞬間に動き始めるのねこの世界は早回しのようないそがしさが普通なんだと今更ながらに気が付いてしまった。
「うっう~ん、体が震えて全然動かない・・・ゆっくりなら動けそうだけど・・・」
「アルちゃん無理しちゃだめよ、筋肉痛は回復魔法で直しちゃうともったいないし体が成長するから痛いかもしれないけど我慢ね・・・」
「うん、そうだアルっおまえは昨日大きく成長した。今日は休んで成長を実感するのもいいことだろう」
「んっんっ」
ははっ、ルーチェさんは可愛く首を振ってる・・・「うん、分かったよ。今日は筋肉痛を治すため体を休息させるよ・・・皆は孤児院で頑張って、マヨネーズソースが売れるといいね」
「あらっ、アルちゃんそれは大丈夫よっ!!!もう、朝からアスハブ陛下のお触れがあちこちに出ているから・・・」
もう、絶対に売れるマヨネーズソースに孤児たちの笑顔が見えてしまった俺は、筋肉痛の痛みを我慢しながら笑顔がこぼれていた。
「カトラ姉~早くー教えてよー」
「マリア、今からライラさんが教えてくれるから・・・あれっ皆は?」
「んっ」「カトラが目を離したら子供たちは皆一瞬でほらっ」ルーチェさんとカルマータさんが指をさす方にマリア以下の孤児の子供たちが大暴れして遊んでいた・・・。
「あ~懐かしいね、隠れんぼかいそれにしても激しいねえ・・・」
カルマータさんが懐かしんで見ていた隠れんぼは、隠れているところを見つけようとする小さい子ならではの破壊活動でめちゃくちゃだった・・・。
「んっんっ」
なんだい?はあっルーチェもやりたい?バカ言ってないでアンタは止める方だよ全く・・・。
「皆っ集まってっ今日は遊ぶ時間は無いわっ!!はいっトコテっ、ミャンナっ、トリアンナっ、コパンっ、ミュンっ小さい子を集めてこちらに集まりなさいっ!!!!!」
「あ~こりゃあ・・・ダメだね・・・」
「ん」
二人は激しく遊ぶ孤児たちに見ただけでお手上げだと手を上げていた。
「アラっ、こんな時は簡単なのよっ♪はいっ皆注目~今からお姉ちゃんたちの言う事を聞いた子から美味しいお菓子がいっぱい食べれるわよっ」
ライラさんはパンパンと手を打ち鳴らし、お菓子で子供たちを釣り上げる。
「うん、みんな食いしん坊さんだもんねっ♪さっ今から作るものを皆のお仕事にして、お小遣いをいっぱいもらって美味しいお菓子をお腹いっぱい食べましょうねっ」
わああああああっ、おかしーおかしーおかしーーーーとお菓子コールが始まりすぐに子供たちがライラの前に集まってきた。
ライラさんは皆の顔を見渡すとマヨネーズ作りを子供たちに教えるべく話し始める。
「今からマヨネーズソースっていうものを作れるようになろうねっ。生活魔法が使える子~いるかな~?手を上げて~」
6人の手が上がる・・・先ほどカトラに名前を呼ばれていた子たち年齢が高い5~7歳の子たちだ。
「あっ良かったわっ、こんなにいっぱい使える子たちがいて・・・今から作るマヨネーズソースは簡単な生活魔法が使えないと出来ないからっ」
生活魔法は私がこの子たちが少しでも早い段階で有利に生きていけるように、覚えるまで毎日教えていたのが功を奏したようだ。もちろん、普通の子たちより普段から手伝いで生活魔法を使ってるから魔力も多く年齢の割には上手くできるはずだ。
「じゃあ、生活魔法の送風を使ってみましょうねっ。ボウルにコケッコ鶏の卵黄に油草のしぼり油をゆっくりと入れ送風の風を送り込んで攪拌乳化させていく・・・最後にスパイシーの実とレーモン汁でパパッと、あっという間に白くなってマヨネーズソースの出来上がりよっ簡単でしょ?生活魔法だからほとんど魔力を使わないし慣れるほどに簡単になって行くはずだからねっ。それとコケッコ鶏の卵白は同じように送風して種火で焼き上げればメーレンゲのお菓子に大変身するからねっとってもさっくりほんのり甘くておいしいのよっ!これも簡単に作れるからっみんないっぱい作って美味しいお菓子も食べて楽しく作りましょうっ」
最後の美味しいメーレンゲのお菓子辺りはもう子供たちはライラさんに食いつく様に話を聞いてそれぞれ、用意されたボウルにマヨネーズソースを作り始める・・・。さらに小さい子たちはボウルを押さえたり、卵を黄身と白身を分けたりできる仕事を手伝っていた。
「わっわっわああああああっ」
「あーあ、マリアーへたくそー」「マリアお前、料理へたくそだ~」「だ~」
マリアはちょっとおっちょこちょいなのか送風が強すぎてマヨネーズソースを飛び散らせていたが・・・。
「絶対に一番おいしいマヨネーズソースを作って見せるんだっ!!!ぜったい!!!ふんっ!」
この後、マリアは一番のマヨネーズマスターになり売り上げも一番、アスハブ陛下にもマリア独自に研究をしたマヨネーズソースの味を認められることとなる。
そんなマヨネーズソースも一日目から売れに売れまくり・・・孤児たちだけでは100万の都民の食卓にいきわたらせることは不可能で、新しい産業にと急遽シフトし成長することとなる、これは成人した孤児たちの働きの場になって当初の計画を予想の遥か斜め上を行く大きなものとなっていった。




