第二十二話 バラスの再興
「突然の呼び出しに早速の登城大儀である、今から話すことはここに居る者たち以外への他言は許さぬ・・・まずはカトラそちの孤児たちへの献身な魔法、ワシは嬉しく思う・・・そして未知の病を完治させた魔法を少しの間、王都民の為に役立ててもらえぬか?」
「はっはいっ!!アスハブ陛下っ!!!、まだ私のような駆け出しの魔法使いの力でありますが・・・陛下の期待のお声に沿えるよう頑張ります」
「うむ、カトラよその優しき心と魔法で王都の民は救われるじゃろう・・・。それともう一つ、これはワシの罪じゃカトラよ両親がなぜ姿を消したのか知っておるか?」
「いえ・・・両親は突然姿を消しました・・・。5日ほど家で待っていましたが・・・お金も尽き途方に暮れて大通りを歩いていた時に、孤児院に保護されました・・・」
「うむ、それなんじゃが・・・バラス夫妻の失踪はワシのせいじゃ・・・」
「そっそれは、どうして・・・何があったのでしょうか?」
アスハブ陛下は手をパンッと打ち鳴らすと・・・。
「うそっお父さんっお母さんっ!!!!!」
カトラお姉さまは、大声で叫ぶと横の別室から現れたバラス夫妻に思いっきり抱き着いていた・・・。
まず、バラスは夫婦で魔法研究所を取り仕切る貴族で今回事故で飛散してしまった魔法兵器の有害物質を無効化する薬を開発するため、もしもの時に娘に害が及ばないようにするためアスハブ陛下の命により失踪と言う形で姿を消し、秘密裏に薬を作っていたそうだ・・・。
失敗したときの為とはいえカトラにはとてもつらい目に合わせたと、陛下からのお言葉を頂いた。
「カトラ・・・ありがとうお前のおかげで、私たちは助かったのだよ・・・」
「カトラちゃん、アスハブ陛下から聞いたわ・・・魔法を、とってもすごい魔法を使えるようになったのね・・・あなたは私たちの宝だわ・・・突然姿を消してしまってごめんなさいね、つらかったでしょ?」
「うん、う゛んっ」
「そして、アルスロット・カイラスよそちは・・・ラング・カイラスの息子か?確か生まれたと報告を受けたのは9ヵ月ほど前ばかりと・・・思っていたのだが・・・」
うっ・・・やばいのか?陛下に嘘は付けないよね・・・お父さま・・・ちらりと横を見るとお父さまも硬直して固まっていた・・・。
「ふむ・・・報告ではアルスロットが今回の病の特効薬を作れると・・・聞いておるのだが?それは真かの?カトラの魔法が万能でも100万の王都民に魔法をかけるのは不可能じゃし、是非ともその特効薬を・・・できれば献上と言う形で教えてほしいのじゃがの・・・」
献上・・・となると俺にこの薬の独占権が与えられるのか・・・たしかチャトラお姉さんのバトルアーマーの生地が献上によって技術が守られていると言っていた・・・。
それに、これは・・・アスハブ陛下のやさしさだろうな・・・本当なら有無を言わさず取り上げられてもおかしくない緊急事態なのにこうして俺にしっかりと見える得を示して助けてくれと言葉の感じから伝わってきた・・・。国王だもんな頭は絶対に下げることはできないし大変なんだろうな・・・。
俺は、アスハブ陛下のお心を察しすぐに献上いたしますと返事をした。
「うむ、アルスロットからの献上の特効薬で王都民全員が助かる。終息後にはそれぞれ褒美を与えることとする・・・」
「バラスよ、アルスロットから特効薬の作り方を聞きすぐに王都の民に配るのじゃ。それと重症の者はカトラ・バラスによる魔法治療をオーチャコ神礼拝堂で行うと触れを出せ。皆の働きにグリナダス王国の未来がかかっている・・・終息の報告が来るのを期待する」
アスハブ陛下との謁見が終わった後、すぐにカトラお姉さまは治療の為にオーチャコ神礼拝堂に待機。俺はバラス夫妻に特効薬の作り方を教えるため魔法研究所の研究室へと足を運んでいた。
「先ほどは陛下の前で大した挨拶が出来なかった・・・私はエルトラス・バラスだ。カトラから少し聞けたのだが・・・とてもお世話になったと魔法の道を示してくれた恩人だと言っていたよ・・・私からもお礼を言わせてほしい・・・本当にありがとう・・・ほんとうに・・・」
「私は、パメラ・バラスよ。アル君っ本当にありがとう・・・カトラにもう二度と会うことはできないと思っていたけど神様は・・・アル君を最愛の娘の元に導いてくださったわ・・・運命ね・・・」
「そんな・・・俺の方がカトラお姉さまに命を助けていただきました」
「ふふっそうなの・・・もう二人とも運命だったのね・・・」
うん、嬉しいけどカトラお姉さんのお母さまも家のお母さまみたいに運命をとっても大事にする感じだ・・・と、それよりも今は薬だ・・・。
「えっと、薬の作り方と・・・どの様な効き目があって今回の病を治すのかなどをお教えしたいのですが・・・口頭でよろしいですか?俺はまだ文字をちゃんと書けるか自信が無くて・・・」
一応、ニュースサイトを使えば書けるけど間違いがあってはいけないしな、お任せした方がいいだろうね。
「ああ、それは私がメモをして大事な薬として後世に残るように処理をするよ」
「えー、それでは・・・」この薬の作り方を聞いたらびっくりするだろうな・・・簡単だし・・・有害物質を排出して直すという薬だしね・・・。
「そんな・・・こんなアプローチがあるなんて・・・有害物質を排出させる、なるほど・・・症状が表に出ていない時ならこれで十分治療可能だ・・・なんでこんな簡単なことが思い浮かばなかったんだっ!!!」
「あなたっ・・・アル君がびっくりしているわ・・・ごめんなさいねこの半年ほど、全く出口見えない治療薬開発をしていたものだから・・・」
「いえっ、今まで心が引き裂かれながらも必死に治療薬の開発に全力を傾けていたことに尊敬いたします・・・」
俺は薬草を粉末状にし、お湯に溶かしながら毒消し魔法を添加したものを飲んで体内から排出させる魔法薬をバラス夫妻に教えると一つ問題が上がった・・・。
そう、薬草が足りない・・・一度に100万の王都民に分ける薬草がとてもじゃないけど足りないとの事だ。
採取後は1日程度のサイクルで、またすぐに薬草の葉を採取できるのだがさすがに一瞬では無理だそうだ・・・。
薬草を大量に手に入れるにはどうしたらいい?<ニュースサイト>
「1310 薬草の葉1枚を地面に植え、成長させる」
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1310 薬草の葉1枚を地面に植え、成長させる
アルスロットの(成長/LV2)で成長させれば1枚の薬草の葉から成長限界の100枚以上の薬草を一瞬で採取できる。
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うお~マジか~えっと100万人割る100枚は・・・1万枚の薬草で100万枚の薬草が採取できる・・・えーと俺の魔力はもつのか?その前に1万枚の薬草植えれないな・・・増やしながらでもいいのか・・・?
例えば、100枚植えて1枚だけ葉を残し採取、また成長させて1枚だけ葉を残し採取とこれなら採取時間中は休憩できるけど・・・1回で手に入る薬草の数は・・・100x99枚=9900枚で、100万で割ると・・・101回繰り返せば100万人分の薬草が用意できる・・・な。
俺はバラス夫妻に今考えた薬草増やし大作戦を伝えていくと・・・100枚植えて、軍の屈強な男たちが採取その間、俺は休息し魔力回復。それに魔法学校の生徒たちと軍の魔法部隊総出で薬草に毒消し魔法を添加し王都民に飲ませていく流れを作ることとなった・・・。
「アルスロット君、薬なんだが何回かせめて一人当たり2回は飲ませてほしいもちろん間を開けてだ・・・計算してみると1日当たり薬草の生産が30万枚ほど。30回ちょっとの採取が限界だろう、それで2回に分けて飲んでもらうと約6~7日かけて王都民に治療薬を2回に分けて飲んでもらう事となる。それでは直ぐに動こうっ時間は少しでも無駄にはしたくない」
それから怒涛の忙しさだった・・・100枚の薬草の葉を屈強な軍の男たちが王城の薬草園に植え、俺は全ての薬草を(成長/LV2)で薬草の限界成長まで成長させ瞬時に採取していくを繰り返す・・・。
ふうっ、1回のサイクルに約30分・・・休憩が2時間で睡眠が6時間・・・1日当たり32回のサイクルで316800枚が採取できるな。ふふっ俺は最後の7日まで生きていられるんだろうか・・・ふふふっ。
休憩の合間にそんな事を考えならいつの間にか笑っていると・・・。
「アルスロット君・・・素晴らしいよ。どうやらこれは成長限界まで達した薬草のようだ・・・こんな薬草は私でさえ見たことない・・・すばらしい、薬効も通常の物よりかなりよさそうだ。なんていう事だ・・・普段から知って居る薬草にさえこんな秘密、未知の部分があるとはっ!!!」
はあっ、俺の横ではエルトラスさんが興奮して俺が成長させた薬草を1枚くすねて、通常の物と薬効を比べていたよ・・・。
アスハブ陛下からの呼び出し後、私はオーチャコ神礼拝堂で重傷者の治療を続けていたが・・・う~熱い、事情を聴いたシエルハーナ院長からカトラ・バラスという事は分からないように治療を行いなさいと・・・助言をいただき目元を隠す仮面をかぶり頭からすっぽりと体を覆う純白のローブを着て魔法治療を続けていた・・・やはり小さな子供が重傷者が多く、赤ん坊を優先しながら7日間の魔法治療を何とかこなしていく、もちろん通常の魔法では数十人も見れば魔力切れを起こし休まなければならないが、私の〇×△□魔法は脅威の魔力効率で休みなく〇△の複合魔法、状態異常解除魔法を唱えることが出来ていた。
そして、一瞬で治ってゆく子供を見た親は奇跡だっと私を神のごとく祈りだし少し大変だった・・・オーチャコ神様もこうして祈りを受けて困ってることもあるのかしらっとちょっと不謹慎な事を考えてしまう・・・。
そんな、治療を続け2日目の朝にマリアが目をぱっちりと覚まし「お姉ちゃん・・・お腹すいた・・・」と、私を見て呟いた瞬間私の涙があふれて止まらなかった。
「マリアっ心配したよっ!!!」
そして、私の名前は「カトラ・バラス」へこの忌まわしい有害物質事故が終息後に正式に戻ることとなり、アル君が作り出した魔法薬の毒排出薬はどのような毒にも効果があるとんでもない魔法薬と分かり、永遠にこの魔法薬が後世に残るよう王命により一層の魔法薬研究の強化が図られた。




