第十六話 げんこつ
はあっ、アルスロット・・・。
「仕方がない・・・アルの言った通りに追うか・・・カルマータさんマップは持ってるかな?」
「あっはあっはいっもちろんですっ!!ここは初心者ダンジョンなのでマップは冒険者ギルドから配布されています。カトラも持っています・・・がさっきアル君が言った通りなら隠された特殊階層があるみたいですね・・・」
「ああ、そうだな。これがホントならここは初心者ダンジョンでは無くなるだろうな・・・少なくともこの罠はかなりマズい代物だ・・・」
「はい・・・正直、初心者ダンジョンにこの罠はパーティーがしっかりしていない駆け出しではまず死を意味します」
「ああ、すまないがカルマータさんはここで待機し後続の冒険者ギルドの職員にこの事を伝えてほしい。私は全力でこのダンジョンを攻略して子供たちを助ける」
「はい、お気をつけて・・・」
うわっ!がっ!!ぐうっ!!俺は落下していた・・・微妙にジグザグに繋がった落下穴に引っかかり体中を打ち付け体はどちらが上なのかも分からないほど回転していた・・・。
あっ・・・そういえば緊急速報の記事の中身見てなかった・・・俺はどうなるんだろう・・・何度も体を打ち付けた俺は途中から気絶していた。
私が落ちてきた落下穴を落ちてくるアル君が見えた・・・咄嗟に□魔法を唱え壁を出す、そしてそれを足場にするべく横にして頭上へと移動させると・・・ドッと嫌な音をさせここからでは判別が出来ない何かが□魔法の壁の上に落ちてきていた・・・。
「あるくんっアル君っアル君っ!!!」反応が無い・・・公園で初めて会った時みたいに頭からまた血が出ていた。私はすぐに〇魔法を唱える・・・。
「〇っ」
アル君の体全体を〇で囲うと私の〇魔法は発動し濃密な魔力のリングがアル君の体を一瞬で直していく。
「アル君っ大丈夫?」
「あっうんっ、声は聞こえてたんだけど俺っ全く動けなかった・・・よ。カトラお姉さんがまた魔法で直してくれたんだね、ありがとうっ」
「うんっ、私の魔法でアル君が罠に飛び込んでくるのが見えたの・・・それですぐに□魔法を足場に・・・少しでも落下する距離が短くなるようにしたのよ・・・間に合ってよかった。もうっ滅茶苦茶よっアル君っ」
カトラお姉さんは、ちょっと怒りながら俺を優しく抱きしめてくれた・・・。
<ニュースサイト>俺はお父さまは?と思い記事を開く。
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1042 ラングの今は
現在は2階層を身体強化を使い進行中・・・、マップを見ながらだがここまで5分で移動している。
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お父さま・・・俺の突然の無茶な行動を信じて助けに動いてくれたようだ・・・良かった。それに5分ほどしかたってないのにもう2階層に・・・10階層のダンジョンボスを倒し隠し階段のスイッチを押せばここに通じる階段が現れるんだったな・・・しかも、ここに落ちた者では脱出は不可能だったな、最悪な罠だ・・・。
「アル君?どうしたの黙り込んで・・・もしかして怖いかな?ランタンの光しかないしほとんど真っ暗だもんね・・・」
「はい、正直に言うと怖いです・・・。ダンジョンは初めてですしモンスターもまともに見たこともありませんしね。こんな暗闇からモンスターが襲ってくると思うと今の自分では何もできません・・・」
「ううんっ、アル君は私がピンチの時にはいつも助けてくれるわっ!それに今だって・・・正直一人ぼっちになった私も怖かったのよ・・・」
二人で顔を見合わせ、ふふっと笑いあうと脱出のための話を進めていった。
「ラングさんが今、ここに駆け付けてくれているのね?それにしても特殊階層か・・・私一人だったら誰にも気が付かれずに脱出も出来ずに死んでたのね・・・アル君と出会えてよかった」
この後は簡単だ・・・お父さまが10階層のボスを倒し隠し階段を出すボタンを押すのを待つだけだ・・・。
あっすごい・・・もう天井から物凄い音が・・・。
「ふふっ剣聖ラングをここのモンスターは怒らせたみたいねっ」
ははっ、そうみたいです・・・。
俺が落下してから1時間もたたないうちに、お父さまはすぐ上の10階層のボスを物凄い技で倒したようだった。
あっやべ、忘れてた・・・。
どこに階段が出現する?
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1123 特殊階層の階段
現在地より真っすぐ進んだ中央に天井から階段が出現する。
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あと1分もしないうちに階段が現れるはずだ・・・。
「カトラお姉さん、ここから真っすぐに進んだ所に階段が天井から現れるそうです。たぶんもう1分もしないうちに」
「えっそうなの?」
アル君・・・なんでわかるのかしら・・・真っ暗闇を進み始めたアル君の後ろをランタンを持ちながら付いていく。
「あっ!!!すごい・・・」アル君が言った通り天井から階段が生えてくるのが見えた・・・。
『緊急速報 1126 ダンジョンの目覚め』
うげっなんかやばそうな緊急速報が来た・・・今度はすぐに緊急速報の記事を開く。
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緊急速報 1126 ダンジョンの目覚め
カトラとアルスロットの救出のため特殊階層への階段のスイッチを押されたダンジョンは永い眠りから目覚める。
この広い、特殊階層1階層はモンスタートラップが発動しあふれ返り特殊階層全100層のダンジョンが誕生する。
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「うえぇえ、不味いっ!!!」
おれは、思わず事態のやばさに叫んでいた。
「アルっ無事かっ?!」
「あっお父さま・・・無事ですっ!!カトラお姉さんもっ!!!」
「アル君っさっきの不味いって・・・どうしたの?ラングさんが助けに来てくれて帰るための階段も出て来たけど・・・」
「あっそうっそれがまずいんだっ!!!この階段はこのダンジョンの特殊階層を目覚めさせるスイッチで今からここはモンスタートラップが発動して・・・」
俺の言葉を伝え終わる前に・・・ドーン、ドーン、ドーンと不気味な音が響き渡りモンスターの叫び声がこの広い空間を支配していた。
「アルっカトラちゃんっ、早く登って来るんだっ!!!すぐに逃げるぞっ!!!」
俺たちはお父さまに促され急いで階段を上がってゆく・・・この階段、とてもさっき出来た階段とは思えないようなかっちりとした螺旋状の階段だった・・・。
「はあっはあっ、お父さまっここはモンスターであふれ返ります・・・誰かが倒さないとダメなんでは?」
「ああ・・・そうだな・・・・・・カトラちゃん、マップを持ってるね?」
「はい、ギルドから支給された物を持っています・・・」
「じゃあ、アルと一緒に走って地上へと逃げるんだいいね?それと、念のために直ぐに応援をよこしてほしい・・・この螺旋階段を使えば俺だけでもたぶん抑え込めると思うが万が一のこともあるからね、頼んだよ?」
「えっ、お父さまが一人でここを?そんなっ!!!待ってくださいっ!!!俺はそんなつもりで言ったんじゃないんですっ」
「あっああ、もちろんだ。ありがとうなアルっパパを心配してくれて・・・だけどな俺は剣聖なんだこんな時にこそ先頭で戦わないといけないんだよ・・・なっ。それにアルたちが地上に出てギルド職員にこのことを伝えてくれれば助けもすぐ来るしなっ」
そんなこというお父様・・・たぶん俺たちが地上に出るにはどんなに急いでも数時間はかかるだろう・・・一瞬でモンスターを倒して身体強化した体で尋常じゃない速さでここまでたどり着いたお父さまの嘘だ・・・。
俺達だけで逃げ出すとどうなる・・・<ニュースサイト>
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1129 困難な脱出
ラングと別れた後、すぐにモンスターがはびこる通路に一歩も進めなくなるアルとカトラ。
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だめじゃん・・・それに俺は戦うすべが一つもない・・・このままお父さまの言うとおりにするのは、握手だ・・・違った・・・悪手だった。
「お父さま・・・申し訳ありませんがそれは・・・聞くことはできませんっ!!!」
「アルっここは俺が死守する何としてもお前たちは地上へ戻るんだっいいなっ」
「いえ、それは悪手ですお父さま・・・この後、俺とカトラお姉さんだけでは地上へは帰還することはできません、分かるんです」
「なにっ分かる?どういうことだ?」
「それは、今のところお教えする気はありません・・・」
まずい、こんな説明してたら手遅れになる・・・。
どうしたら、この階段を塞ぐことが出来る?F5で再読み込みする・・・
「1129 一度目覚めた特殊階層を閉じるのは不可能」
カトラお姉さんの□魔法の展開で、F5っ!!!
「1129 □魔法を展開したカトラはその場から動けない」
・・・・・・あ、モンスターをどうにかするんじゃなくて・・・罠を解除するには?このモンスタートラップは罠のはず・・・倒さずに回避する抜け道もあるはずだ・・・F5で最新記事をリロードすると・・・。
「1130 トラップを解除するには」
やったっ!!!俺はすぐに記事を読む。
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1130 トラップを解除するには
螺旋階段の支柱にトラップをリセットする装置が付いている。
リセット後はモンスターは定位置へと戻る。
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「お父さまっこの螺旋階段の支柱にモンスタートラップを解除する装置があるはずですっそれを見つけて止めましょうっ!!」
「あっああ・・・アルどうしてそんなことが・・・」
「お父さま時間がありません、すいませんが今は止めるのを先にしましょうっ」
俺たちは螺旋階段をまた降りると有ったっ!!真ん中あたりに出っ張ったボタンのようなものがあり、すぐに押してみると・・・。すっとモンスターたちの唸り声が止まり、出てきた壁に戻っていった・・・。
「ふうっ良かった・・・」
「あはは、アル君っすごいっ戦わずに助かっちゃったっ!!!」
「ああ、アルっ助かったよ・・・もう正直に言うが俺でもあふれ返るモンスターを抑えるのは正直危なかった・・・」
俺はお父さまに頭をぐりぐり撫でられながら、笑みがこぼれおちていた。
この後は、ゆっくりと歩きながらお父さまに連れられ安全に地上まで帰ることが出来た・・・。だけど地上で待っていたのは・・・。
「アルちゃんっ心配したのよっめっ!!!」ゴツっ。
ぐああああっお父さまから事の詳細を聞いた心配したお母さまからの愛のげんこつだった。




