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第十五話 初めましてダンジョン

俺は冒険者登録の書類を提出し、お父さまと一緒に椅子に座り冒険者カードの発行を待っていた・・・。それにしても人が冒険者が多い・・・壁際に設置されている椅子に座っているがガヤガヤとした騒音に頭が痛くなってきた。


「お父さまは、何歳から冒険者を始めたんですか?」

ふと、そんな疑問をぶつけてみる。


「んっ、確か6歳の時だったかな?パパの生まれ故郷はオリアっていう西の辺境でかなり危険なところでね・・・戦うしかなかった・・・そんな所だったよ。今は安定しているけどね、パパが冒険者になったころはそりゃあ厳しかったよ、死線を毎日のように潜り抜けていたな・・・」


「・・・・・・」冒険者ってそんなに危険なのか・・・。


「あっ、びっくりさせちゃったかな?まあ、今は王都だし大丈夫だ。それに西も今は安定してる、そんな黙り込むような事にはならないと思うぞ?」


う~む、お父さまの大丈夫はちょっと信用できなかった・・・。


それにしても、こんなに冒険者がいたらクエストなんかあるんだろうか?その辺も不安になってきた。それにさっきから何故か、こちらをチラチラと見る冒険者が・・・。


「あっあのっ突然失礼しますっ。その剣聖ラング様とお見受けしますっ俺はそのっ大ファンですっ」


えっ・・・俺は突然、お父さまの前で直立不動になる俺より年上の少年にポカーンとしてしまった・・・。


「ははっ、君は見た所にまだ初心者の子かな?Fランクまでは決して焦るんじゃないぞ?」


お父さまは手を出し、少年と握手をしながら話し始めてしまった。


なるほど・・・さっきからチラチラ見るのはお父さまが剣聖だから・・・そりゃ、有名人だよね~冒険者で剣を使ってる奴なら憧れるんだろうな~。

そんな、お父さまを見る俺は剣聖の子としてこれから大成できるのかな?と思いながら興奮しながらお父さまと話す少年を見ていた。



「カイラスさんっ!!!、冒険者カードを発行いたしますっ!!!。先ほどの受付カウンターのまでお越しくださいっ!!!」


先ほど、並んでいた時に登録書類を渡してくれていた職員の男性が大声でカイラスと俺の家名を呼び出していた・・・。


「カイラス・・・剣聖の?」


そして、さらにざわつく冒険者ギルドに何故か俺にも視線が絡んできてとても居心地が悪かった・・・。






「カイラス様、まことに申し訳ありません・・・。あの子・・・あっ失礼しました、このような事にならないよう職員の教育を徹底させます・・・」


「いえ・・・いいんですよ」

呼び出しの後には、冒険者ギルドは剣聖コールの大合唱になりギルド職員が治めるまで身動きが出来ず大変だった・・・。


「冒険者カードの発行手続きの審査が終わったので今から発行をさせてもらいますね。アルスロット君?この魔道具の上に手を置いて魔力を流してね、すぐにあなたのステータスを魔道具が読み込んで冒険者カードが発行されるわ」


俺は、受付のお姉さんの指示通りに手の平を丸い真っ黒な魔道具の上に乗せると・・・光が手をなぞりカードが出てきた。


「はいっちょっと待ってね~うーん」


カードを取り出したお姉さんは登録のために渡した書類と見比べておかしなところは無いかと?調べていた。


「はい、間違いはないようですこれでアルスロット君は初心者冒険者となりました。ギルドの一員としての行動が求められますので、気を付けてねっ」


俺は渡された冒険者カードを見てみる、何も書かれていない・・・真っ黒なカードだった。


「あのっ、カードが真っ黒なんですが・・・」


「あっそっか、ごめんなさい。その冒険者カードは自分の魔力に反応して表示される魔道具なのよ、発行できたから魔力は問題なく流せるはず、軽く自分の魔力を流してみてね」


魔力を流すと・・・。


「うわっ!!!」真っ黒のカードの上を青白い魔力の粒子が走り文字が浮かんでいた。


【ランク】初心者

【名前】アルスロット・カイラス

【種族】日本人

【年齢】8

【レベル】1

【スキル】なし

【賞罰】なし

【ギルダ】100000


わっ・・・すごい・・・俺の情報が・・・なんか大丈夫なのか?という内容だったけど大丈夫なんだろうギルダはお金だったっけ10万ギルダがカードに入っていた。


「お父さま、カードにお金が表示されていますが・・・」


「ああ、少ないが少しお金を入れておいた。何かあったときに食べ物位は買えるようにな。防具はさすがにできて無いだろうから、武器を買いに行こうか。アルは何がいいかな~やっぱパパみたいに剣士になるのかな?楽しみだなっさっ行くぞっ!」


俺は受付のお姉さんにぺこりとお礼をしてからお父さまと武器屋へと・・・。


「通してっ!!!!、すぐに私を受付へ通させてっ!クエスト中の緊急事態だっ!!!!」


出ていこうとした俺たちを押しのけるように冒険者が入ってくると叫びながら受付カウンターへと向かっていく。


「Cランク冒険者、カルマータよっ初心者冒険者研修中にダンジョンで特殊な罠にかかりはぐれたわっ!罠は落下タイプの穴が開く物だったっ、追跡をしようにも罠は特殊で小さく大柄な私では落ちることが出来なかったっ!!!すぐに、小柄な冒険者を手配してっ助けに行かないとっ!!!!」


「ええっ、カルマータさん落ち着いてください・・・それで罠に落ちた初心者冒険者の名は?」


「カトラよっ!!!!」







報告を終えるまでお父さまは静かに見守っていた・・・。俺は・・・不安で頭が全く働くことなくボー然としていた・・・。


「カルマータさん?失礼、私はSランク冒険者のラングというものだ。今、報告をしていたカトラは私たちの大事な友人なんだが・・・私たちに救出の手伝いをさせてくれないか?」


「えっえ?Sランク・・・あっ剣聖ラングっ!!!はっはい、お願いします。小型の落下型罠で大柄な私は追跡が出来ませんでした・・・申し訳ありません・・・」


「うん、ダンジョンは危険がつきものだ。君のせいではないし君は最善を尽くしている、これから救出に一緒に行こう」


お父さまは先に先発として、Sランク冒険者のラングが行くと伝えカルマータさんを連れ王都西城門から出てすぐの所にある、いわゆる初心者向けダンジョンへと向かっていった。


この初心者向けダンジョンは階層数が少なく多くても10階層前後だが、罠や1層ごとの広さは難易度の高いダンジョンと変わらないために、初心者を訓練するためと駆け出しのF~Eランクの冒険者が利用するダンジョンの一つとなっていた。


「寒いっ・・・」1Fに降りると天井は高く、地面はジメジメとして冷気が漂っているかのような寒さが空間を支配していた。


「カルマータさん案内をお願いするよ、あと緊急時の光る道しるべアンカーを落として進もう・・・アルは私たちの後ろ2mをよそ見をしないでついてくるんだぞ?」


「はいっ・・・」お父さまは火の灯を空中に魔法で出す、なにも分からない俺はお父さまに指示されたことを守り付いていく・・・俺の初めてのダンジョンは緊張感もなくお父さまの後ろをどんどん進んでいくデビューとなった。


「広い・・・」初心者用と入る前に聞いたけどとてもそうは見えなかった・・・、モンスターもさっきから出てきているみたいで?キーキーと嫌な声は聞こえるがお父さまが瞬時に倒しているみたいで早歩きの速度は全く変わっていなかった。


10分ほども歩くと、突き当りの通路が見えそこには目印の光る発行体が置いてあった。


「ああ、ここだよ。突き当りでカトラが突然姿を消したんだ・・・すぐに調べてみると、壁際にスイッチがあって、少しでも触ると地面に穴が開いて落ちる仕掛けだった・・・。で、穴なんだけどすごく小さいんだ・・・正直、普通の体格の冒険者だと落ちることはまずない見過ごされるような・・・」


カルマータさんが壁のスイッチに触ると、地面が消失するように小さな穴が開いた・・・大人では落ちない・・・が、小柄なまだ子供だと落ちてしまうようなそんな穴だった・・・。


「ああ、これは・・・嫌な罠だな。たぶん普通の冒険者は落ちることが無かったために冒険者ギルドにも報告もされなかった罠なんだろうが・・・、俺の経験ではこの罠は一番厄介で危険な罠の一つだ」


お父さまの話では良くてパーティーの分断、落下タイプの罠は落ちるだけでは無くその先が即死性のある罠だったりモンスター部屋や最悪は生き埋め・・・など単純でもあるがとっても危険なんだそうだ・・・。


どうしよう・・・さっき冒険者になったばかりの俺にはお父さまとカルマータさんが話し合っているのをただただ見ていることしかできなかった・・・んっ。



『緊急速報 1034 アルスロット罠から落下する』


「うえっ?!!」いや下か・・・俺が落ちる・・・緊急速報だから2分後か、何でだ?あっ!!


カトラ・バラスはどうしている?と<ニュースサイト>を開くと・・・。


@@@@@@@@@@

1032 カトラの今は


初心者ダンジョンの小さな落下罠にはまり、最終階層10Fのさらに下の特別階層にいる。

現在は、ランタンの明かりを頼りに脱出するべく階段を探して広大なフロアを1周して元の場所に戻ってきた所だ。

@@@@@@@@@@


くそっ、そこにはどうやって行く?F5で最新記事を開くと・・・


@@@@@@@@@@@

1033 ダンジョンの罠∞


この罠はパーティーの分断を目的にした罠である。

落下後は簡単には動けないような打撲以上のケガをする。

10Fのダンジョンボスを倒し壁の隠し階段のスイッチを押さないとこの罠の特殊階層にはたどり着くことはできない。脱出は自力では不可能である。

@@@@@@@@@@@


最悪だ・・・、あと1分もないっ。


「お父さまっこれから俺はこの罠で落下してカトラお姉さまを追いますっ。時間がありませんよく聞いてくださいっ、お父さまはこのダンジョンを10Fのボスまで攻略して壁に隠された隠しフロアへ続く階段を見つけてください脱出にはそれしか手はありませんっ」


「アルスロットっ!!!!!!」


俺はお父さまに矢継ぎ早に説明をすると、壁の罠のスイッチにぶつかりカトラお姉さまの落ちていった闇の底へと落ちていった・・・。







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