第十三話 冒険者ギルドにて
今日はお母さまに起こされる前に起きることが出来た俺は、カーテンと窓を開け家より広い庭を見ると・・・。
そこには、全く音を立てずお父さまが朝の鍛錬をしているのが見えた。
「おっ!!アル起きたか、おはようっ」
「おはようございます」
俺は窓を開けた時にはお父さまに気づかれていたようだった。
「今日はお休みなんですか?」
「ああ、今日は休みだ。それにアルと少し話をする必要があるだろっ?じゃ、朝ご飯を一緒に食べながら話そうか」
と言うと、お父さまは魔法で体の汗と服の汚れを一瞬で落とし家の中へと入っていった。
まだ、生活魔法を使えない俺は朝の挨拶を終えると、お母さまから体を清浄にしてもらっていた・・・。
「さっ、これでさっぱりしたでしょっ」
「はいっお母さまありがとうございますっ。この生活魔法はとっても便利ですね・・・それにお風呂の無い庶民には欠かせない魔法ですね・・・」
俺の体は汗のにおいからべた付き、目に見える汚れまで全て奇麗さっぱりと無くなっていた。
「そうだ、アルっ生活魔法は基本だこれを覚えないと冒険者にはなれないぞっ」
確かに・・・体を清浄に保つだけでなく、火種や水を浄化する生活魔法は絶対に必要なものだ。
「おっ、この魔法の必要性が分かったような顔をしてるなっ。一応補足しておくがこの生活魔法の真価はダンジョンに潜ったときに発揮されるからな・・・まずこの魔法を持っていない者は生きてはいられないだろうからな」
「ダンジョンっ?お父さまっダンジョンとは洞窟みたいな物なんですか?」
ん~、自然の物なら洞窟・・・人間の手の入った物では迷宮か?
「洞窟?いや、それは全く違うぞ。ダンジョンは人間に当てはめるとモンスターの母だ・・・と言われている、あらゆるモンスターがそこから生まれ出てくる場所でもある。そして未発見のダンジョンはさっき言った通りモンスターを大量に生み出す母体になっている」
「それは、人間の脅威ですよね?どう対処をしているんですか?」
「ああ、アルっ良い質問だ・・・。地上にあふれ出たモンスターと、ダンジョンのモンスターをあふれださせないように日々、冒険者を送り出している。その送り出す冒険者は冒険者ギルドによって管理されて今の安全な日々を送ることが出来ている。もちろん、国の軍隊も動く事があるが、冒険者ギルドで対処不可能な王国防衛を軸にしているという違いがある。冒険者は個の力だな、単騎から複数のパーティーを組んで市民の安全や、ダンジョンの踏破、未発見ダンジョンの発見など団体では動きにくいより細やかな動きを可能とする組織だ」
なるほど・・・お父さまが毎日指導をしに行く王国軍は、王国を揺るがすような事態に備えて動く。それ以外は冒険者ギルドが管理して細やかな安全を市民に提供していると。
「まあ、今言ったのは王国軍の事だけだ・・・細かく言うと・・・もちろん他にも色々あるんだがな・・・まあ、その話はいいだろ?アルは冒険者になるとママから聞いたが、それは何でかな?アルの口からちゃんと聞きたいんだ。ママの朝食を食べながら話そうか」
俺は、お父さまとお母さまの反対側の席に座り朝食を食べながら昨日の自分の考えこれからを話していった。
「まずは、自分を守れるようになりたいです。それから世界を広げていきたい、生意気を言うと・・・みんなを守れるような・・・お父さまみたいな・・・」
「んーんー、アルっそれは傲慢だなっ。皆を守れるなど俺にも無理だぜっ?まあ、それはこれからアルが経験していくことだろうっ、その時に押し潰れないようにな・・・」
うっ、お父さまの真実の混じった重い言葉に俺はなにも言えなかった・・・。
「ははっすまんすまん。でだ、アルは冒険者になりたいのか?俺も冒険者だった・・・正直、毎日が大変だったし死ぬような目にも何度もあった・・・。それを聞いても冒険者になりたいと思うか?」
とっても真剣に俺の目を見て言うお父様は冒険者をやりたいというのを賛成でも反対でもなく俺の覚悟次第だと告げていた。
「はいっ、俺は冒険者になりたいです」
「うん、分かった・・・アルスロットまずは冒険者になってみなさい」
冒険者になってみなさい?とお父様から許可が出た後は、冒険者ギルドに行くからなと朝食を食べ終えた。
朝食が終わった後、俺はお父さまに連れられグリナダス王国総本部の冒険者ギルドへと歩いて向かう、8歳ぐらいの体格になった俺は普通に歩く分にはお父さまに付いて歩くことも問題なかった。
ただし、どのぐらいの強さが自分の中にあるのかは全く図ることが出来ていなかった・・・。剣も持っていないし、ユニークスキルはどれも戦闘向きじゃない?し・・・ちょっと前までは0歳の赤ん坊だった。
大通りにある冒険者ギルド本部に向かうにつれ不安が大きくなってゆく・・・俺は冒険者になれるんだろうか・・・冒険者って言ったら強さを体現しなくちゃいけない。
目の前を歩くお父さまはまさにそうだ・・・。強い、言葉に表せるような強さだけではない強さも持っているんだろう、俺にもお父さまの強さを手にしたい・・・。
「んっ、どうしたアル?んーいかんな今、強くなれるか不安を持ったな?顔に出ているぞ・・・」
「はい・・・お父さまが大きな目標だとお思ったら、不安が・・・」
「目標とされるのは嬉しいぞっ、だがな最初から上手くいってなんてのは無いんだぞ?俺も駆け出しのころは冒険者ギルドに世話になって少しづつ強くなって行った・・・仲間にも恵まれていたしなっ、そうだママが言ってたがカトラちゃんとパーティーを組むようにってなっ」
「ん~、カトラお姉さんに会えたらお願いしてみるつもりですが・・・」
「んっ、アルっ頑張れよっ。俺はカトラちゃんはいい子だと思うぞ~尻込みしてると、あっという間に誰かに・・・」
うおっお父さまも、カトラお姉さま推しか・・・大好きだけど、んーこの異世界では結婚するのがかなり速いらしいし・・・まごまごしてたらダメなんだろうな・・・。
長大な王都大通りを歩いていくと冒険者ギルド総本部が見えてきた。この王都にはそれぞれ東西南北に支部があり中心部に巨大な総本部が置かれている。
「俺の後ろをちゃんとついてくるんだぞ?離れると迷子になる広さだからな?」
「はっはい・・・」俺はあまりの強大な建物と、ひっきりなしに出入りする冒険者たちの迫力に気圧されてお父さまの後ろを引っ付く様に歩いていくと、一番左側のいかにもこれから冒険者になりますと言った若者が並んでいる列に順番を待つことになった。
列に並ぶと、すぐに一人の職員らしき若者が紙をもってやってきた・・・。
「こんにちは、今日はどなたの・・・?冒険者登録に?」
「ああ、この子だ。私の息子でねまだ成人前なので私は付き添いだ」
「そうでしたか、未成年の方の冒険者登録は成人されている方と違い色々と時間がかかります。まずは通常の登録用紙を記入しながら順番をお待ちください。それでは」
「アルっ・・・そういえば字を書けるか?しゃべることは問題なくできているが・・・」
ああっ、字書けるのか?日本語は覚えてる今もさっと頭に浮かぶ多分かけるだろう・・・だけど。この異世界の文字は浮かんでも来なかった・・・。
「書いたことが無いし・・・文字も先ほど看板をみましたが、とても読めそうにありませんでした・・・」
そうだ、さっき冒険者ギルドに入る前の大通りで見た色々な看板は分かりやすいように絵が看板になっている物が多かったが文字の物もいくつかはあった、そして何が書いてあるのかさっぱりわからなかった・・・。
あっ、まてよ・・・。
これは何が書いてある?<ニュースサイト>を立ち上げる。
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916 冒険者登録用紙∞
名前
年齢
住所
保護者サイン
登録時の注意事項
ステータススキャンを行う
犯罪歴があった場合は身柄を拘束後、王国警備兵へと渡される
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おっ、ちょっとめんどくさいけど<ニュースサイト>を使えば読むことも書くことも出来そうだ。たぶん文字が分からないと思えば・・・。
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918 登録用紙への記入する文字∞
名前 アルスロット・カイラス
年齢 0歳9か月
住所 グリナダス王国5-9
保護者サイン
登録時の注意事項
ステータススキャンを行う
犯罪歴があった場合は身柄を拘束後、王国警備兵へと渡される
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あれっ・・・そこには普通に日本語が表示されていた・・・どういう事だ?俺はてっきりこっちの異世界の文字が表示されると思ったんだけど・・・。
だけど、<ニュースサイト>は918 登録用紙への記入する文字と示している・・・という事はそのまま日本語でもいい?という事か?
「どうした?アルっ?まあお前は見た目は大きくなったがさすがに文字はまだ読めないし書けないよな?パパが代筆で書いてやるからそんなに心配しなくてもいいぞ、ふむまずアルは文字の練習も必要だなっ」
んーこれは書いてみないと分からないな・・・大きくなってしまった俺は何が出来るのかホントにまだ何も分かっていないことにまたしょんぼりしてしまう。
「お父さま、代筆お願いします」
「ああ、文字はママがちゃんと教えてくれるから安心しろ。まあ直ぐに覚えることが出来るはずだ」
俺はお父さまの代筆を見ていると不思議なことが起こった書いていくそばから日本語に変換されて見えるのだ・・・。
ますます、分からない・・・どういう事だ?周りの木の板に書かれた案内版などの文字を見ても相変わらず読むことが出来ない・・・。
なんでだ・・・?この用紙は<ニュースサイト>を使う前はあれっ普通に文字が日本語表示されている・・・さっきまで読めない文字だったのに・・・。
俺はもしや?と<ニュースサイト>でカウンターの上に掲げられた看板の文字を読めるようにと開くと・・・。
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926 看板の文字∞
新規冒険者登録
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何が書かれているのか見た後、ニュースサイトを閉じると・・・俺の目には看板の文字が全部読めていた・・・日本語になって・・・。




