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第百二話 赤ちゃんこんにちわ

「あ~だだっ!!」俺は8歳を三種の神の宝箱に捧げると0歳9ヵ月の赤ん坊へとなってしまったのだが、運が悪いことにチャトラアーマーの中に溺れてしまい軽くピンチを迎えていた。


「わっちょっとっ、アル君っ! もうっ!!!」

俺を見ていた中で一番に赤ん坊姿に免疫があるカトラお姉さまがこのチャトラアーマーの中で溺れ、しかも息が苦しくなっている俺をパパっと母親のように助け出してくれる。


「ふうっ、びっくりいたしましたわ……あらあら……アル様、なんて可愛いのでしょうっ!! カトラ様わたくしにもっ抱っこさせてくださいませっ!!!」


ぴゅふゅ~とカトラお姉さまに助け出された俺は、抱っこされ新鮮な空気を思いっきり吸い込んでいるうちに……カトラお姉さま以外は初めて見る俺の赤ん坊姿にあっという間に円陣が出来上がっていたのだった。


「あっあのっ!! カトラお姉ちゃん、私もアルお兄ちゃんを抱っこしてあげたいですっ!!」


カトリナ様とアリアちゃんは覗き込むように俺を見ると可愛い可愛いをずっと繰り返しながら、ちっさくなった俺の手と足をふにふにと触れたり……はっ!!!!! 俺は今……。


「カーン……緊急解除……はやく……」


「まいったね……私も解除しとくれよ」


「んっ、魔族化をか? それは無理だな主であるアルスロットが赤子では我を使うことはできぬからな。それにお嬢ちゃんたちが赤子となった主を守るために魔族化は解いてもらっては困るな」


「んっ……カーン……その通り……」


「今回は私らはついてないね……見るだけか……」


そんな二人は本当に残念そうにしょんぼりとしてしまうが、魔族化したその姿はとても美しくルーチェさんは水色の煌めくような魔力がカルマータさんは赤く輝く魔力の繊維が体を覆っていた。


「ふふっアル君っ本当に久しぶり……この姿が本当の姿なんだよね~」

赤ん坊になった俺にとっても優しい笑顔でそうしゃべりかけるカトラお姉さまを見つめていると、カトリナ様がほっぺをぷにぷにとしてくるので顔を向ける……。


「かっカトラ様っ!!! こっちを向きましたわっ!!! ぷにぷにほっぺがとっても可愛らしいですわっ!!!」

そして、さあっとカトラお姉さまに両手を広げわたくしが抱っこする番ですわと言わなくてもわかるほどの感情を爆発させて迫る。


「もうっ分かったからっ!! カトリナっ絶対にアル君を落とさないようにね……生まれたまんまの姿だから」


「えっええ? 生まれたままの姿?」


迫ってきたカトリナ様にそのままひょいと俺と向い合せると、揺れることがないゾウさんが……。


「きゃっ! アル様っ服を着ていらっしゃらないんですの?」


「カトリナお姉ちゃん、さっきまで着ていたのは8歳の子供の服だから……突然赤ちゃんになっちゃったから……」

そう補足してくれたアリアちゃんも、はいっ! と突き出される真っ裸の俺に恥ずかしくなってしまったのか赤くなり声も小さくうつむいてしまった。


「うん……アルはかわいい……わたしの伴侶にふさわしい……」


「まったく……赤子のアルは可愛いが、んっんんっそれに私の伴侶にもふさわしいそのっあれだ……。さあっ、遊んでないで魔族のピリカを人族に戻そうかね」






まず俺は、抱っこしてくれているカトラお姉さまのおでこを小さな手で触り……もう一方の手で真っ白な石畳の上で気絶している魔族・ピリカを指さす。

ライラお母さまの魔力炉をお返しするときは時は、センワルス様が補助をしてくれておでこをくっ付けると目の前にキラキラと輝くような球が2つ見え何故かどちらがお母さまの物か俺のか分かったんだよね……あとはライラお母さまに返したいと自分から押し出すようにするとお母さまの魔力炉は俺の体からライラお母さまの体へと戻っていったんだったな。


「アル君っどうしたらいいの? おでこにくっ付けるようにピリカちゃんに乗せればいい?」


カトラお姉さまが俺のおでこがピリカのおでこにくっつくように乗せると俺のポッコリお腹が口をふさいでしまい、さらに鼻も押しつぶし息ができないのかピクピクと痙攣したあとには噴き出すような息をお腹に炸裂させられ、俺はくすぐったくて笑い転げてしまう。


「うっひぇひぇひぇ、あ゛~ひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ」


「こっこれは……わたくしもアル様にやってみたいですわ……この方に先を越されるなんて……」


「カトリナお姉ちゃん……大丈夫だと思う、いちばんはライラお母さまがちゃんとアルお兄ちゃんにお腹ブーブーやってると思う……」


「うんっ、そうよっアル君に初めて出会ったとき確か公園デビューの時だから確か輪になって皆でお腹ブーブーやってたと思うわ」


「そっそうでしたの……でも、悔しいですわこんなに可愛いアル様を……今はあやすことも許されないなんて……しかも、お腹ブーブーの2番は取られてしまいましたわ……」


そんな、話をよそに俺は必死にくすぐったいお腹ブーブーの笑いから抜け出すと今度は自らハイハイをして魔族・ピリカの頭のてっぺんへと移動し覗き込むようになんとかおでこをくっつけ合わせていたのだった。




「なんだい、アルはハイハイが出来るんだね?」


「んっ……とってもかわいい」


「アル君はハイハイ以外にも、コロコロ転がるのが得意なんですよっ!!!」


「アルお兄ちゃんのしぐさは何でもかわいいですっ!!」


ハイハイしだした俺にそんな感想を投げかけるが俺は小さな手で頭をよじ登りコツンとどうにかおでこ同士をくっ付けると目をつぶり魔力炉を探す。

すると、つぶった目の奥から飛び出るように光り輝く魔力炉が現れ……しかもその魔力炉には上から小さな水晶のような形をしたものが3分の一ほど突き刺さっているのが見えたのだった。





「アル君っ、元に戻せそう?」


魔力炉に刺さったアーティファクトは見えたが目を開けると消え、どこに在るかもわからない……おでこをくっ付けて目をつぶれば見えるのだが……そんな、ことを繰り返していると時間だけが過ぎてゆく。


「んっん~~~……なに……? どうなってるのピリカは……」


パチッと目を開ける魔族・ピリカとおでこをくっ付け合わせて、目を開けるのと同時に顔を上げた俺には目を見つめあい時が止まってしまう……。


「えっえっ? なんでピリカの前にこんな可愛い赤ちゃんが? ぷにぷにほっぺがとってもかわいい~」

もうそこには、赤ん坊になった俺と自分しかいないのかヒョイと俺を両脇に手を添え持ち上げ目と目がぶつかり合うぐらいまでの距離にまで詰められる。


あっあ~あ~あ~~っ(あーうーえーとー)あぶぶぶっ(おっお姉さまに)あだあっ(ニコっ)!!」


そんな俺を、びっくりした顔で見つめると感情が爆発し魔族・ピリカは俺のぷにぷにほっぺに自分のほっぺをくっけては離しを繰り返し……。


「ピリカちゃんこんな子が……あっ弟なんだ……でもっでもっこんな……がまんできないっ!! にっへへ~と~っても可愛いよっ!!」


くっ付けたり離したりを繰り返すと、それは永遠に続きそしてその永遠の中には少し事故が起きる……そう勢い余った俺のおでこと魔族・ピリカのおでこがゴツンと衝突し……俺は……俺は……。


「あ゛ぶっ?! あ゛っあ゛っう~~~~~~~あ゛~~~~~~ん、あ゛~~~~~~ん、あぶぶぶっあ゛~~~~~~んあ゛~~~~~~~ん」

自身を抑えることが出来なくなり盛大に大泣きを始めたのだった。


「この女っ!!! よくも赤子のアル様をっ!!! 許しませんわっ!!!!」


「はわわわっ、アルお兄ちゃんが……」


大泣きし出した俺を見て、カトリナ様は魔族・ピリカから取り返そうと手を出し。それを見たアリアちゃんはいつもの驚きの声をあげる。


「まってっ!!! (さんかく)っ」


とっさにカトラお姉さまは俺へと延びるカトリナ様の手を(さんかく)魔法で触れる直前で停止させる。


「カトリナっ! アルに触れるんじゃないよっ!! よく見てみなっ!!!」


魔族・ピリカの手の中で激しく泣きわめく俺との向かい合う体の間に光り輝くモノが現れる。


「アルすごい……魔力炉……アーティファクトが刺さってる……」


「あれは、アーティファクトかい? じゃあ……」


「ああ、どうやら主は魔族・ピリカの魔力炉を引き出すことに成功したようだな」





「それで……この後、アルはどうやってこの引き出した魔力炉からアーティファクトを引き抜くんだい?」


「さあな、それは我にもわからぬな……この大泣きする主を信じるしかあるまい」


「んっ……アルならだいじょうぶ……だけど、邪魔者が来たみたい」


上空を見上げると2つの点が、みるみる大きくなり……大聖堂の城の広場の一番隅に降り立つと誰もいないせいか声がはっきりと聞こえてくる。


「ちっ、気が付かれてやがる。兄者どうする?」


「ラメルダ様の指示通りするまでだな……」


その言葉が聞こえると降り立った二人は、一人は大剣を上に掲げもう一人は両腕が伸び青く輝くと一息でカルマータとルーチェの目の前まで詰め寄る。


「ひゃあっ!!! バラバラに切り刻まれろや!!!」目の前で回転するように両腕を振り回すとカルマータをとらえるように瞬時に延び巻き付くように切りつける。

「<断裂>」もう一人は静かにスキル技を口ずさむと上段から大剣をルーチェへと振り下ろす。


「ひゃはははっ、ようっカルマータっ!! いつかの借りをたっぷりとお前の体に刻んでやるぜっ? 俺に憐みの目を向けたのを後悔するんだなっひゃははははっ!!!」

その場で、何度も回転しながら鞭のように暴れまわる両腕から伸びた魔力の鞭のようなものはカルマータの体を激しく打ち付け、はじける音は耳がおかしくなるよう音を響かせ白の広場中に木霊する。


だが……カルマータと白い石畳を削り巻き上げた粉塵が晴れる間もなく現れたのは全身を真っ赤に輝かせるカルマータと、もう一人のスキル技を放った大剣を何ともないように肩に受けるルーチェであった。


「なっ……なんで倒れねえっ!!! 俺は魔族の力を手に入れたんだぞっ!!!」


「化け物め……我が剣が肉に届きもしないとはな……」よく見るとルーチェに振り下ろされた大剣は肉体に触れることなく数センチの空間を開け静止している。




「まったく……懲りない奴だねダルガン……私は次はないと言ったはずだよ。この姿の時に攻撃をしたことを後悔するんだね……<<身体強化>>」

外骨格ともいえる魔力の筋肉にさらに身体強化を上掛け(・・・)する。


「ぶっ飛びなっ!!!」自身の体に掛けた身体強化に更に魔力の筋肉に上掛けされた身体強化された体から放たれる拳は先ほど魔族・ピリカを気絶させた時とは違い、地を殴れば地面が裂け天を殴れば大気が割れる。


「ぼっごあああっ」同じようにみぞおちに炸裂するカルマータの拳だが……ダルガンの体はくの字を超えて一の字となり空気の壁に激しく衝突し突き破った後は一瞬で視界から消えさる。


「はわわわっ!! カルマータお姉ちゃんすごい……」



「あなたも……アルの邪魔……消えて」

ありえないほどの魔力を指に収束させ大剣に触れると、バキンッと音がした瞬間に大剣にひびが入り柄の握り部分だけを残し消え去る。


「……十分だな」

その一言を発するとダルカンはあっけなくその場から引き、羽を広げると飛び立つ。



「あぎゃ~う゛~~~んあ゛~~~~んあああ~~~ん」


@@@@@@@@@@@@@@@@@@


・西上空から重力系の超大規模殲滅魔法が打ち下ろされる。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@


「なっ、なんだい? アル…………それは本当なのかい?」

西の上空を見上げる一堂に一呼吸遅れて視線を送ったカルマータに見えたものは……。


「なんですの? アル様……あれが超大規模殲滅魔法?なんですの?」


「でも、小っちゃい? あっあれ……うそっ!!! どんどん大きくなるよっ!!! なんでっ!」

落ちてくるようにこちらに向かってくる黒い点はしゃべるごとに大きくなり今は視界をほぼ埋めるほどの大きさになっている。


「アルを守る……カトラもしもの時はマジックドアで逃げなさい」


「カトリナ、アリアはその……アルとピリカを頼むよ」




そして、超大規模殲滅魔法が地上へと炸裂する1歩のところでカルマータがその間に割り込む。


「くああああああああっっ!!!」

音もなくカルマータの両手に接触した黒い白の広場を覆いつくすほどの巨大な魔力の塊は重く支えたとたんに地面と一緒に体が沈み込む。


「カルマータ……頑張って、それをはじき飛ばすには少し時間がかかる」


カルマータの少し後ろでは巨大ハンマー・トールを持つルーチェが。


「我が魔力を糧に真の姿を見せなさい……<トール>」魔族化したルーチェから莫大な魔力が巨大ハンマー・トールへと注がれ天に打ちあがり、その姿を超巨大化し天には暗黒を思わせる雲が下りるとその中から巨大な腕が伸び超巨大化したトールをつかみ取る。


「ルーチェーーーーーっ!!!」

限界を超えたカルマータは魔力の筋肉ははじけ飛び、自身からはミチミチミチと嫌な音が聞こえながら潰れ始めていた。


「急ぐ……」ルーチェは背中から光輝く羽を出すと大空へ……さらにスイングされようと動き出す超巨大ハンマー・トールの遥か後ろへと……そして光りの筋となったルーチェは体ごと超巨大質量となったトールへとぶつかっていった。





ウ゛オオオオオオッという不気味な声が天から響く、スイングされた超巨大化したトールにルーチェが光の筋となり押し出すとカルマータを押しつぶし終わろうとする超大規模殲滅魔法へと接触する。


「アル君っ……どうしよう、私の△魔法と□魔法でカルマータさんを少しでも助けようとしたけど……倒れちゃったよ。いつもいつも、こんな事になったこともないのにどうしたらいい?」


スイングされたトールが敵からの超大規模殲滅魔法に炸裂しルーチェはハンマーを後押ししているのに、力は拮抗しギャリギャリとものすごい音と火花を散らす。今まで支えていたカルマータはその場で倒れこみピクリともしない現状に絶望感が広がる。


「カルマータお姉ちゃんっ!!! わっ私の回復魔法でっ!!! <かぜのこえ>オーチャコ神の子らに<いやしのかぜ>」倒れたカルマータにその場で膝をつき手を握り締めると精いっぱいの魔力を乗せカルマータへと回復魔法を届ける。


「アル様……このままでは、まだですの?」

アルを見るといまだに泣きわめいており魔族・ピリカの魔力炉とアーティファクトもそのままの状態だった。








俺は……三種の神の宝箱に8年分の成長を捧げて……65536体の俺の分身のストックが4日間まで維持できるんだったっけ……。

それにしても、なんだこれ……あ゛~~~~んって俺が泣いているのか赤ん坊になると我慢できないことはどうにもコントロールが出来ないんだっけ……。


『やあやあやあ、アル君~お久しぶりだねっ!! いや~ピンチだね~かつてないほどのピンチだね~私との話が終わるときには……手遅れかもね~』


「センワルス様……手遅れですか? いったい何が……俺はいま泣き叫んでてその前には……魔力炉……そうだ魔族・ピリカの魔力炉を引き出したんだけどゴツンとおでこがぶつかったから。今は泣き叫んでいるんだっけ……」


『あったり~、いや良かった。このまま泣き叫ぶ赤子の思考に飲み込まれていたら君たちは終わりだったよ。ささっこの後はわかるかな?』


「はははっ、センワルス様いつもありがとうございます。今回もやばくてこうして俺を助けてくれたんですね?」


『まあねえ~、君たちがここで終わったら私はもう・・・・・・・・・・・・・(だからね)


それを最後にセンワルス様の声は消え失せ、俺はどこか遠くで泣きわめく赤子の自分の声を聴きながらニュースサイトの公開設定を使い皆にこの危機と指示を与えるのだった。




@@@@@@@@@@@@@@


・カトリナ様、俺とピリカに直接触れないように三種の神の宝箱のレッドダイヤモンドの赤いダイヤルを俺の手に。


・カトラお姉さまは上空にいるラメルダさんの横にマジックドアを


・アリアちゃんは、このままカルマータさんの回復を

@@@@@@@@@@@@@@


「アル様っ!!! わかりましたわっ!!!」先ほど脱ぎ捨てられた俺のチャトラアーマーに肩掛けされた三種の神の宝箱を取り出し、泣きわめく俺の小さな手に赤いダイヤル部分が触れるようにくっ付ける。


「きゃっ!! アル様暴れないでくださいましっ!!!」

泣きわめく俺は、手を振り回し赤色のダイヤルから手が触れたり外れたりを繰り返す。


「すごいっ、カトリナがんばってっ!!! アル君の分身がいっぱい出てきたわっ!!」


見ると、赤ん坊のアルの手が赤いダイヤルに触れるごとに分身が出現し両手を掲げながらチャトラアーマーの盾が浮かび上がり超大規模魔法とカルマータとの間に立ちはだかる。


「アル君っ!!! 早く魔族・ピリカのアーティファクトをどうにかしてっ!!!」


その言葉に反応するように一人のアルスロットがこちらへと近づき、ニコッとカトラに微笑むと魔族・ピリカと赤子のアルスロットの間に浮かび上がる魔力炉へと手を伸ばす。


「あっ、慎重にっアル君っ!!!」


その言葉が終わる前には、三種の神の宝箱から生まれた分身のアルスロットはゆっくりと魔族・ピリカの魔力炉に刺さるアーティファクトをつまみ引き抜くと……薄れるように消たのだった。




「あぶうっ!!!」


「わっえっ、アル君やっと泣き止んだのね?」


アーティファクトを引き抜いた後にはやっと赤子の俺は泣き止み意識(・・)が自由に戻るとすぐにカトラお姉さまに伝える。


「あぶうっあっぶうっ!!」ぺちぺちと俺は自分の胸をたたき三種の神の宝箱を使うしぐさを伝える。


「ん~~……あっ分かったわっ!!! カトリナっ三種の神の宝箱よっアル君に触らせてあげてっきっとそうよっ!!!」


「あっはい……本当にこれですの?」

ただの可愛らしいしぐさに訳のわからないカトリナ様はしゃがみ込み俺の目の前に持ってきてくれた三種の神の宝箱を俺はそっと自分の意志で触れる……6万5000体の俺よ……神の盾となり絶対の防御を<イージス>……。


俺の意志で、どこにでも出現させることのできる分身は神の盾を模倣しすべての攻撃を防ぐ、そして三種の神の宝箱の分身のストックをすべて吐き出したあとには自分に<成長>をかけ何時もの8歳児へと戻ったのだった。






「きゃっ!!! アル様っすっぽっぽんですわっ!!! 早く服を着てくださいませっ!!!」


驚いたカトリナ様に突き飛ばされた俺は、急いで服だけを着てカーンを抜く。


「待たせたなっカーンっ!!! 魔の名を与えるその名は<マギア>」

銀色の神像のコアがカーンの刀身にぶつかると、チラチラと清楚な光を放つ銀色の魔刃が生まれ。


「すべての魔力を吸い尽くせ<マジックイーター>」カルマータさんが倒れる横まで移動すると俺は魔刃マギアの最大の能力を発動させ超大規模魔法の黒い重力の塊をすべて吸い尽くす。


「アル君っ!!!」

そして、俺は吸い尽くした魔力をカトラお姉さまが開くマジックドアへと解放をしたのだった。









「ふっ……よくこれを防ぎ切ったね、カルマータは……生きてるね」カーンの魔刃を差し込んだマジックドアの隙間から魔族・ラメルダが後方に倒れこむカルマータを見る。


「はい、カルマータさんとルーチェさんがいなければ俺たちは死んでいました」

横を見ると、魔力を使いすぎたのか少し苦しそうにルーチェさんが膝をつき目だけはこちらを向けている。


「ピリカは……アーティファクトを抜かれちまったか」


「ええ、何とか……ピリカさんはアリアちゃんの生き別れたお姉さんですこのままこちらで保護します」


「ははっ、魔族でなくなってしまったからね。返してもらってもピリカはもう足手まといでしかないから構わないよ……アルスロットまた会う時を楽しみにしてる」


魔刃を受け止めた手を緩めるとゆっくりと俺の目の前から下に落ちていき森の中へと消えてしまう。


「あっ魔力が大変ですよねカトラお姉さまマジックドアを閉めてください……」


「あっうん、そんなに遠くないから魔力は平気……」


ふう、どうにか切り抜けることが出来たか……安堵とマジックドアが閉められた後にはアリアちゃんからのカルマータお姉ちゃんをという声が破壊されつくした白い石畳が広がる白の広場に響くのだった。








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