第百一話 色々なあね
「わらわはもう寝るのじゃ~、アル~カーテンを閉めてくれなのじゃ~」
ヴァル様はポフンと俺と入れ替わりにベットに倒れ込むと、ちみっこバージョンに戻りながら深い眠りへと入っていったのだった。
「それで、これは何の騒ぎだったんだい?アリアは朝のお勤めは終わったのかい?」
ルーチェさんとカトリナ様は置いといて一番のまとめ役のカルマータさんが口を開く。
「カルマータお姉ちゃんっ大変なんですっ!!朝のお勤めの基礎魔法が超大規模魔法になっちゃってエルランダ教国の上を飛んでいた魔族の女の人を巻き込んじゃって……そしたら目の前に落ちてきて……」
「魔族が?エルランダ教国にかい?それで、魔族は倒したのかい?」
「あっ違うんです。目の前に落ちてきてこのままだと死んじゃうそうなので、カトラお姉ちゃんとアルお兄ちゃんに助けてもらおうと急いで虚栄のドアを使って戻ってきたんです」
「ああ、エルランダ教国の虚栄の門は南の衛星都市へとつながるアクセス門の横に設置したんだったね……」
「うん、虚栄の門が設置されている門までは遠かったから……」
「それで、魔族を助けてどうするんだい?回復したとたんに暴れ出したらエルランダ教国の中心だ、大変な事になるのは分かっているんだろうね?」
カルマータさんのその言葉にシーンと静まり返り、今度はアリアちゃんが目に涙をため下を向く。
「まあまあ、カルマータさん……魔族といっても殺さなければいけないと言うことは無いと思います。それに俺はカルマータさんのお母様を必ず助けると言いましたし、アリアちゃんが助けたいと言っているので俺はその魔族を助けてあげたいと思います」
「ふう……そうだったね、アリアの判断が正しいようだね。それに暴れたら私とルーチェが抑えればいい……」
「はいっ!!カルマータお姉ちゃんお願いしますっ!!」
「それじゃ、カトラお姉さまをすぐに呼びましょう。アリアちゃん、風の声で呼び出せるかな?」
「うんっ出来るよっ!!<かぜのこえ>」
アリアちゃんは全身から力を抜き手を胸の前で神に祈りを捧げるときのように合わせると、風が吹くような魔力がふわりと噴き出す。
「あれ?アリアちゃん?どうしたのこんなに朝早くから……」
「カトラお姉ちゃんっ良かった通じた。エルランダ教国に魔族が空から落ちてきたのカトラお姉ちゃんのユニーク魔法じゃないと治してあげれないから今すぐにパーティーハウスのアルお兄ちゃんのお部屋に来て欲しいんだ」
「んっ?魔族が……あっシエルハーナ母様、エルランダ教国に魔族が出たようなので行ってきます」
「んっ、そうなのかい?そうそう、気をつけて行って来てくれよ姉のカトラがいなくなったら孤児の兄弟姉妹全員が悲しむからね」
「□っ○っ×っ」
風の声からカトラお姉さまの反則的な魔法の一つのマジックドアの詠唱が聞こえてくる、□でドアを作り出し〇で魔力を込めると空間をこじ開けるドアノブが、そして×が一度行った事がある場所か心の底から思う人の場所を遠視、空間を繋げる座標をドアノブへと渡すのだった。
「みんなっおはようっ!!こんな朝早くから魔族が出るなんて……まったくもうっ!!迷惑な話だわっ!!!」
「カトラお姉ちゃんごめんなさい……グリナダスのオーチャコ神さまへの朝のお勤めの邪魔を」
「あっアリアちゃんいいのよっ!!そんな事より悪い魔族は?もしかしてエルランダ教国で暴れまくって大変な事になってるの?」
すでに、カトラお姉さまの頭の中では可愛い妹の様なアリアちゃんを脅かす悪い魔族が出たとなっているようだ。
「カトラ様、落ち着いてくださいまし……アリア様が詳しく説明できませんわ」
「うっ、カトリナ~ひどい……」
「あっあの、カトラお姉ちゃん。魔族がエルランダ教国のお空から落ちてきたの。朝のお勤めの教国民の基礎魔法が塵も積もって……その……超大規模殲滅魔法になっちゃって、あっヴァルお姉ちゃんは寝ちゃったか……朝のエルランダ教国は飛んじゃダメだよって教えておかないと大変な事になっちゃう」
「あ~えーと、アリアちゃんエルランダ教国は大丈夫なのかなっ?」
「うん、カトラお姉ちゃん大丈夫だよ。お空から落ちて地面に激突して死んじゃいそうで……それで、カトラお姉ちゃんには〇魔法で回復を」
「はあ~そうだったのか~。それじゃあ急いでいかないとその落ちてきた魔族が死んじゃうかもしれないんだよね?早速行きましょうっカルマータさんとルーチェさんがいれば魔族の1匹ぐらい抑えるのもわけないと思うしねっ!」
「まあ、そういう事だね……アルはそれでいいかい?」
「はい、エルランダ教国に空から落ちてきた魔族を助けに行きましょう」
「皆様、私は朝食のご用意をしてお待ちしておりますので。魔族の排除が終わりましたらお屋敷へとお戻りくださいませ」
一階に降りるとメリダさんは虚栄のドア、マジックドアを出す専用の部屋の前で待機しており俺達を送り出してくれたのだった。
「エへラン教皇陛下……お久しぶりでございます」
「おお、良かった。やはりアリアがこの虚栄のドアを開きアルスロット殿を連れて来てくれたのだな?」
「はいっ、教皇陛下。あっ私の代わりにこの魔族を見てくださっていたのですね?」
「ただ見ているだけだがね……教国民が間違って近寄らないようにすでに大聖堂を中心としたロータリーは通行を禁止した……が、魔族が暴れ出したら虚栄の都市へと避難をした方が良いのだろうか」
ちらりと、魔族を見ると……ははは、これは生きているんだろうかな?手足は変な方向へと折れ曲がって体中から流れ出た血が体を中心として円を描く様に白い石畳の上に広がっていた。
「アル、正直この魔族の脅威度は今の所分からない……エへラン教皇陛下には虚栄の都市への避難をしてもらおうか」
「んっ、・・・・」
「そうですわね、この魔族は今までアル様が倒してきた魔族より……弱そうですけど」
カトリナ様は、見た目は女性でしかも出血が激しく手足は変な方向へと向いている様に弱そうだと、しかしその声にピクリと魔族が震えたように見え。
「カトリナ様っまった!!この魔族、俺達の声が聞こえてる。エへラン教皇陛下ここは俺達に任せて虚栄の都市への避難を」
「アルスロット殿、後は頼んだぞ。アリア、アルスロット殿をお助けするのだぞ」
「はいっ、もちろんですっ!!」
アリアちゃんの返事を聞き終えエへラン教皇陛下が南の衛星都市へとつながるアクセス門へと向かうとロータリーを取り囲んでいたエルランダ教国の聖教徒騎士団の兵士たちもそれぞれ六つの衛星都市へと散ってゆく。
「アル、この魔族の事を動けないうちに調べておくれよ」
その言葉に、魔族はピクピクと震えるように動き先ほどよりも体が反応しているようだ。
「あっ、少し回復しちゃったのかなっアル君っピクピク動いてるっ!!」
「カトラ様が回復しなければ暴れるほど動けないでしょうけども……怖いですわね、こんな状態で反応できるなんて」
「ニュースサイト、この魔族の詳細を……」
俺は皆にも見ることが出来る公開設定でニュースサイトの情報を開示する。
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魔族・ピリカ
元は人族であり、体の病の進行を止める魔法薬を報酬にグースに裏の仕事で使役された被害者の一人で、生き別れたアリアの姉。
ラメルダ・ギガンテが与えた完熟したアーティファクトによる魔族化により病は完治している。
強靭な神の兵・魔族の力を有しているが能力は不明。
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「魔族が……私の本当のお姉ちゃん?」
その言葉に自然とみんなの視線がアリアちゃんへと向けられると、がくがくと震え出す。
「アル、これは合っているのかい?」
「そうですわね、いくら何でもアリア様の生き別れたお姉さまと言うのは……信じられませんわね」
俺のユニークスキルは……センワルス様の神のスキルだから間違いなんて……ないはずだが、不安そうにがくがく震えるアリアちゃんに絶対間違いは無いよとは言うことはできなかった。
「もしかしたら、無意識にこの魔族を姉だと分かっていたのかもしれないね……」
魔族を助けたいと、慌てて知らせてきたアリアにカルマータはそうニュースサイトの情報に納得をする。
「そうですわね……アリア様、必ずこの方をお助けしましょうね」
「うっうん、それに元に人族に戻せるのなら……本当のお姉ちゃんじゃなくても元に戻してあげたいです……」
「アリアちゃん、それだけじゃないわっ。カルマータさんのお母さんも魔族になっちゃってるしアル君には元に戻す方法を見つけてもらわないとねっ!!」
魔族化を元に戻すという言葉に一斉に俺へと視線が贈られるが……。
「カーン……アーティファクトで魔族化した者を元に戻すのは……ゾンガの時は無理だって言ってたけど?」
「ふむ、ゾンガは素養がなく魔力炉とアーティファクトがぐちゃぐちゃに混ざり合って二度と元に戻ることは不可能だったが……この者は素養があったようだな、魔力炉の中心でアーティファクトが光り輝いているのが見える」
「えっと、それじゃあ。魔力炉からアーティファクトを取り出せばこの人は元に戻ることができるのか?」
「まあ、そういうことだが……。この状態でアーティファクトを取り出した瞬間、人族に戻り死ぬだろうな」
「じゃあ回復させた状態で魔力炉からアーティファクトを取り出す必要があるんだね?仕方がない、カトラが回復させた後にアルに頑張ってもらうしかないね」
「んっ・・・・・・・」
皆の視線をまた受けた俺はカトラお姉さまに○魔法での回復をお願いしたのだった。
「それじゃあ、魔族……いえ、アリアちゃんのお姉ちゃんだね。ピリカちゃんを回復するねっ!!」
濃密な魔力で倒れている魔族のピリカを囲うように○魔法を発動させると、流れ出た血がカトラお姉さまの魔力に触れ綿毛のように浮き上がり流れ出た場所へと瞬時に戻ってゆくが。
アーティファクトを取り出すって……どこに在るか調べてない……。
「カーンっ!!アーティファクトの場所はっ!?」
「分らんな、我は感じ見るだけだ体のどこに在るかは分らん」
「ああっ、やっぱり肝心な場所はわからないのかよっニュースサイトも場所を教えないしっ」
「アンサーを渡す内容が悪いと思うがな……」
「んっ、魔力炉の中で光り輝いてるって言ってたな……」
「ああ、そう見えたが。場所はわからぬぞ?」
「俺はお母さまからお借りした魔力炉を返す時に……おでこをくっつけたんだ」
「フム、そうであるなら。この者にもおでこをくっつけてみるのだな場所がわかるかもしれんぞ?」
「おでこをくっ付けるのか……魔族で暴れるんだろうな……」
「それは、力づくでどうにかするしかあるまいな。力を見せれば大人しくなるかもしれんぞ?」
「はは……そうだといいけど」
もうカトラお姉さまの○魔法は魔族・ピリカの体を完全に治し切ってしまっていたが意外にゆっくりと目覚めるように起き上がったのだった。
「ん~~~気持ちよかった~。あっあなたかしら?ありがとうね~あっ私、ピリカちゃんで~す。ラメルダ様の部下をやってま~す」
起き上がり、回復をしたカトラお姉さまにお礼を言うと自己紹介を始めるピリカちゃんに俺たちは完全に固まってしまったのだった。
「ふふっ、ざ~んねん。もう動けないもんね~ピリカちゃんは魔族になったからとっても強いんだよ~。完全に油断しすぎ~」
なっなんで動けない……みんなを見るとその答えがすぐに目に入ってきた。
「青い……魔力の針か……細すぎて見えなかったのか」目を凝らしてどうにか見える青い魔力の針は細すぎて目でとらえることも、VR表示でも見落としてしまっていたのだった。
「わっ!!すごいすごい~正解~キミ~すごいねっ!起き上がった時に刺したんだよね~ふっふ~んすごいでしょ~これも、ラメルダ様がとっても奇麗な宝石のように輝くアーティファクトを私に授けてくれたおかげなんだよね~おかげで、病気も治っちゃったしっ!」
「ダメだね、動けないよ……」
「あっダメダメ~力でどうにかできなよーだ。わ~あなたすごく背が大きいし凄い美人でスタイルがいいわ~ピリカちゃんももう少しお胸が欲しかったな~」
動けないカルマータさんに話しかけながら近づくと……俺も触ったことがない美しい胸をぽよぽよと揺れるようにつつき出した……。あんなに柔らかいんだ……ぎゅっとされたことがあって柔らかいと分かっていたけど……。
「あ~アル君っ!!えっちっ!!子供の時からそんなに見てちゃだめよっ!!」
じっと見ていたのをカトラお姉さまに見つかり慌てて目をそらすが……。
「アル様もお年頃なんですわ……」
「そういえば、昨日からヴァルちゃんと朝いつもあんなことをやってるんだってアリアちゃんから聞いたわよっアル君っ!!」
「え~この子、アル君っていうんだ~かわいい~そっかそっか~もうそんなお年頃なんだね~でも~動けるのは私だけ~だから触れるのは私だけ~」
さらに、カルマータさんの美しい胸をぷにぷにして遊びだすと……あっカルマータさんの目が獲物を見つけた猛獣のような……とても鋭くなる。
「ぴっ……ピリカお姉ちゃん、あのっ聞いてください。ここにいるアルお兄ちゃんがピリカお姉ちゃんの魔族化を治すことが……元の人族に戻すことが出来るんです、だから……」
「あらっ妹ちゃんっ!!一つ聞いていいかな~?」
「はっはい……なんでしょう?ピリカお姉ちゃん」
「お名前はなんて言うのかな~?」
「アリアです……ピリカお姉ちゃん」
アリアちゃんから名前を聞くとぶつぶつと何事かつぶやき……。
「は~い、アリアちゃん~ピリカお姉ちゃんですよ~あなたは私の妹ちゃんだからいい子いい子~してあげる~」
突然、アリアちゃんの頭をいい子いい子しだす魔族・ピリカの姿にルーチェさんが言葉を掛ける。
「その子は私の妹……魔族になってしまったお前に姉を名乗る資格はない」
「うわっ!!何この子っと~ても可愛いっ!!!もうっもうっ頬っぺたスリスリくっ付けちゃうも~ん」
動けないルーチェさんにがばっと抱き着くとそのまま可愛らしい頬っぺたにスリスリとピリカ自身の頬っぺたをこれでもかとスリスリとし始めたのだった。
「ん~どうしようかな~ラメルダ様からはエルランダ教国を見て来いって言われただけだし……。それと、やりすぎるなって言われったんだっけ?」
コテッと首をかしげながらどうしようかな~と動けない俺たちの処遇を考え始めるとそのまま黙り込んでしまう。
魔族だけど……ちゃんと人格があって話はできるが……見てると特に可愛いルーチェさんに頬ずりを…………この人、可愛いに弱い?ラメルダさんからはやりすぎるなと指示を受けているなら……。俺は言葉をはっきりと話し始めたルーチェさんに目線を送る。
「あなた……やっぱり、かなり変……アリアの姉にはふさわしくない」
「んっ?、え~なんで~なんで~そんなこと言うの~?こんなにかわいいのに~」
「ふゆかい……わたしに……きやすく……」
「えっそんな~~ルーチェちゃんも妹にしたいな~」
「わたしはお前の妹ではない……触れるなっ!!!」
「わっきゃあっ!!なにっ?」
ルーチェさんの声が力強くなると……それに合わせて魔力が爆発するように一気にルーチェさんを包み込む……。
「わ~んなに~なんなのよ~、いきなり突き飛ばすなんてひどい~」
魔力の爆発で突き飛ばされたピリカが見上げる先にはバチバチと青い魔力が体中から噴き出る先祖返りをした本物の魔族のルーチェさんの姿に。
「きゃああああラメルダ様みたい……ぜんぜん可愛くないも~ん……ふ~んだいいですよ~だ。せっかく可愛い可愛いしてあげたのにっ!!!」
魔族・ピリカがひゅんと手を一振りすると目ではとらえにくい俺たちを縫い留めた針のような魔力がまた飛び出すが……。
「わたしには……それはむだ」
ルーチェさんの体に触れる前にピタリと一瞬とどまった後には、地面へと落ちパチパチとはじけ散ったのだった。
「うううっ、私の針……」
「……<<ギガンテ>>」
ルーチェさんの爆発的な魔力の余波で皆の体に刺さっていたピリカの魔力の針は砕け自由を取り戻したカルマータさんは……アーティファクトを飲み込んだ宝剣ギガンテを体の前にかざし赤く輝く魔力の繊維に体中を覆われる。
「わ~ん、なになに~?今度は筋肉お化け~ひ~ん」
バックステップで逃げながら見えない魔力針を飛ばし、すべてカルマータへと刺さるが……目に飛び込んできたのは真っ赤な獣のような鋭い目をした絶対的な強者であり。すべてを悟った瞬間には拳はみぞおちへと叩き込まれ意識は深い闇の中へと落ちていったのだった。
「はわわわわっルーチェお姉ちゃんと……カルマータお姉ちゃんが……」
姿まで変わってしまった二人の頼れる姉の姿に驚き。
「初めて見ましたけど……カルマータ様とルーチェ様のお力は強烈ですわね」
爆発するような力業に目を真ん丸に驚き。
「うっわっ!痛そうっ!!宝剣タイプのアーティファクトってすごいんだねっ!!」
ブラ~んとカルマータの拳に完全に体を預ける魔族・ピリカの姿に宝剣ギガンテの力に驚愕するのであった。
「アル……今のうちにピリカを人族に、アリアの姉に戻してあげて……」
「あっそうでした……」俺はいつもと違う先祖返りの魔族姿のルーチェさんの視線を受けつつカルマータさんの拳に抱き着くような形となって手足をブラ~んとさせて気を完全に失っている魔族・ピリカへと近づく。
「あっああっ!アル君っ!!さっきおでこをくっ付けるって……む~~~~~う~~~う~~~」
魔族・ピリカをカルマータさんの拳から降ろそうと少し触れたとたんカトラお姉さまと。
「アル様……気絶されている魔族とはいえ女性に承諾もなく触れてはいけませんわ」
「あっああ、アルお兄ちゃん一応は私のお姉ちゃんみたいだし私が……」
カトリナ様が口を出し俺の行動を止め。そして、宝剣ギガンテの力を解除していないカルマータさんの拳から俺の代わりにアリアちゃんがその場に仰向けにさせたのだった。
「ね~アル君……この子のアーティファクトを取り除くのに、おでこをくっ付けるんだよね?」
「あっはい……そうですね、俺がライラお母さまの魔力炉をお返しするときにおでこをくっ付けて……そのっお返しをしたので」
カトラお姉さまの問いかけに、答えるうちに俺の顔はみるみる熱を帯び。
「アル様、お顔が真っ赤ですわ……やはり、お年頃ですものね」
「アル……スケベ」
ルーチェさんの言葉にもう俺はその場で何もできずに固まり、変な汗が額や首から滝のように噴き出していた。
「はあっ、そうだねアル……年齢をコントロールできるかい?オリアでは赤ん坊になったとライラ殿から聞いているんだがね」
そう、俺は三種の神の宝箱の3つの能力の中の一つを使うときに成長した年齢を捧げることで若返ることに成功していた。
「アル君いいな~永遠に若くいられるってことだもんね~」
「世の中の女性がこのことを知ったら……アル様の日常はなくなりますわね」
「はわわっ!」
アリアちゃんはカトリナ様の世の中の女性に追いかけられる俺を想像したのか手を胸の前で組んではわわっと天を仰ぎ始める。
「うん、仕方がない……アルは赤ちゃん……それなら許す」
「あっそれいいっ!!さすがルーチェさんっ!!!」
「そうですわね、ルーチェ様の言うとおりにアル様には赤ん坊になっていただいて……それならいいですわ」
「ふふっ、そういうことだがアルっ出来るかい?」
アリアちゃんは相変わらず、はわわっと祈りながら。みんなから出来るよねと?じっと鋭い目でにらまれる。
「えっでも……赤ん坊になるには、えーと8歳だと……8歳の俺が6561体出てきてしまうんですが……」
「アル、それはすぐに消えるんだね?」
「あっ、オリアの時にはライジングスラッシュをすべての敵に放つと消えましたが……」
「アルが……たくさん……だいじょうぶ」
俺がたくさんと聞いてルーチェさんは成長した大人の女性の美しい目を俺に向けるが。
「アル君がいっぱいでちゃんだ~……オリアの時みたいに攻撃を完了しないと消えないってことだと問題があるかも」
「そうですわね……その辺に攻撃をして破壊をするわけにもいきませんし……」
「うっ、アルお兄ちゃんが力を解放するまで6561体もここに……」
「それにオリアの時のように一気に力を解放するわけにもいかないね……スキル技や魔法を放つのが消える条件だとしたら……大変なことになるねえ」
ここはエルランダ教国の大聖堂のローターリーも兼ねた白い石畳がひかれた広大な広場でありエヘラン教皇陛下やアリアちゃんは毎朝ここから衛星都市を含めた教国中に魔声を轟かせ全ての教国民へと基礎魔法の母としてのお勤めをしているところでもある。
「この白い石畳は壊したら簡単に直せそうにないね……」
「主よ、何を迷っておるのだ?主は普通ではないのだぞ?神の宝箱をニュースサイトで鑑定してみるのだな」
「そう、都合よく年齢を捧げるだけなんて新しい機能が備わってるとは思えないけど……」そう思いつつ、ニュースサイトのアンサーに三種の神の宝箱の鑑定を渡す。
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三種の神の宝箱
レベル4
捧げた年齢をレベル日分、ストックすることが出来る。
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はは……また、めちゃくちゃな……三種の神の宝箱のレベルも4に上がっているから、レベル乗の捧げた年齢で4の8乗は……65536体。その数の俺が三種の神の宝箱のレベル日分の4日間ストックされいつでも出すことが可能というわけか……。
俺はそれを確認すると意を決して、胸のレッドダイヤモンドに触れ年齢を捧げたのだった。




