<チョコ・コロネット編> プロローグ
久しぶり、本当に久しぶりに書くことになったライトノベル。
お目汚しだと思いますが、お付き合い下されば幸いでございます。
短めなプロローグに成りましたが後悔はしていません。
「ファイヤーアロー!」
およそ三百メートル先の的であるウッドゴーレムに炎の矢が刺さり炎上する。
ここは、レスタンブール魔法魔術学院に隣接する屋外演習場で、主に遠距離魔法の演習に使用されている。まぁ、いわば屋外射撃場を想像してみれば大方当たっているだろう。
そんな場所に本日は二十歳前後位の白を基調としたローブを纏っている男女の二人と、胸元に大きな紫色のリボンが特徴の茶色いワンピースを着た十人の少女達。
ワンピースの裾に星のボタン等がついており実にポップでキュートだ。
今しがた攻撃魔法を放ったのは、白のローブを纏った女性である。
「通常のファイヤーアローの射程距離は、良いところ百メール位が精々だ。それ以上の距離だと例え届いたとしても、的に当てるのは難しい。」
肩まであるシルクの様な光沢と鮮明な赤を併せ持った上質な髪をなびかせ、少女達に振り向いた顔はドヤ顔。得意満面だ。
「だが、今見てもらった様に工夫とやり方次第で不可能ではない。それが、今回の講習の要点だ。では、その工夫とやり方の説明だが・・・」
滑々と説明をする女性を見つめる少女達の三種類の視線。
五人は、女性の説明を理解しようとする真剣な眼差し。
四人は、如何にも憧れのお姉さまを見る眼差し。
そして、残りの一人の少女の眼差しは、あまり興味の無さそうな感じであった。
最後の視線を送っていた少女は、半ば落ちそうな目蓋を懸命に我慢しながら自分の右隣にいる少女の方をちらっと見てため息を一つする。一瞬、何かを諦めたような表情になったが直ちに直し、今だ魔術理論を熱弁している女性の方へ視線を戻しため息をもう一つ。
再び睡魔との戦いに覚悟した少女の頭の上にある黒い猫耳は、徐々にうなだれていくのであった。
あ、更新速度は遅いです。何せ、本業が忙しくて気分転換に趣味で始めましたので(汗