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第9話

 予想外だ、ステータスが凄くて驚かれるとは思ったがまさか息子か疑われるとは考えていなかった。


 父さんが胸ぐらを掴み僕を持ち上げ、


「だから!お前は何者なんだ!」


 そこで神父さんがやっと我に帰り、


「落ち着いてください、そうだ!素数を数えるのです。そうすれば落ち着くはず。ほら、2、3、5、7、11…」


「あんた黙っててくれ!」


 あんたはプッ○神父か、しかしわからない。ステータスがすごいくらいで普通そこまで疑うか?


「何でそんなことを聞くの?僕はママとお父さんの子供だよ。」


 すると母さんがおもむろに立ち上がり、


「友達がいなかったのが辛かったんだよね?そうだよね?」


「そんなことで『不動の精神』が手に入らないことくらいわかっているだろう?」


 今なんて言った?


「父さん『不動の精神』がどうかしたの?」


「称号『不動の精神』の獲得条件は知っているだろ?」


「たしか、狂ってしまいかねない精神的ダメージを耐えぬいたら手に入るんだよね。」


「そうだ、その膨大な精神的ダメージを普通の子供が耐えられるはずがないし、お前にそんな思いをさせた記憶もない。教えてくれ、お前何者なんだ?」


「実は、僕、この世界に生まれる前は女神様のお手伝いをしていたんだ。」


 これ以上、黙っているわけにもいかなそうなので、僕は前世を抜いた女神様の手伝いで何百人の死を見て転生させてきたこと、その報酬にスキルや称号をもらったことを話した。


「じゃあその何百人の死を見たからその称号が手に入ったのか?」


「たぶん、そうだと思う。」


 僕が自信なさげに言うと、母さんが僕を抱きしめ、泣きながら言った。


「良かった。ケイトは天使だったんだ。」


「そうだけど今は違うよママ。僕はケイト・パルティナ。ママとお父さんの子供だよ。」


 なんとか、パルティナ家崩壊の危機をまぬがれたようだ。




 僕たちが教会から出るときにはもう夕暮れだった、メストたちと帰ろうと思っていたのに色々なことがあって時間がかかってしまった。

 僕が疑われたのにも時間がかかったがそれ以上にチップさんの女神様についての話で時間がかかってしまった。


「ケイト君が仕えていた女神ヘレンですが、そのような女神は神話に出て来ないのです。」


「えっ!じゃあ…」


「いえ、女神ヘレンは神話には出てきませんが、私は一度だけその名を見たことがあります。」


「それは?」


「勇者アキトの自伝です。」


 勇者アキトとは、


 その昔、この世界にまだ魔王がいた時代に唯一魔王に対抗できた青年アキトが仲間たちと共に魔王を倒す立ち上がった!


 的な冒頭の子供のためのお話に出てくる主人公の名前だ。


「その自伝には、勇者アキトはもともとはこの世界の人間ではなく、別の世界から女神様の力によってこの世界に転移した、と言うことが書いてありその女神様の名前がヘレンなのです。」


 やっぱりアキトって転移者だったんだ。名前からしてそうだと思ってたけど。


「ですからおそらく、ケイト君は本当に天使の生まれ変わりなんだと思われます!」


 チップさんが興奮して言い、母さんが目をキラキラさせそれを聞いていたせいで時間がかかってしまったのだ。





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