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第73話

 

 こいつと言うのはイヴのことだろう、と言うかそれ以外考えられないのだが。それと何となくデジャブな感じがしなくもないな。


 説明をすると、一応イヴのことは何度も殺そうとしたんだけど『神書』の能力の所為ですぐに復活して止めを刺すことはできなかった、そこで天才ケイトこと俺はあることを思い付いた。

 元々彼女は俺の歩んできた人生を聞き出すために俺を監禁したはずだ、ならば俺の持つ全ての記憶を彼女に見せればいいのではないか?

 思い立ったが吉日(吉日と言うより吉秒って感じだけど)俺は『記憶操作』でそれが可能なことを地面に伏しているイヴに告げると、


「なんだ、そんなことができるなら早くしてくださいよ」


 イヴはにこやかに微笑み立ち上がりながら答えている、爆発の際の痛みとかってないのだろうか?

 正直今までの記憶をイヴに全て見せるのにはだいぶ抵抗があるがこのままだと俺の魔力切れで負けてしまう、背に腹は代えられない。

 なので俺はこちらの世界の記憶だけでなく前世の記憶まで全てをイヴに共有した。

 これで一件落着、と思ったら、


「たしかに過去のあなたを知ることはできましたが、私はこれからのあなたのことも知りたいのです」


 とか言い出してまた爆発だなんだかんだあって、結局俺がイヴのことを『時空魔術師』で創った亜空間の中に放り込んむことになりました、めでたしめでたし……。


「全然めでたくないよ」


 ですよねー、でもこれ以外に方法もないしどうしようもなかったんですよエミリーさん。


「つまりこれから先、ケイトがお風呂に入ってたりトイレに入ってたりしているところが全てこいつに見られるんでしょ、私だって月に一回しかケイトとお風呂に入れないのにこいつは毎日毎日、赦せん」


 エミリーの髪の先が逆立ち背後から禍々しいオーラが揺れ上がる。

 不味いなぁ、イヴの監禁を免れたと思ったら今度はエミリーにみじん切りされそうだ。


「あの、痴話喧嘩の邪魔をして悪いのですが、私が出てきた理由を聞いてほしいです、放置プレイとは何とも寂しいものですからね」


 イヴがひっそりと手を挙げて言う。

 放置プレイ、本当に久々に聞いたなそれ。


「ああ、すまない、それで何で出てきたんだ?」


 怒り狂う一歩手前のエミリーを放置するのは危険だがもしかしたら話題と共にエミリーの機嫌も変わるかもしれない。

 俺の問いかけにイヴは手に持つ『神書』を顔の高さまであげて柔らかく微笑み、


『神書』(これ)を使えば図書館も直ぐに具現化が可能ですよ」


 そしてイヴは『神書』を開き「ディア国立魔法学園図書館」と呟くと『神書』から図書館が出てきた、イメージ敵にはドラ○もんがポケットの中から絶対ポケットの口破けるだろって思うほどデカい物を出してる感じだ。

 ほんと『神書』って便利だよな、金貨って言えばいくらでも金貨を作れるわけだし億万長者も夢じゃないな、俺もだけど。


「おお!ありがとうイヴ、これでもう生徒会長に引き止められる理由はありませんよね、いやぁ今日はもう色々ありすぎて凄く疲れましたよ、という訳で皆さんおやすみない、あとミヤビは悪いんだけど今日は町の宿に泊まってくれ俺の部屋にはミヤビと会ってはいけない人種がいるからね、それじゃあまた明日!!」


 俺は『何もなき空間』(ネームレスルーム)にイヴを転移させ脱兎のごとくその場から駆け出した、しかし、


「あらあらいけませんわパルティナ君、もう夜は遅いのですからあなたのような幼い男の子が一人で外を歩くのはとても危ないですわ、生徒会長である私が責任を持ってエミリーさんと一緒に寮まで送って差し上げますわ」


 本気で走り出した俺に即座に追いつき肩を掴み笑顔で俺の動きを封じて見せた生徒会長、なんなんだよイヴと言い生徒会長と言いこの学園化物が多すぎだろ!


「そうだよケイト一人で歩くのは危険だよ、それに私ケイトと今日あったことをお話ししたいなぁ」


「ケイト様、私はケイトに仕える忠実な執事、本来ならば主と共に行動をし身の回りのお世話をするのが至高の喜びですが主の命とあらば仕方がありません、本日は町の宿で一晩明かすことに致します」


「ミヤビ待て!俺を一人にするな!ああもう、ダレカタスケテェ!」


 ハンターの様に走るミヤビの背に投げ掛けた叫びは深い闇夜に溶けて消え去った。



 ◇◇◇



「クソ、何故俺がこんな目に」


 寮に到着した俺は部屋の鍵を持っていないかとに気がつきまた合鍵を創り中へ入る。

 そのまま風呂にも入らずにベッドにダーイブ。

 ああ、むちゃくちゃ疲れた、もうイヴとの戦い以上にエミリーを宥める方が何倍も大変だった。しかしそこは俺の類い稀なるナゴシエーターとしての才能により何とかなったが後でどんなことを言われるかは想像したくもない。


 そんな心身ともに疲れ果てた俺を差し置いてグースカ眠っている隣人に軽い殺意を抱きながら俺は気絶するように深い眠りについた。





遅くなってしまってすいません、この頃本当に時間がなくて…。

それといつの間にか目標にしていたブックマーク件数500も達成していました!本当にありがとうございます。

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