第7話
この世界では、5歳になると家族で教会へ行き、教会にあるステータスを見ることができる魔道具で子供のステータスを家族に見せるという習わしがある。
なぜ自分でステータスが見れるのに、わざわざ教会まで行き、ステータスを調べるのかというと、その昔、人類がまだ自らステータスを見ることができなかった時代があり、5歳になると教会まで行きそこで初めて自分のステータスをみる、という文化がありそれが受け継がれているからだろう。
これは僕の考えだが、まだ小さな子供にステータスを詳しく説明させるというのは酷であるからだと思う。
そして我が家も今日、そのファンタジーカルチャーに則り、僕のステータスを見に行く。
「私とあなたの子供だもの、きっと良いに決まってるわ♪」
僕の左手と手を繋いでいる母さんが上機嫌に言うと、
「確かにな、だが過度の期待に期待しすぎるとこの子のプレッシャーになるかもしれないからほどほどにな。」
僕の右手と手を繋いでいる父さんが微笑みながらそう言った。
「期待してくれても良いよ!多分悪くないと思うから。」
悪いどころかすごいけどね!
「そういえば、ケイトは友達がいるのか?」
わぁお!それを聞いちゃうかい父さん。僕が最も親に聞かれたくない質問ナンバー1のことを。
「えーと、いなくは、ないかな?」
あれ?ママンが目に涙を浮かべているぞ、誰だママンを泣かしたのは、僕がとっちめてやる!…僕ですねごめんなさい。
でも近所のルーズって犬と友達だもん!種族なんて関係ない、心が繋がれば友達なんだ!
いや、待てよ友達って複数形だよな、つまり僕には友達1人(匹?)しかいないから僕には友達がいなかった!
「ママがお友達作るの手伝おうか?」
だからママン!そんな目で僕を見ないで!そしてそんなこと聞かないで!
「大丈夫だよママ、僕は外であんまり遊ばないから友達がいないだけで、これからちゃんと友達作るから。」
あーー!言ってしまった。前世ですらほとんど友達がいなかったシャイで内気なチャリーボーイなぼくが。
いや、ここは異世界、新な人生なんだ!心機一転をして積極的に友達作りをしてみよう!
そう思いながら教会付近まで行くと、僕らと同じように教会へ向かっている家族を見つけた。家族構成は両親と兄妹であろう二人が歩いていた。
ふっふっふっ。あの2人には僕の初めての友達になってもらおう。
さりげなくその家族の方に両親を移動させ。
「こんにちは。あなた方も教会へいくのですか?」
父さんが話しかけると
「はい。と言うとあなた方も行くのですか?」
「ええ、家の息子が今年で5歳になにましたので。」
「家もですよ。ほら、挨拶しなさい。」
それに促されて兄妹が、
「「こんにちは」」
「どうもこんにちは、ケイトもしなさい。」
「こんにちは!」
そのままの流れで一緒に教会へ向かい、大人グループと子供グループに分かれることができた。まさに、計画通り!