第61話
遅くなってすいません。
アイマスを見てたら書くの忘れてました。
それから程なくして新入生も全員揃い入学式が始まった。
式はまず司会が新入生全員の名前を呼ぶ出欠確認?から始まった。
途中で将吾の元ハーレム要員だったララやミーニャの名前は出たがクリスと言う名前は出てこなかった。
『次は学園長のお話です』
司会が言うとステージ脇から角や尻尾の生えたマッチョなおじさんとまでは行かなくともけっして若くない男性がが出てきた、仙人みたいな人か美人の年増が出てくると思ったのだがな。
ステージの中央まできた学園長はマイクと同じ機能の魔道具を片手に持ち、
『ん、ああ学園長のガンツだ、よろしく』
学園長はそれだけ言うとステージ脇に逃げるように戻ろうとしたが、他の男性教師たちに引き留められしぶしぶステージの中央に戻った。
『ああだりーな、とりあえずさっき名乗った通り学園長のガンツだ、前置きだなんだかんだは面倒だから飛ばして、当校の教育方針は『絶対的な実力主義』強者こそが絶対だ、つまり何が言いたいかと言うと、当校では強者が弱者を見下すこともイジメも看過している』
『絶対的な実力主義』イジメの看過か、平等を謳う前世では絶対に聞くことのなかった事だな、うんロックだね。
『イジメられるのが嫌なら相手を殴り飛ばせ、相手はたくさんの仲間を引き連れて卑怯?複数の相手を殴り飛ばせるだけ強くなればいいだけだろう。当校では仲間と助け合って強くなるのも、ライバルと競い合って強くなるのもいい、殺したい相手がいて殺意と憎悪で力を鍛えてもらっても構わない、我々教師が強くなる手助けをしよう、直接手は出さないが殺したい相手がいるならそいつを殺す作戦を考えるのを手伝ってやろう。当校の求める生徒は友情でも対抗心でも殺意でもなんでもいいがとにかく力に貪欲な生徒だ』
イジメどころか殺しすら看過するって、この学校すげぇ殺伐としてんじゃなねぇの。
学園長は今度こそといった感じで足早にステージ脇に逃げて行った。
『続きまして新入生代表挨拶、新入生代表ケイト・パルティナ君』
「はい」
俺は立ち上がりステージ中央の階段からステージに上る。
あらかじめ設置されていたマイクの前に立ち一礼、
『夏の日差しが照りつけ始め、春の終わりを感じる今日、私たちはこのディア国立魔法学園に新一年生として入学しました。
正直私も学園長と同じく前置きは苦手なので前置きはここまでにして、この場では私の目標について話させていただきます。
私の最終的な目標は私の最愛の婚約者にして次期『魔王』のエミリーの剣となり盾となることです。エミリーの行く道を遮るものを斬り倒し、エミリーに害するものを我が身を盾にしてエミリーの白く玉のように美しい柔肌にこれ以上の傷はつけさせない、そういった存在になることが私の最終的な目標です。残念ながら今の私ではまだその域には達しておりません。なので卒業までの6年間で教師を含めて学園最強になりたいと思います。
さてでは最後に話を聞いてくださっている男子生徒及び男性職員の皆さまに伝えておきたいことがあります』
俺は一旦そこで区切って軽く息を吸う。
『エミリーに手を出してみろ、ただじゃすまさないからな?』
『覇王』を使わずに純粋な殺気だけで威圧してみたのが思いの外効果があったようでエミリーのことを見ていた男子生徒及び男性職員たちが一斉に前を向いた。
俺は一礼して元の席に戻る。
エミリーもTPOを弁えているのか顔を紅く染めているが抱きついたりはしてこなかった。
『続きまして生徒代表、生徒会長リーリス・クライシスさん』
「はい」
へぇー、さっきのクライシス先輩って生徒会長だったんだ。
クライシス先輩もとい生徒会長さんもステージに上がりマイクの前で一礼、
『先のお二方も前置きを省きましたので私も前略とさせていただきます。
本来ならばディア国立魔法学園の生徒としての心構えなどを話す予定でしたが学園長先生に話されてしまいましたので、私は『序列制度』と『生徒会執行部』についてお話させていただきます。
まず『序列制度』とは、当校の掲げる教育方針の『絶対的な実力主義』に乗っ取り生徒の実力をランキング化したものです、具体的には1位から100位までの序列がありそれ以下は序列外となります、序列の変動は上位20位までは月に一度の序列戦で序列下位の者が上位の者に勝つとその相手と序列を入れ替え、20位未満の場合は放課後や休日などいつでも相手の了承を得れば可能な決闘で先程と同じように入れ替え制になります。もちろん上位者には特典があり、上位10名の生徒は他の寮とは違う特別な寮に一人部屋で住むことができ、上位5名ともなれば授業免除として出たい授業にだけ出ると言う横暴とも言えることが可能になります。
次に我々が所属する『生徒会執行部』についてお話いたします。生徒会執行部は序列の上位5名によって構成されており、序列1位は生徒会長、序列2位3位は副会長、序列4位は会計、序列5位は書記になっていただいています、そして生徒会の仕事は各種行事の準備、司会進行役、各部の予算立案と決算、校則違反者の取り締まり、役立たずの教師の始末等々です』
ふーん、異世界の生徒会も前世と大して変わらないんだなぁ、と思ったら役立たずの教師の始末ってなんだよ。
『同じ学園に通う生徒同士、切磋琢磨しあい更なる力を求めて行きましょう』
生徒会長さんは最後に一礼をしてステージから降りた。
『以上で入学式を終わりにいたします。新入生の皆さんから退場し受付前に貼り出されたクラス表を見て各自教室へ移動してください』
俺とエミリーは指示に従い歩いて受付前まで向かった。
クラスは全部でAからGまであり、Aクラスだけ20人であとのクラスはそれぞれ30人ずつ割り振られている。
俺やエミリーはAクラスで将吾の元ハーレム要員だったララやミーニャそれとユリエもAクラスなのを見ると恐らく成績順にクラスは分けられているのだろう。
俺たちは見取り図と周囲の人を頼りに1年A組の教室に移動する、もうすでにほとんどの生徒が席に座っていた。
席順は教室の前の黒板のようなものに書かれてあった。
「なにこれ?」
エミリーのその一言には言葉では表しがたい怒りがにじみ出ている。
その席順だとエミリーは最前列の教卓の真ん前なのに対し俺は黒板から見て左側の後ろの席、そしてなんの嫌がらせか俺の隣と前と斜め前の席が将吾の元ハーレム要員三人組略してしもはよ三姉妹の席になる。
だがまあ、ここは集団行動を学ぶところでもあるのだから多少は我慢するべきだろう。
「エミリー、ここは学園で多くの人と共に生活をする場なんだ、自分の思い通りにならないこともあるんだよ」
「そんなぁ私昨日のことがあってやっぱり私はケイトから離れられないって再確認したばかりなんだよ、それなのに…」
「おら、早く席につけ、ホームルーム始めるぞ」
「ほら先生が来たよ、後でなんでも言うこと聞くから今はこの席について」
俺はエミリーのことを無理矢理座らせ自分も自分の席に座った。
「大変そうですね」
「うんうん、振り回されてるって感じだね!」
「でもそこまで自分のことを慕ってくれる人っていいですよね」
隣、前、斜め前の順番で俺に話しかけて来た。
読んでいただきありがとうございました。




