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第45話

「それでおばあちゃん、俺には何を教えてくれるの?」


 充血した目で出来るだけ爽やかに言った(まだ少し鼻声だけど)。


「うむ、やっとお主の話ができるな。まったく、立ち直り悪すぎじゃぞ、30分もエミリーに引っ付いて泣きおって。」


 はー、あれは完全に俺初めての黒歴史だ、だいたい一人で風呂に入ったりするのはエミリーの罰にもなるって言ってたんだから嫌ってるわけないじゃないか。

 そこを勘違いして戻すは泣くはでもう情けないのにそのうえそれが冗談だとわかったら安心してまた泣くいて挙句の果てにはエミリーにたっぷり30分間引っ付いていた。

 ちなみにエミリーは、「えへへへ、ケイトは甘えん坊さんだなー、お姉ちゃんがいないとダメなんだから」と顔を赤くしてトリップしてしまっている。それと汚物は俺が責任を持って片付けた。


「それより早く教えてよ。」


「わかった、じゃあまずはエミリーに『覇王』の威圧をするのじゃ。」


「無理だよ」


 何言ってんのこいつという目でおばあちゃんを見る俺。いやマジで何言っての。


「いいからなるのじゃ、もしさっきと同じようなことになったらわしのせいだとはっきり言うから。」


「えー、でもー。」


「あーもう!さっさとせんと話が進まんじゃろ!」


 おばあちゃんに叱られて仕方なくやった、もちろん出来るだけ弱めに。

 だがエミリーに反応はない、いくら弱くしても多少の反応はあると思ったんだけど、


「ケイト、それをじょじょに強くするのじゃ。」


 俺は言われた通り少しずつ強くしていった、しかしいつまでたってもエミリーは体をくねくねさせているだけで怯えたりする素振りがない。


「これってどういうこと?」


「エミリーも王級の称号を持っとるからじゃ。」


「王級って?」


「称号にはランクがあっての、上から神級、帝級、王級とそれ以外じゃ、先の三つの称号にはそれぞれ『神』『帝』『王』の文字が含まれておる、たとえば『魔王』や『魔導王』『覇王』なんかは王級、『強奪帝』や『剣帝』などは帝級、『神眼の持ち主』は神級じゃ。」


「それでどうしてエミリーに『覇王』が聞かなかったの?」


「うむ、神級、帝級、王級の称号の持ち主は自分の称号以下の称号の力を無効化させることができるのじゃ、だから『魔王』の称号を持つエミリーには同じ王級の『覇王』の力が効かなかったのじゃ。それをふまえてわしのことを鑑定するのじゃ。」


 俺は『神眼』でおばあちゃんのことを見るも三年前と同じくステータスを見ることができなかった。


「レベルが500に達してかなり高くなったと思ったんだけどまだレベル差がありすぎてステータスを見ることはできないみたい。」


「何をひねくれたことを言っとるんじゃ。」


 そしておばあちゃんはテーブルの上にある水晶に手を置いた、


 ステータス

 名前 リン・エアリー/???歳/LV999

 種族 エルフ

 体力 3600000000/3600000000

 魔力 6800000000/6800000000

 攻撃 510000000

 防御 490000000

 素早さ57000000


  スキル

 掃除 LV MAX

 剣術 LV MAX

 見切り LV MAX

 直感 LV MAX

 棒術 LV MAX

 鷹の目 LV MAX

 暗視 LV MAX


  魔法

 火属性 LV MAX

 水属性 LV MAX

 土属性 LV MAX

 闇属性 LV MAX

 光属性 LV MAX

 空間属性 LV MAX

 無属性 LVMAX


  称号

 魔導王

 達成者

 神命の持ち主

 行流魔術師

 不動の精神

 大賢者

 勇者の妻

 調理場の女帝


 やはりステータスが見えないのはおばあちゃんも神級の称号を持っているからか、それより、


「おばあちゃん、年齢が???歳になってるけどどうして?」


「『神命の持ち主』のせいじゃ、これは『自己再生』を進化させ、さらに覚醒させた物じゃ。効果はわかりやすく言うとわしの体は決して傷付かないのじゃ。」


「傷が付かない?」


「そうじゃ、試しにケイトよ、ナイフを一本創っておくれ。」


 俺はただの鉄のナイフを創りおばあちゃんに渡すとなんの躊躇いもなくそれを腕に刺した。


「ちょっとおばあちゃん!何やってんの!?」


「黙って見ておれ。」


 おばあちゃんは腕に刺さったナイフを手前に引いた、本来なら肉が切れおびただしい量の血が吹き出すはずなのに血は一切でず、それどころか腕は切れておらず傷跡すらない。

 俺はおばあちゃんの腕をとりさっきまでナイフの刺さっていたところを触るとすべすべでひんやりとしていて傷そのものが無くなっているかのようだった。


「『神命』の効果でわしは、刺しても切っても絞めても潰しても燃やしても毒を飲んでも海に沈んでも死ぬことはおろか傷つくことすらできないのじゃ。」


 決して傷付かないとはそういうことだったのか。


「そしてわしがこのような幼い姿をしているのも『神命』のせいなのじゃが、あまり詳しく話したくないからざっくり説明すると、『神命』の回復は傷を無かったことにすること、つまり傷つく以前の細胞に強制的に戻すことによってこの驚異的な回復力は成り立っているのじゃ。この『傷つく以前の細胞に強制的に戻す』とは一種の若返り。それに加えて『神命』のせいで年をとることもできないからこんな容姿をしておるのじゃ。」


 おばあちゃんはどこか寂しそうな表情を浮かべている。

 俺の『時空魔術師』の力でどうにかできるかもと考えたが恐らく無理だろう、『神命』のせいで年を取らない体の時間をどれだけ早めたって決して変わらない。


「それでどうして???歳なの?」


「わしの体の年齢はだいたい10歳、しかし精神はもう何千歳になっておる、その体と精神のズレのせいでステータスがおかしくなっているのじゃろうな。」


 おばあちゃんの容姿をどうにかしたいと思う、しかしどうしようもないだから俺はそれをどうにかしようと考えるのをやめた、思いやりがないと言われるかもしれないが何千年と悩み続けているのに、解決方法を見つけることができてないと言うことはそれはもうどうしようもないことだ、俺はおばあちゃんの話を聞いてどんなに強い力でも必ず弱点があると言うことを学んだ、おばあちゃんもそれを伝えたかっただけだろう。


「レベルが999なのはそれがMAXだから?」


「そうじゃよ。」


「エアリーは『狂愛の女神』を持ってるのになんで『神眼』で見ることができたの?」


「すまぬがわからん、神級の称号は『神○の持ち主』って形でしかみたことがなかったからの。」


 俺はそのあともいくつか質問をして話は終わった。

読んでいただきありがとうございました。

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