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第34話

 俺は記憶のうちでは2回目の死を体験した。そして今俺は以前と同じようになにもない真っ白な空間にいる。

 ただ以前と違うとしたら、前は一人で神様のお手伝いの方法を記憶に流し込まれたが今は流し込まれずにさらに目の前に一人の男が立っている。

 以前の女神、ヘレン様は体に最低限の布だけだったけどこの男は短パンにアロハシャツと言うふざけた格好をしている。


「やぁケイト君、初めましてだね。僕の名前はミカサ、大日本帝国海軍の戦艦、敷島型戦艦四番艦の三笠と同じ名前だ。」


 なんだこいつ、提督か?


「どうも、ヘレン様はどうしたんですか?」


「あー、姉さんは地球からこっちの世界に来る人を担当していて、僕はこっちの世界から地球に行く人を担当しているんだよ。」


 なるほど、つまり僕はこれから地球に転生するのか。


「いいや、違うよ。きみにはまたお手伝いをしてもらいたいんだ。」


何でまた僕なんですか?他にも死者はたくさんいるでしょう。


「うん、確かにそうだけどさ、君は特別なんだよ。」


 特別?経験者だからか?


「正解。あとは君が『不動の精神』を持っているってこともあるけどね。『不動の精神』を持たない普通の人がやると精神が壊れてしまうからね。そうなられると色々と仕事が増えるか君は実にべん、使い勝手がいいんだよ。」


 おいおい、言い直してさらに悪くなってるぞ


「僕が心を読めるからって喋らないのはよそうよ。」


 う、確かに失礼だったな、アロハシャツなんて着てるから神様感が薄いから調子に乗っていた。


「すみませんミカサ様、それでは以前と同じように転生のお手伝いをすればいいのですね?」


「そう言うこと、じゃあ僕は別件をこなさないといけないから一応やり方は頭に流し込んとくね。」


 するとどうすればいいのか記憶にやり方が流れ込んできた。


「理解しました。」


「そうか、じゃあよろしくね。」


 ミカサ様が消え俺は一人転生者が来るのを待つ間考え事にふけっていた。

 これが終わったら地球に転生か、魔法がなければ魔物もいないものすごく平和な世界だ。

 はぁ、守り続けるって言ったんなだけどな。

 結局守ることは出来たけどそれも少しの間だけ、あのあとすぐに殺されてしまうだろう。

 悔しい、こっちの世界で自分が無力だと感じたのは初めてだ、だが、もう遅い、死んでしまってはもうどうすることもできないのだから。

 だから俺は素直にこの死を受け止めて次の生ではこんな思いをしないように生きなくてはならない。


 そして以前のような誰かが死ぬ映像を見て俺の長い神様のお手伝いが始まった。




 どれくらいの時間が経過したのだろう、どれくらいの人の転生を手伝ったのだろう。まあそんなことあとでミカサ様に聞けばすむ話だ。

 そして次の転生者を待っているとミカサ様が現れた。


「いやー、助かったよケイト君。それになかなかの数をこなしてくれたみたいだからね、これはバイト代も弾まないとね。」


「はは、それじゃあ今度は僕が転生をする番ですね。」


 するとミカサ様はん?と首を傾げた。


「別に君は転生しないよ。」


「え、でもお、僕は死にましたよね?」


 別に敬語じゃなくていいよそれに様も、と手を振るミカサは、


「君が死ぬ直前にこっちに来てもらったからねギリギリ死んでないんだよ。だから生き返らせるのも一応可能だ、まあ今君の肉体はかなりヤバイけどね。」


「え?ヤバイって「まあそんなことよりさ、君にはバイト代を払わないといけないからね。」」


 何とか話題を逸らそうとするミカサ、すごく怪しい。


「なあ、俺の体がどうかしたのか?」


「えーとだね、うーん…、引くなよ。」


 え、なにめっちゃ怖いんですけど、俺が死んでからどうなったの?あ、死んでないんだっけ。


「実はだね、君の彼女さんが食べちゃったんだよ。」


 瞬間、俺は某ゾンビヒロインが出てくる漫画を思い出した。そう言えばあれってアニメ化してたんだよな、見てなかったけど。


「ま、マジか…、たまにヤンデレなところがあったけどまさかそこまでとは。」


 自らの首筋を食べられている様子を思い浮かべ全身に鳥肌を立てている俺にミカサが慌てて訂正をしてくれる。


「いや、そんなグロテスクな映像にはなってないよ!、ただ『シャドウイーター』で体力回復のために食べただけだから。」


 なんだ、てっきりケイト美味しい!とか叫びながら食べている様子を思い浮かべてしまったじゃないか。

 でもつまり、俺のことを食べないといけないくらいヤバかったのか。やはりやられてしまったのかな。


「あー、なんか勘違いしてるみたいだから正すけどまだ彼女さん戦っている途中だよ。」


「でももうかなりの時間が経っているぞ。」


「姉さんから聞いてないの、ここの時間の流れは限りなく遅いんだよ、だから彼女さんはまだ死んでない。」


 じゃあつまり、まだ間に合うんだな!


「早く戻してくれ、エミリーを助けないといけないんだ!」


「いいけど、今の君が行ったって勝てないでしょあいつに。」


 確かにそうだ俺の使う魔法の中でも上位に入る推進力を持つ『ホーミングバレット』ですら弾かれたんだ、恐らく四大属性では掻き消され、闇属性はエミリーの最初の一撃を食らっても何ともなっていなかったから高レベルの状態異常耐性を持っているのだろう。光属性は攻撃系の魔法はほとんど使えないし。


「くそ!じゃあどうしたら。」


「だーかーら、神の話聞いてた?バイト代、払うって言ったろ、神様からの約1000時間分の給料を貰えば、君はさらに強くなれる。」



読んでいただきありがとうございました。


ついに念願のブックマーク200件に到達しました。今後はブックマーク500件を目標に頑張っていこうと思います。

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