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第26話

 ワイワイ騒いでいると、やはりここは魔物の蔓延る森の中。当然の如く一匹の魔物がものすごい速度で近づいてきた。


「今度は私がやるよ。」


 お姉ちゃんは鞘に納めている剣を抜き、


「『黒装』」


 お姉ちゃんは最近になって闇属性に限り無詠唱で発動できるようになった。

 以前とは違い今回の『黒装』は体には纏わず、剣にだけ纏わした。


「プゴオオッ!」


 茂みの中から大きな猪が飛び出してきた。鑑定眼発動~、



  ステータス

 種族 マッスルボア/LV65

 体力 100000/100000

 魔力 120/120

 攻撃 23000

 防御 12000

 素早さ 19000


  スキル

 石頭 LV MAX




 ふーん、完璧なパワータイプだね、だからって魔力120は少なすぎる気もするけど。それとレベルが上限に達してるのはすごいけど石頭ってスキルなのか?


 そんな突進してくるマッスルボアに対峙するお姉ちゃんは、マッスルボアの頭突きを華麗に避けすれ違いざまに剣でマッスルボアの体を撫でた。

 するとマッスルボアは突如足がもつれ盛大にスッ転んだ、倒れたマッスルボアを見ると体が細かく痙攣していた。

 お姉ちゃんは痙攣するマッスルボアに近づき、躊躇いなく首筋に剣を降り下ろした。


「うーん、あっけないなー。」


「剣術スキルのレベルが8にもなれば当然じゃないの。」


「だとしてもやっぱりあっけないよ。」


「まあ苦戦するより良いんじゃないの。レベルの方はどう?」


 聞いたけど自分で見た方が早いか。鑑定眼発動、



  ステータス

 名前 エミリー/9歳/LV23

 種族 人族

 体力 93600/93600

 魔力 112000/112000

 攻撃 8000

 防御 7600

 素早さ8500


  スキル

 掃除 LV5

 魔力制御 LV7

 剣術 LV8

 料理 LV3

 見切りLV5


  魔法

 火属性 LV6

 闇属性 LV9


  称号

 魔王

 不動の精神




「うー、ケイト君に負けてる。」


「そりゃあ、僕には『獲得経験値50倍』があるし、お姉ちゃんは『魔王』の効果でレベルが上がりにくくなってるから仕方ないよ。」


「仕方ないのはわかってるけど、やっぱり悔しいよ。」


 お姉ちゃんは頬を膨らましてブーブー言っている。

 何あれかわいい!ほっぺたツンツンしたくなっちゃうよ。


「ほら、それよりこの猪を解体してお昼にしよ。」


「何で?かばんの中にまだいっぱい食べ物入ってるよ。」

 うんうん、恐らくそれが今回の訓練の落とし穴なんだよなー。


「お姉ちゃんならこのかばんの中の食べ物をどういう風に消費する?」


「かばんの中の食べ物を先に食べて、なくなったら猪とか果実とかを採って食べるよ。」


「だけどそれだとかばんの中の食べ物がない状況でもし猪が現れず、食べられる果実が見つからなかったらどうするの?」


「あっ。」


「こういう状況では常に最悪の状態を想定して備えておかないと後々大変なことになるんだよ。」


 まあぶっちゃけ僕が本気で『サーチ』をすれば軽く5㎞くらいは探せるからこの心配は杞憂かもしれないがもしもということもあるからな。


 解体の仕方は前に一度おばあちゃんがやっているのを見てそれを『記憶操作』で固定していたのですることはできたが、やはり素人なのでお粗末なできになってしまった。

 今日の昼食はマッスルボアの塩焼き、マッスルボアの肉に塩と香辛料をふり、それを火で焼いた男の料理だ(作ったのはお姉ちゃんだけど…)。

 ちなみに塩や香辛料はかばんの中に入っていてその他にも色々な調味料が入っていて、高級品である砂糖まで入っていた。

 アユの塩焼きのような感じで焼いているとその匂いにつられて僕らの周りに多くの魔物が近づいてきた。


「うーんどうする?」


「この数だと二人じゃないときついと思うよ。」


 だよなー、もうすでに軽く10匹近いおサルさんがいるからなー。


「まあ僕に任せて『ドーム』。」


 僕は箒を上に掲げて唱えると僕らを中心とした半透明のドーム状に『シールド』を張った。


「これで多分奴らは入ってこれないと思うよ。」


 お姉ちゃんは物珍しそうに辺りをキョロキョロとして、


「ほー、そう言えばケイト君って『シールド』を応用した魔法好きだよね。」


「うん、無属性がレベルマックスなのもあるけど、『シールド』だとなんだか魔法のイメージがしやすいんだよね。」


 無属性のレベルがマックスになり、『シールド』の形を思い通りに変えることができるようになると色々な物が作れるようになった。槍とかナイフとかグローブとか鎧とか。


「私も闇属性がレベルマックスになったら色々なことができるかな。」


「お姉ちゃんなら絶対できるようになるよ。それより早くこの肉を食べて外のうるさいのを黙らせよ。」


 僕の出した『ドーム』に猿がくっついてギャーギャー騒いだりどんどん叩いたりしていてさっきからかなり喧しい。


「そうだね、パッパと食べてさっさと倒したちゃおっか。いただきまーす!」


 そしてお姉ちゃんは肉をひとつ取りパクパクと食べ始めた、


「なにこれ肉汁がすごい!超美味しい!」


 それだけ言うと目をキラキラさせながらもくもくともぐもぐする。

 僕もひとつ取り口に運ぶと、


「ん!ホントだめちゃくちゃうまい!」


 口のなかに入れたマッスルボアの肉は口の中ですぐに消えるのではなく、しっかりとした歯ごたえがあり噛めば噛むほど肉汁が溢れだしてくる、そして香辛料のピリ辛さとマッスルボアの強い旨味が合わさり前世も含め今までに食べた肉の中でぶっちぎりで美味しい。


「グギャ!グギャーギャー!」


 外では猿どもが騒いでいるがそんなことがどうでもよくなるくらいマッスルボアに魅了されていた。


「ふー、うまかった…。」


「ホント、大満足だよ。」


 僕たちは一息ついてから立ち上がり、


「よし、猿どもを駆逐しよう、そしてマッスルボアの乱獲をしよう。」


「賛成、でも肉ばかりだと太るし体にも悪いから何か果物も探そう。」


 そして『ドーム』を解除して猿どもを駆逐し始めた。


読んでいただきありがとうございました。

一昨日の誕生日におめでとうと言ってくれたのは妹ただ一人でした。優しい妹を持てて幸せです。

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