第19話
僕の体には今、7歳の美少女が抱き付いている、今はまだ僕の方が背が低いためその少女の未発達な胸に顔を押し付けている形になっているが、そこからは少女独特のミルクのような甘い香りがした…って何を考えているんだ僕は!早くこの状況を脳に焼き付けなければ、そうだ!『記憶操作』でこの甘い記憶を固定すれば良いんだ!そうすればいついかなる時でもこの柔らかい体温と甘い香りを感じることができるじゃないか!あー、ほんとこの素晴らしいスキルに祝福を贈るよ。
「うむ、それはわしも気になったの。お主にも何かあったのか?」
「えーと、」
う~ん、別に教えても問題ないよな、ラノベとかで黙ってるの転生者だとばれて関係が壊れるのを防ぐために黙ってるんだけど僕の場合は、おばあちゃんは恐らく勇者アキトから転生について聞いてると思うしエミリーとはまだたいして関係が築けてないからむしろさきに告白しといた方が良いよな。
でもやっぱり転生前の話はしないで女神様のお手伝いをしたところから話そう、両親にもまだそこまでしか話してないし。
「もし言いたくなかったら言わなくてもいいよ、辛かったと思うし。」
エミリーは僕を抱きながら言った。この状態だとしゃべりずらいんだよな、まったくモテる男はつらいよ。
「いいや、これから家族になるのだから正直に話すよ。」
それから僕は昨日両親に話したことを二人に話した。女神様のお手伝いをしたこと、そこで何百人の人間の死ぬ姿を見たこと、そのお礼に女神様がチートを色々くれたことを話した。
「そうか。その年で辛かったのー。」
おばあちゃんは涙ぐみながら言った。確かにあのときは平和大国日本のごく普通の学生だったからあれはかなり辛かった。
エミリーは僕が話している間も抱き続けていた。
「私はまだ人が死ぬところを見たことがないからわからないけど、私と同じくらい辛い思いをしたんだよね?」
エミリーはそう言いながら抱き締める力を強くした。
「エミリー…」
「お姉ちゃん」
「え?」
「お姉ちゃんって呼んで。」
おばあちゃんの次はお姉ちゃんですか。まあ良いけどね、僕お姉ちゃん好きだし、ついでにヤンデレだともっと良いけど。
「その、これから家族になるなら家族らしくお姉ちゃんって呼んでほしい。だめ?」
「わかった。こらからはお姉ちゃんって呼ぶから僕のことも呼び捨てにして。」
「うん!」
このとき、僕は初めてエミリー、いやお姉ちゃんの笑顔を見た。
とりあえず今日は特に訓練はせず家から持ってきた荷物の荷解きをした。
そしてなんと、僕はめでたくお姉ちゃんと相部屋になることができました!パチパチパチパチ!
もちろん、僕から相部屋を提案した訳じゃないよ、『お姉ちゃん』から、一人じゃ寂しいだろうからって言ってくれたんだ。いやー、案外脈ありだったりしてね。
今日は訓練はしなかったが、魔法について色々なことをおばあちゃんから習った。
まずそれぞれの魔法の特徴について習った。おばあちゃんの話をまとめると
火水風土属性は四大属性と言い、これらは自然に干渉し魔力を他のエネルギーに変換して魔法を発動している。この際に『魔力制御』と言うスキルがあるがそれは魔法のエネルギー変換率が通常より高くなるスキルで、明日は『魔力制御』を習うことになっている。
次に光と闇属性は陰陽属性と言い。光属性は『ヒール』や『キュア』、『フラッシュ』などの後方支援系の魔法で、闇属性は『スリープ』や『チャーム』などの精神干渉系の魔法や、相手のステータスを下げるタイプの魔法もある。さらに上級者になると「シャドウイーター」や「シャドウバインド」などの影系の魔法が使えるらしい。
空間属性は名前の通りに空間を支配する魔法で、さっき使った『サーチ』や『アイテムボックス』、『テレポート』などがある。
無属性はエネルギーの変換をせずに使える最も燃費の良い魔法だ、しかしほとんどの魔法が実践向きではなく使えるとしたら『ブースト』、『シールド』くらいだとおばあちゃんは言っていた。
次に魔法のレベルについてだ。
以前僕はレベルに関しては魔法はスキルと同じだと言ったがそれもおおむね間違いではなかった。スキルの場合はレベルが上がると技術が上がり使える技が増えるけど、魔法の場合はレベルが上がると魔法の自由度が上がる。
わかりやすく言うとレベル1~3の初級者だと球や壁などの決められた形しかできないが4~6の中級者になると武器に魔法を纏わせたりでき、7~9の上級者ともなると蛇や馬などの動物を作り出したりできる。そして達人クラスになると天候すら操ってしまうらしい。そして一流の魔法使いともなるとオリジナルの魔法を一つは持っているそうだ。
今日習ったのはこれくらいで、後の時間はお姉ちゃんと遊んだり三人でおしゃべりをしたりした、その間、常にお姉ちゃんは僕にべったりとくっついていた。僕としてはかなり嬉しいのだがなぜだろう?
夕食はシチューでこれもまたすごく美味しかった。
夕食を食べ終わると次はお風呂だ、もちろん僕は紳士だからお風呂を覗いたりしないぞ。しかし僕のもとには甘い、少女の誘惑が襲いかかってきた。
「ねぇケイト、一緒に入ろう。」
はたして僕はこの誘惑に打ち勝つことはできるのだろうか!
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