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第14話

「できちゃったって、子供、だよな?」


 父さんが聞いた。


「もちろん!二人目の子供だよ!」


「ぃやったーーー!」


 父さんがものすごい大きな声で叫んだ。あ、隣の家から犬の鳴き声が、ルーズかな?ごめんようるさくて。


「えーと、おめでとうございます。」


 メストがはしゃぐ父さんに若干引きながら祝福の言葉を送った。


「やったねママ!、僕に妹ができるんだ!」


「ふふっ、気が早いわねケイトは、それに弟になるかもしれないのよ。」


 ボケはこの辺にして、


「じゃあ僕は魔法を教えてもらえないの?」


「大丈夫よ、昨日のうちに手紙を出しといたから。」


「手紙って、誰に?」


 すると突然後ろから声がした。


「わしじゃ。」


 後ろを見ると、長い金髪に青い目をした慎ましい胸をした少女が立っていた。いや少女と言うより幼女の方が正しいかもしれない。長い金髪はポニーテールのように後ろでまとめられていて、長い耳が見えている。エルフかな。


「リン様、入ってくるなら玄関を使ってください。」


「いやーすまんのー、『テレポート』を使えば早いからついつい忘れてしまうんじゃよ。それになんだかタイミングも良さそうじゃったしの。」


 その人には、メイヤさんのお叱りに対して反省しているようすが全くなかった。


「お久しぶりですね、リンさん。10年ぶりくらいですか?」


「ああ、久しぶりじゃのシリウス、まあ大体それくらいか。」


 そう言いながらリンさんとやらは、母さんの前まで行った。


「お久しぶりですお師匠様。手紙が着いたのは30分ほど前ですか?」


「いいや。2時間ほど前だったの、色々あって家を出るのが遅くなってしもうたわ。」


「それよりマリー、新しい魔導王が現れたと書いてあったがそれはどいつじゃ?」


「今紹介しますね。ケイト、こっちに来てお師匠様に挨拶しなさい。」


 やっとお呼びがかかったか、そう思いながら僕はお行儀よく挨拶をした。


「こんにちは、僕はケイト・パルティナと言います。どうぞよろしくお願いします!」


「ふむ、この年にしては礼儀作法がなっているようじゃな偉いぞ。わしはリンじゃ好きなように呼ぶといい。マリーに師匠をやっておった、それでそなたが魔導王なのか?」


「はい、そうです。」


「ふむ、この年で魔導王を手に入れるということは、先天的なものか。」


「はい、お師匠様。ケイトは生まれる前に神様に仕えていたようなのです。」


 ちょっとママン!何でそんなあっさり教えちゃうの!?


 一応メストはお師匠さんが来たときに父さんが返していたけど。


「なるほどのー、だからなんとなくアキトに似た感じがしたのか。」


 ん?アキトって勇者アキトのことだよな。

 僕の考えていることを察して父さんが、


「勇者アキトの物語を呼んだことはあるだろ?あれに出てきたエルフの女性がリンさんなんだよ。」


「あれ?でもあの話に出てくるエルフってもっと大人っぽく書かれていたはずだけど。」


「いやー、あのときは若かったからのー。」


 これはあれか、年取ったら若返るアレな人なのか。


「あれ?そういえば母さんの代わりに魔法を教えてくれるのってリンさん?」


「いかにも、新世代の魔導王殿を指導するのはわしなのじゃ。」


「流石に魔導王の称号を持っている人に魔法を教えるのは私には役不足だからね。妊娠してなくても頼んでたよ。」


「そうなんだ。リンさん、よろしくご指導ご鞭撻のほどお願いします。」


「クックック、任せなさい、超一流の魔法使いに鍛えてやろう。」


 僕は伝説の勇者一行の魔法使いリンの弟子になった。


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