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第11話

 さてどうするかな、メストを連れ戻すのは当然だが、さっき誰にも言わないって約束しちゃったから1人で行かなきゃだけど。そう考えていると、


「一応、止めたんだよ。」


 怒られると思ったのか少し震えた声でメシアが言った。


「危ないからやめた方が良いって言ったのにお兄ちゃんが強いから大丈夫って言いながら走って行っちゃって。」


 僕は泣きそうなメシアの頭を撫でた。


「大丈夫。僕がちゃんとメストを連れ戻すから。」


 メシアは5歳にしては背が小さいので僕でも苦なく頭を撫でることができた。


「これからメシアに少しスキルを使うけど良い?」


「?、いいけど。」


 言ってる意味がわからないのか、から返事で帰ってきたがまあいい。鑑定眼発動! そういえば久々だな使うの。


  ステータス

 名前 メシア/5歳/LV1

 種族 人族

 体力 350/350

 魔力 200/200

 攻撃 120

 防御 90

 素早さ130


  スキル



  魔法

 光属性 LV1



  称号




 うん、普通の子供のステータスはこのくらいか、魔物がどれくらい強いのかわからないけど、急いだ方が良いな。


「今なにかしたの?」


「ちょっとステータスを見してもらっただけだよ、じゃあメストを探してくる。」


 そう言うと僕は、森の方へ走って行った。後ろで何か声が聞こえたがきっと気のせいに違いない。


 森に着き、森の中を探しているがぜんぜん見つからない。


「くそっ、歩いて探すだけじゃ効率が悪いな。」


 出来れば魔法は使いたくないがこのままじゃどうにもならないし、仕方ないか。


「空間を把握し、周囲を理解せよ、『サーチ』。」


『サーチ』は、簡単な空間魔法で使い手のレベルによって範囲が決まる。まだレベル1の僕では、半径がせいぜい100メートルが限界だ。ちなみに僕は、無詠唱で発動できたが、なんとなく詠唱してみたかった。


 そもそもなぜ僕がいまだに魔法やほとんどのスキルのレベルが1なのは、父さんの直感もあるがそれ以上にもしも魔力が暴走したり、暴発したりすると嫌なので母さんに教わるまでは魔法は使わないようにしようと思ったからだ。一応簡単な魔法は家にある本で覚えているけど。


 サーチを発動しながら探していると1対2で何かが争っているのがわかった。


 サーチを消して静かに近づくと、争っていたのはメストとゴブリン2匹だった。メストは押されていて見るからに危険で今にも倒れてしまいそうだった。


「大丈夫かメスト!『ファイヤーボール』!」


 僕はメストのところへ走りながら、片方のゴブリンに火属性の初級の魔法を放った。


「ぎゃあああああ!」


「ケイト!」


 ゴブリンは絶叫し、メストは僕の名前を呼んだ。


「何をしている、早く逃げるぞ!」


 僕は叫んだがメストが動くより先に元気な方のゴブリンが飛びかかってきた。


「くそっ、『ファイヤーウォール』!」


 ゴブリンはそのままの勢いで炎の壁に突っ込んだ。絶叫をあげる前にゴブリンの声帯を焼いたのか声が聞こえなかった。


「ほら!早くしろ!」


 そこでようやくメストは走りだし一緒に森の外へ向かった。




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