第10話
「お帰りなさいませ。皆さま方。」
ただいまって言う前に言われてしまった。
「ただいまメイヤ、夕食はもうできているかい?」
父さんの問いかけにメイヤは
「はい、あとは盛りつけるだけです。」
「では、夕食にするか。」
前世では風呂に入ってから夕飯だったがこっちでは夕飯が先だ。
夕飯を食べ始めると父さんが、
「ケイト。」
「何?父さん」
「さっきはお前のことを疑ってしまってすまなかった。」
「その話はもういいんじゃないの?ケイトは私たち2人の子供、それでいいじゃない。」
「ママの言うとおりだよ、その話はもうやめよう父さん。」
僕たちに言われた父さんは少しの間考える素振りを見せ、
「わかった、この話はもう二度としない。そういうことにしよう。」
それからいつも通りの夕飯が始まった。
「なあケイト。」
「何?」
「お前、将来何がしたいんだ?」
突然の質問にすぐには答えることができなかった。
「まだ決めてないなら決めておいた方が良いぞ。俺の知り合いである商会の長のしている奴がいるが、そいつは6歳の頃に弟子入りしたと言っていた。まあ早いに越したことはないからな。」
「ケイト、確かにケイトのステータスもすごいけど、それと同じくらいに5歳で読み書きや算術をマスターしたことはすごいことなんだよ、だからきっと商人でも大成できるとママは思うよ。」
その後、夕飯を食べ終わるとすぐに風呂に入って、すぐに布団に入る。この世界だと電気がないのであまり長い時間起きていないんだ。
前世では中学生に上がって1人なったのだが、今の僕はもう1人部屋を貰っている。
僕は1人布団の中でさっき父さんと話したことについて考えていた。
商人かー、確かに現代知識を駆使すれば内政チートができるかもしれないけど、せっかくの異世界なんだから冒険者になって魔物を倒したり、迷宮に潜ってみたりしたいからな。
考えているとなかなか眠れないのでとりあえず今夜は考えるのをやめて眠ることにした。
そうだ、明日はメストのところに遊びに行こう。そして僕は長かった1日を終えて眠りについた。
翌日、僕は朝ごはんを食べ終わるとさっそくメストの家に向かった。
「いってきます!」
「いってらっしゃい、村から出ちゃダメよ。」
5歳の子供だけで魔物の出る村の外に行くわけないじゃん。フラグじゃないからな!
僕は走ってメストの家に向かった
メストの家につき、玄関をノックし、
「ごめんください、メスト君はいますか?」
すると玄関は開き、そこにはメシアが立っていた。
「おはようメシア、メストは家にいる?」
「おはようケイト君、お兄ちゃんならさっき家を出ていったところだよ。」
昨日は少し警戒されていたけど、どうやら解けたようだ。
「どこに行ったか知ってる?」
「えーと、誰にも言わない?」
なんか嫌な予感がするなー。
「それってどうゆうこと?」
「お兄ちゃんが家を出るときに、お兄ちゃんがどこに言ったのか誰にも言うなって言われたの。」
今まさに暴露しようとしてるじゃん!それにもっと嫌な予感がしてきたんだけど。
「わかった。誰にも言わないからどこに行ったのか教えて。」
「実は、村の裏にある森に行ったの。」
やっぱりフラグでした。




