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読んでくださっている方々。 誠に申し訳ありませんでした。 作者自身の諸事情により、先週に投稿出来ませんでしたので、今回二話投稿します。

此れからも見て頂けると嬉しい限りです。

「………………………」

 カンザクラは目を見開いたまま固まっている。

 どーやらあいつも混乱してる様だ。 オレ? 勿論混乱してるよ、世界が飴ちゃん美味ひぃで作るるって言われたたたたら、信じる自信ありんすから。………混乱し過ぎだろ。

 新人は意志を秘めた目でカンザクラを睨む。

 その意志がどれだけ強いか分かるほどの眼光だ。うっかり惚れそうだな。

「貴方がバカにした人たちは、皆生きてるんです! 【人魔戦争】で戦った人たちは、仲間の人権を守るために戦ったんです! それだけの強い意志を、貴方みたいな口でしか言えない人がバカにしないでください‼︎」

 その言葉が効いたのか、カンザクラは頭を抱えた。

「う、うぅぅぅうううううっ‼︎……」

 カンザクラは呻き、そして新人を睨むように見た。

「マ、マリー………ッ、ローズ………ッ‼︎」

 口から溢れるようにそう呟き、新人の首に手が伸び絡みつく。 そして新人の身体を宙に浮かせた。

「うっ………‼︎」

 首を絞められ必死に振り解こうとするが、カンザクラは力を緩めるどころか逆に力を加えた。

「そんなもの………貴方が望んだものは、世界を滅ぼすッ! そんな事は絶対させないッ‼︎ 」

 何かに衝き動かされるように、その目は血走り、その必死な形相はコイツの過去を語っていた。

 だが、それ以上やるのなら。



 ーーー例え無意識でも殺す。



「守りなさい! 『頑なな………」



「起きろ、『世界で一番愚かな罪人』(カイン)」



 オレの手の中に拳銃が出現し、すぐさま三発放った。

 狙ったのは右腕と肩、腹部。 三発とも狙い違わず命中する。

「ガハッ!」

 カンザクラは右腕を押さえ、その場に蹲った。

 いい景色だ。

 放された新人は咳込んでる。 どーやら死なないですんだらしい。すぐさま立ち上がろうとするバカに拳銃を頭に当て、語りかける。

「よぉ、目は覚めたか? 殺人未遂で勝手な〈魔術〉使用。 警察官じゃなかったらそのまま処刑ものだぞ? お前が言う、〈はぐれ魔者〉と同じようにな 」

 俺を射殺さんと睨んだが、すぐに溜め息をついてカンザクラは立ち上がった。

「銃を下ろして下さい。 これ以上の威嚇行為は、上が黙っていませんよ」

「あいつらが俺に手を出すわけないだろ、 世界を終わらせる事なんて簡単なんだからな」

 カンザクラは舌打ちし、新人に向いて頭を下げた。 謝罪するのかよ。

「先程は、私が取り乱し傷付けるような真似をして、誠に申し訳ありません。 タダで許してほしいとは言いません。 私の出来る事を返しましょう」

「え? ……いや、え? ちょっと………」

 新人は慌てて、俺に目で助けを求めてきた。

 ………しょーがねぇーな。

「今すぐじゃなくていいだろ? カンザクラ。 其れとも、お前の誠意はその程度か?」

「そんな訳ないでしょう。 何時でもいいですよ」

 頭を下げながら応えてくれやがった。 まぁ、いいか。

「だとさ」

 新人にそういうと、新人はホッと一息つき、改めてカンザクラを見た。

「顔を上げて下さい、カンザクラさん。 私達は同じ意思を持っているんです。 間違えて衝突することだってあるんです。 だから顔を上げて下さい。 ぶつかったから、分かり合えたと思うんです」

 新人は笑顔でそういうと、カンザクラはポーっと新人を見たまま動きを止めた。 何だ? 新人の『魔術』か?

「おい、カンザクラ?」

 返事がない。 タダの屍の………ゲフンゲフン。

「おーい、カンザクラくーん? おーい」

 今気づいたのか、カンザクラはびくりと体を動かした。

「な、何ですか?」

「いや、何もねぇよ」

 さっきまで動かなかったのに、どうしたんだ? 金縛りか何かか?

 まぁいいか。

「じゃ、俺たちは帰るわ。 行くぞ新人」

「あ、はい。 さよなら、カンザクラさん」

「さ、さよなら………な、なまっ………え!………を」

 カンザクラが何か言いたそうな顔してたが、なんだろうな? 新人に目で問いかけてみたが、首を振った。 何なんだ?

 まぁ、いいか。

 新人を連れて警察署から出ると、新人は疲れたように大きな溜息を吐いた。


「はああぁぁ、疲れましたぁ」

「おいおい、大丈夫かよ?」

「一応大丈夫ですけど、所長が彼らに手を出したくなるのがわかりました」

「そりゃそうだ。 あんなに自分の魂を売っちまってるからな、考え方さえも洗脳されてる」

 二人で愚痴をこぼしながら歩いていると、囲まれている気配がした。

「警察はホント苦手になりそ………どうしたんです?」

「どーやら、奴らが動いてるようだ」

「奴ら?」

 そんな呑気な会話をしていると、見るからに〈術師〉の奴らに囲まれた。

 そして捕縛の〈魔術〉で光の縄が生成された。

 しかし、周りは其れを当然とするかのように、「またかい」「今度はうちを壊すなよ〜」などの近所の悪ガキに言うみたいなことを言っている。

 やっぱりかぁ。

 捕縛の〈魔術〉で動けず(実際は動かない)にいると、リーダー格らしき男が現れ、周りが道を開けた。

「え?」

 新人は驚いたようにその男を凝視した。

「か、カンザクラさん……?」

 カンザクラにそっくりなその男は、新人を一瞥しすぐに俺に視線を寄越した。

 俺は溜息をつきながら口を開いた。

「何の用だ? シバザクラ」

「お久しぶりです。 ボスがお呼びです」

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