夜明けの街角で
缶ビール足元は覚束ない
いつもより少し惨めな夜だ
意識も視界も開けているのに
頭が僕を酷く冷たくする
コンビニの明かりだけが薄く光り
何も考えられない体を暖めた
真っ黒い塊が悲鳴を上げて近づく
魂は反響しながら明かりを揉み消した
見えなくなった生命のドア
持て余したまやかし
咄嗟に身を屈めて息をする
ここはいつも通りの景色
宵は少しづつ迫り来る
滲む陽が痛くてたまらない
どうしてここは東京の街
雪の積もるこの砂漠の中で
鼓動が走り出してしまわぬように
騒ぎ声と溜息が沈む頃
どうかここに神様仏様
愛しさとアフガニスタンと
何か救われない僕らの呼ぶ声を
掬い取ってくれ