その日、その時。(1st終)
「・・・ざっと10人くらいですか?」
「ほう。おみごと」
と男が言うと木の上から何人かの人が降りてきた。手には黒光りするものや、ナイフのようなものを持っている。
「こう見えても、米軍最重要人物なので。護衛ですよ」
そう言っているが・・・。俺はあることに気づいた。
「おい・・・。この人らって文化祭で見た事あるような・・・」
そう。文化祭の一般客で来ていた人たちだった。その目はどこか虚ろだ。
「ど、どういうこと?」
と美長が聞いてくる。俺もわからないんだけど・・・。
「・・・あの人は人を操る能力を、持っている・・・」
エイミが途切れ途切れに答えてくれた。能力・・・?催眠術のようなものだろうか・・・?
「ではイッツ・ショー・タイム」
考えていると男がパチンと指を鳴らすとその操られている人たちが襲い掛かってきた・・・!
「・・・くっ! 仕方が無い。3人とも! ケガはするな! させるな!」
「「「わかってる!」」」
でも、そこらの高校生といっしょにしてもらったら困るな。
「なんと・・・。スバラシイですね・・・」
何十分か経ったころ、俺たちは10人全員を行動不能に陥らせた。もちろん相手は一般人と言えど大人だ。普通の高校生ができる事ではない。しかし俺たちが通っている大東高校は偉人の子孫が多いので、実は自衛体術を習っている。・・・教育委員会とかには秘密らしいが。それに俺を含む全員はトレーニングを積んでいるのでこれくらいはできるのだ。
「ふん。日本の武将をなめてもらっちゃ困るわよ」
おぉ!なんか美長がカッコイイ!
「・・・まぁ。このくらいにしましょう。そこに居るのはお持ち帰りくださいね?」
「お、おい! 待て!」
すぐに男は後ろに走ると・・・
「な、何あれ?」
「・・・ヘリでしょ?」
しばらく離れた所からヘリが離陸した。たぶん事前に用意していたのだろう。
「・・・まぁ。おいエイミ。お前は嫌かも知れんが、俺の家に来てもらうからな?」
と言うが、エイミは気を失っていた。出血はしているが多くは無いので大丈夫そうだ。
「・・・ここは?」
エイミは自分が知らない所に寝ているのがわかった。知らない所。しかし、なぜか暖かく、気持ちよく、そして優しい香りがした・・・。
「お、目が覚めたか?」
「!?」
いきなり声が聞こえたので反射的に身を起こそうとする。・・・が
「つっ・・・」
「お、おいおい。まだ無理はするな」
まだ傷は癒えてないんだ。と言う。
「そうそう。エイミは安静にしないと」
後の3人も来ていた。そしてエイミは一瞬、困った顔をしたが・・・。あることを言った。それは言ったエイミ本人も驚いた。
「4人とも・・・」
その後に続いた言葉は、自然に出てきた。
「ありがとう」
1stシーズン、これにて終了です。
32話という長かった1stですが無事終わりました。
読者の皆様のおかげです!ありがとうございます!
2ndシーズンも投稿する予定なのでその時はまたお願いします!