孤独の転校生
「お、お前ら。文化祭はどうだった?」
こっちも気になったので聞いてみる。俺、全然参加できなかったな・・・。
「どうも何も、つまんなかったわよ」
「勇人が居なかったから?」
美長が言ったことに実理が茶化す。
「ち、ちがうわよ!」
とは言うものの美長は本当につまらなかった様子だ。そうか・・・
「美長」
「な、なによ・・・」
そっぽを向く美長。その顔は心なしかわずかに赤い。
「お前も、もう高校生なんだから俺が教えなくても楽しみ方ぐらいわかるだろ?」
「「「・・・。」」」
な、なんで3人とも『ダメだこいつ』みたいな目で俺を見る!?俺が何をしたって言うんだ!?
「こ、このバカ勇人が・・・」
「ま、こういう人ですから」
「実理ぃ~・・・。それもう何回も聞いたよ~・・・」
美長、実理、朝日の順で話す。・・・何が悪かったんだろうか?
その後、この日はさすがに病院に泊まったが翌日には無事退院できた。そしてそれから俺は数日間あることをずっとしている。それは・・・
「なぁエイミ? いっしょに昼飯、食べないか?」
「・・・。」
そう、エイミを昼食に誘っているのだ。しかし誘い続けているが、返事は無し。う~ん・・・。
「じゃあ、俺は美長らといつもの所に居るぞ?」
ちなみにいつもの所とは屋上だ。最近は寒いのだが日が出ている時間帯。つまりは昼時は暖かくてちょうど良い。まぁ、エイミは1回も来てくれた事、無いんだけどな。
場所は変わり屋上
「ねぇ? 勇人」
「ん? なんだ朝日?」
朝日がしゃべりかけてきた。なんだろう?
「いくらエイミさんが1人だからって積極的すぎない?」
こいつらには『クラスメイトが1人ぼっちなのはどうか?』という理由で済ましている。もちろん理由はそんなことじゃ無いけど。
「いや。でもあいつはあいつで何か悩みでも・・・」
としゃべっていると屋上のドアが開かれた。反射的に俺は会話をやめる。そこには・・・
「・・・エイミ」
が居た。しかし弁当箱は持っておらずいっしょに昼食をとりに来たわけでは無いようだ。
「杉下。放課後、話がある」
「・・・わかった」
俺はついに来たか。と思いつつ返事をした。それだけ言ってエイミは立ち去った。
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