『許さない宣言』されたこと、ありますか?
・・・マッカーサー?た、確か戦後のGHQ最高司令官だったような・・・?
「みなさんも知っているように、エイミさんはダグラス・マッカーサーの子孫です。ここではあまり珍しくは無いですがよろしくお願いしますね?」
いや、教師のあんたが生徒にまかせちゃいけないだろう。そしてエイミの口からもう一言。俺にとって衝撃的な言葉を放った。
「貴様、杉下だな?」
「あ、あぁ・・・」
いきなり声をかけられ少し戸惑ってしまう。すると・・・
「・・・私は、杉下勇人。貴様を絶対に許さない」
「・・・。」
「ねぇ。ホントに覚えが無いの?」
「・・・全く」
いきなり『許さない宣言』を喰らった俺。まず俺はあの子と今日、初めて会ったし許す、許さないの関係になったことは無い。・・・と思う。
「・・・ホントに?」
「本当に!」
なぜこんなに質問攻め!?そもそもこれもエイミが『許さない宣言』をしたからだ!これなら無条件降伏のほうが良かったな。ポツダム宣言。・・・アメリカ元帥の子孫だけに。
「「「・・・。」」」
3人が微妙な顔をしている。なんだかこの世で最も哀れな人を見るような目だ。
「ねぇ? 勇人?」
ドキッ!
「な、なんだ実理?」
「それ、あんまうまくないと思うけど?」
「ぐっ・・・」
他の2人も頷いている。・・・まだ言ってすらないのに。
「さてっ! 授業も終わったし、文化祭の準備だね!」
本日、12月10日。PM2時。文化祭の準備のため今日の授業は終わった。相変わらず朝日のハイテンションぶり。しかし俺は全クラスメートの前で『許さない宣言』をされたので正直、さわぐほどの元気はない。これから夜まで忙しいと言うのに・・・。
「勇人、そんなに気にしないでよ。何にも覚えが無いんでしょ?」
「ま、まぁな・・・」
さすが朝日は優しい。こんな度々、理由はわからないが朝日を怒らせている俺でも心配してくれている。泣けてくるな。全く・・・。
これからもよろしくお願いします。