苦悩の日々
・・・みなさんこういうシチュエーションはどうだろう?幼馴染の美少女がとなりで寝ていて、起きるなり『おはよ~・・・』とかわいい声で言ってくれる。それは全国の男子が1度は望んだことのあるシチュエーションだろう。・・・しかしその幼馴染で美少女が『ハッ!』とした顔になり、鬼人のごとくボコってきてあげくのはて縄で数時間しばられたら。・・・シチュエーション不成立としか言えないだろう。と言うわけで休日の朝は始まった・・・。
~数時間後~
「というわけで実理たちと遊びに行くことになったの」
「へ~、そうなんですか・・・」
「最初は家だったんだけどさすがにバレたらまずいじゃん?だから変更したの。よかったよね?」
「はい。それはもう・・・」
「やっぱり!さすが私ね!」
「さすがでございます。ところで・・・縄ほどいて」
「ヤダ」
「くっそー!!」
なんで俺がこんな目にあわなきゃなんねーんだよ!・・・理由は実のところわからん。
・朝、俺と美長は2人で目を覚ました。
・美長はソファの上、俺は下で寝ていた。
・・・この2つでなぜこんなにキレてんだこいつは!わけがわからん!
「じゃ、夕方にはもどるからね」
「あ!ちょ・・・縄ほどいて・・・」
ガチャリと、扉が閉まり俺はつるされたまま放置された。
なんとか縄を抜け出せたのは約5時間後・・・
「いや~、あいつがいないと家も平和だなぁ~」
けっこう久しぶりに1人になれた俺は思わず本音を言った。その後はTVを見たりPCをいじったりと自由に過ごせた。
すると5時もまわった頃・・・1通のメールが届いた。送信者は・・・美長。
『急いでどっかに隠れて!理由は時間がないから後で!』
とのこと・・・。よくわからんが必死さが伝わってくる。ひとまず言われたとおりにしよう、と思い俺は押入れに入った。
その直後・・・
「へ~、美長ん家始めて来たけど・・・。案外フツーね」
と、あきらかに美長とちがうセリフ。この声は・・・み、実理!?なぜあいつが!?少し戸を開け外を伺う。
「あ、ごめんね美長。いきなり・・・」
「う、ううん。全然いいよ!」
あはは・・・と苦笑いしている美長。なんもよくねーよ。こっちはそのせいで狭くて暗い押入れに入ってるんだからな。
「じゃ、ちょっとお風呂借りるね~」
と言って実理は風呂へ言ったようだ。なぜ人の家で風呂?と思いつつ一回押し入れから出ようとしたら・・・
「み、美長!?」
実理の驚いた叫び。あわてて出しかけた体を押し入れに戻す。
「な、なに!?」
脱衣所での会話を聞くことにした。
「あなたって確か・・・1人暮らしよね?」
「う、うんそうだけど・・・」
あいつ、隠し事とか苦手だから大丈夫かな・・・?
「な、なんで男物の下着があるわけ・・・?」
「!?」
し・・・しまった!洗濯物を干しっぱなしだった!これは最初からやばいぞ!と思っていると・・・
「そ、それは・・・」
なんとかごまかそうとする美長。
「それは・・・?」
それは・・・?
「しゅ、しゅみ、そう!私の趣味!」
「!?!??」
もう一度言う。美長は隠し事が苦手だ。ってあいつテンパってわけわからんことを言い始めたぞ!?
なんだよ男物の下着を集めるのが趣味な女子って、ありえんだろ。
なんとかさっきのピンチを切り抜けた美長は今だ微妙な顔をしている実理と一緒にリビングへ来た。
しばらくは平和に女子同士でしゃべっていた。するとやはり女子、ガールズトークの定番。恋愛の話をしだした。俺はこういうのは苦手だし、盗み聞きしてるみたいでイヤなのでなるべく聞かないようにした。しばらくそうして押入れの中にいるとなにやら話しのネタでハイテンションになってきた実理がこんなことを言い出した。
「そういえば美長~、あんた身長あんまり伸びないね」
「うん・・・、なんでだろ・・・」
実理も高いほうではないが美長よりは高い。すると・・・
「胸も成長しないね~」
なんて会話だよ
「う、うるさい!私は・・・人より少し成長スピードが遅いのよ!」
またイヤな会話をし出したな・・・と思っていると。
「うりゃ!」
「ひゃわ!」
な、なんといきなり実理が美長の胸をさわりだした!女子同士のコミュニケーションと聞いたことがあったが・・・ホントだったとは(?)
「ちょ、ちょっとやめてよ!」
「いいじゃんか~、女同士なんだし」
いやらしく笑う実理。手つきが女っぽいぞ・・・。と思ってたら後ずさった美長は押入れ(俺の隠れ場所)の方に来た。っていうか、つっこんできた。おい、まさかこれってやばいんじゃ・・・
「ひゃ!」
「美長!?」
グシャっと押入れの扉が壊れ・・・
「・・・勇人?」
「・・・こんばんは」
バレちまったよ・・・
野球人です。更新はとてもバラバラで1日に何回か更新することもあればしばらくしないこともあります。申し訳ありません。
この『偉人パラダイス』はまだまだ続くのでよろしくおねがいします。