織田美長(過去編)
過去編ということで少々長くなってしまっていますが
なにとぞ最後までよろしくおねがいします。
~7年前~
当時小学校3年生だった美長と勇人。それに実理。このころから3人は仲がよく、もう美長は勇人の家に住んでいた。物心がつくかつかないかの時に勇人の家に預けられたのでこの頃の美長は勇人のことを兄のように慕っていた。いつも親がいないなりに充実した毎日を2人は送っていたが時には、悲しい出来事もあった。それはいつものように勇人と2人で家に帰っている時だった。
「勇人! 今日も楽しかったね!」
「そうか? いつも同じことやってるだけじゃんか」
勇人はこの頃から親しい友達を作っていなかった。この頃も美長のことで手いっぱいだったからである。
「もう! 勇人はいっつもそればっかじゃん! 外で遊ぶの楽しいよ?」
と美長は問いかける。
「って・・・。そっちかよ。俺は勉強のほうかと思ったぜ」
「・・・勉強イヤー」
・・・このころから勉強嫌いな美長であった。などと話していると・・・
「おい」
「ん?」
後ろから声をかけられた。確かうちの学校の6年だ。
「お前ってあの織田信長の子孫なんだって?」
「え・・・? う、うん・・・。」
実はこのころ美長は信長の子孫であることを引け目に感じていた。なぜなら・・・
「ホントだってことはお前も『うつけ者』かよ!」
後ろにまだ4人いたらしく、計5人。そして美長を取り囲む。しかもこの頃の歳なので今日習ったらしい単語を使う。一方俺はいつものことかと思い少し離れていた。美長はこういう風に言われ、よく年上の小学生にからかわれていた。しかしだいたいは美長に惚れている男子で、友好関係を築くきっかけにしようとするだけなのだが・・・。今回は少し違った。
「お前もバカなのかよ?」
「気がおかしいのか?」
わははっと笑う6年たち。いつもならこういう罵声をあびせられることは無いんだが・・・。
「なんとか言えよ!」
ガシッっとリーダー的なやつが美長の髪の毛を掴む。美長は勇人以外の男子に耐性がなく、どうすればいいのかわからず、よくパニックに陥ることがあった。
「や、め・・・」
「あぁ!?」
力なく言う美長に男子は・・・。あろうことか美長を殴った。そして勇人の中のなにかが切れた。
「おい。そこのアホ共」
「んだ? 確かテメーは・・・」
いつもこいつの近くにいる、と続けようとした男子は派手にぶっとぶ。ゴスっと鈍い音を立てながら。
「ぐはっ!」
「こいつ何もしてねーじゃんか。何でこんなことすんだよ?」
勇人は親を亡くしてから強くなろうと決心し、小さいなりにがんばってトレーニングをしてきていた。そこら辺の小学生を殴り飛ばすぐらい造作もないことだ。
「テ、テメー!」
1人、また1人と勇人に殴りかかる。が、半歩下がり拳を避ける。その腕をひねり勇人が逆に殴る。5対1だったが勇人は避け、受け止め、相手を殴る。そのまま数分が経過する。
「くっそ! 覚えてやがれ!」
ベタな捨て台詞を吐き捨て、5人は去った。さすがに5人もいると勇人も無傷ではなく、少し足取りがおかしかった。
「ゆ、勇人! 大丈夫?」
すぐさま美長は勇人に駆け寄る。すると勇人はさっきまでの鬼のような形相はどこへやら。いつもの優しい笑顔で
「平気さ。このくらい」
と美長を安心させるのだった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
これから各キャラの過去編を書いていこうと思っています。
そして活動報告にも書いてありますが
偉人パラダイスのヒロイン3人の中でみなさんの好きなキャラを
教えていただきたいと思っております。
お気に入りに設定していない人も誰でもよろしいので
感想欄などに書いていただくと嬉しいです。
そこで一番人気の多かったキャラは
特別編を作ろうと思っています。
ではよろしくお願いします。