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酒呑童子の、“地獄”の日々
地獄の妖怪達の中に、「時間を決めて行動する」という概念は存在しない。
そもそも、時間を確認することもない。
朝から晩まで(美影と対峙する前日)
何百年という時間、阿鼻地獄で悲鳴を上げる罪人たちの姿を眺めてばかりいた。
人の苦痛に歪む顔は酒呑童子の大好物だが、流石に何百年も見続けていると飽きてくる。
暇なので、鉈で自分の四肢を斬り裂いたり、首を斬ったりして実験をする。
強い神在と対峙する時は、斬られる痛みも楽しみたいと願う。
そんな中、鬼童丸から「黒条美影さんという少女を殺めるのはいかがでしょうか?」と提案される。
撫子色の瞳、桜色の髪を持つ華奢な少女に興味を抱き、瞳の中で黒い渦が巻く。
無尽蔵の好奇心と狂気が暴走をはじめる。
その様子を見た鬼童丸は、「やはり酒呑童子様は操りやすくて助かります」とにこやかな笑みを浮かべて言う。
――翌日、この幼き怪物は葬り去られた。
現代最強と謳われる神在・桜刃零は、千年に渡る酒呑童子との因縁に決着をつけたのだった。




