眠れない日は、二人で⋯⋯
午後六時
お気に入りのミステリードラマを見ながら、美影が作ったオムライスを一緒に食べる。
卵がふわふわしていて、何だかあたたかい気持ちになる。
零がまた、「美味しい……」と涙ぐんでしまう。
美影は内心で「可愛い」と思ってしまうのだが、零には内緒。
夜叉と月読命の分には、ケチャップで星を描いてあげる。
午後十時
名残惜しいが、つないでいた手を離してそれぞれの部屋で眠りにつく。
すぐ隣の部屋にいるのに、お互いの存在が恋しくてしばらく眠れない。
午前一時
妖怪との戦いで追い詰められたことを思い出し、美影が目を覚ましてしまう。
部屋にいると気持ちがしんどいので、少し屋敷の中を歩いてみる。
それでも、中々眠れない。
午前一時三十分
台所にある麦茶を飲もうと、零も目を覚ます。
午前二時
「それなら、眠くなるまで一緒にいよう」
零はそう言って、眠れない美影を、そっと抱き上げて自分の部屋に連れて行く。
ふかふかの布団の上にそっと下ろす。
彼女を抱き寄せ、小さな手を包み込むように優しく握る。
美影が話し始めるまで、何も言わず静かに寄り添う。
不安そうにする彼女を抱き寄せ、「不安な時はいつでも呼んでほしい」と優しく声を掛ける。
その一言で安心した美影が、涙ぐんでしまう。
そのまま零の部屋で、手をつないだまま一緒に寝る。
美影と適切な距離を保つために、布団をもう一つ用意する。
とはいえ、できるだけ近くに居たいので、枕を近づけて至近距離で見つめ合ってみる。
零は愛おしさがあふれ、美影の頬を優しく撫でる。
仕返しで、美影は零の頬を軽くつまんで、ちょっと意地の悪い笑顔を向ける。
翌朝
寝坊して、若干焦る。
でも、幸せな時間の余韻はずっと残る。
眠れぬ夜も、二人で過ごせば愛おしい時間に変わってしまう。




