第4話 for Jessica & Peony
「ん~、あなたはね~・・・まず、難しく考えるのは止めなさい!好きなことをしていたらいいわ。遠乗りにでも出かけなさいな。」
遠乗りという馴染みのない言葉にきょとんとする子もいる。
ジェシカは気まずげに、口に出した。もしかしたら隠していたのかもしれない。悪いことをしたわ。
「遠乗りは、反対されるかと。」
「反対されても、” それなら髪を切る ” と言っておやりなさい。しぶしぶだけど許可を出してくれるわ。」
貴族の女性は長くて綺麗な髪に誇りを持っているから体裁を気にすると切らせたくないものだ。
ジェシカもどこか納得している様子。
「そうしたら心も体も休まるから。望むままに行けばいいわ。そうしたら気持ちの整理もつくわ。」
これがジェシカの最善択。彼女ももしかしたら気づいているかもしれない。
「わかりました。」
話の整理がついたようで素直に返事をしてくれた。
「次、きれいな琥珀色の瞳のあなた。」
「ピオニーと申します。」
真剣な顔でピオニーを視る魔女。
「ピオニー、あなた。まっっったく悪くないわ。すべて相手の不器用さのせい。誰が何と言ってもね。」
他の3人とは違い、ピオニーと婚約者の間にピオニーの悪いところは一つもない。
強いて言えば、婚約者として女性との距離が近すぎることを注意していないことくらいだ。
ただ、当のピオニーは困ってしまう。
「では、私はどうすれば・・・」
ピオニーが悪くないのであれば、正すべきは婚約者だ。
「んー、そうね。あなた、少し疎遠なお姉さまがご結婚されて近所に住んでるでしょ?そのお相手の方とあなたの婚約者、まだ会ったことないわね?」
とつぜん話題が変わり困惑するピオニーだったが、はい、と返した。
「お姉様も外出できない理由があるでしょう?」
5人は不思議そうにしていたが、ピオニーは少し固まった。確かにあるのだ。
「まず、あなたはお姉様にごめんなさいしなさいね。大丈夫、すぐ許してくれるわ。」
不安そうな表情のピオニーに具体的な事を伝える。
「それで、お姉様の旦那様と買い物に行きなさい。おつかいね。で、騎士様たちが多くいる広場や大通りのお店で食事したり休憩しなさい。それだけよ。」
真摯に受け留めたピオニー。
「次は輝く金の瞳のあなた。」
「ジニアよ。」
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