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13わ

ぷぉーーーーッ


と、耳をつんざく汽笛のような音が鳴り響いた。

何の音かとわかっていないのは私だけのようで、それまで酒を飲み楽しく談笑していたギルド全体の空気が引き締まり、笑い声が消えていた。


…敵襲か?


やがてひとりの男がギルドに駆け込んできた。ほとんど倒れ込むように入ってきた彼は、こう叫んだ。


「第二カパールより第三カパールに!敵数20!」



それだけ聞くと、ギルドにいた人間たちはしかと頷いて、蒸気を上げる馬のような機械に跨り、ぶろろん、ぶろろんと颯爽とギルドを出て行った。


「…ご武運を」


と、ペテロが祈るように手を合わせて、彼らを見送っている。


「何が出たんだ?」

「魔人ですよ。まさか、ご存知ないんですか?」

「魔、人?魔族ではないのか?」

「いえ、魔族です。人よりも強靭な肉体に魔力を持つ、人以上のヒトならざる者たちです」


ペテロは、ふ、とどこか焦がれるような顔で、私に笑いかけた。


「クリストスさんは、とても平和な街からやってきたのですね」


彼女のその表情と言葉から、魔人がどれほどの脅威なのか、私は察した。

だって、私はかしこいから。


魔族は、地方にはスライムという弱い種類がいる一方で、徐々に二足歩行になり、武器を持ち、魔術を行使する強い個体が確認されていた。


強力な魔族ほど、人型に近い姿をしている。


私の生まれ育った時代でいう人類の敵とは、魔族のカリスマである魔王とは、人より強靭な魔族が、人型を手に入れたことで恐れられていたのだ。


魔人?


まさか、あれから幾星霜もの月日が経った今。全ての魔族が人型へと進化を遂げ、かつての魔王クラスの力を手に入れているということではないだろうか。


考えただけで、ぞっとする。

いくら人類の魔術が発達しても、対応できる戦力には、限界があるだろう。


この街が、壊されてしまう。


「私も行こう。現場はどこになるかな」

「ここのギルドがある場所より、ふたつ南下したブロックのひとつが、第二カパールになります」


私は瞬時に地形を頭に入れた。

だって私はかしこいから。


からんころんと、ギルドの入り口を抜けたとき、私の心に使命感のようなものが灯ったのを感じた。

種を育てて幾星霜、感じことのない炎だった。

私はその炎に導かれるまま、誰へでもなくこう宣言していた。


「さぁ、行こう。世界を愛で包むために」


世界を愛で包む計画、名付けてラブ・ラッピング作戦が幕を開けたのだった。

もう少しまともな名前ないかな。

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