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kurokuro 短編小説集

夏祭りは扇子とともに

作者: kurokuro

なななんとこの私が!短編小説だと!いや前回のはカウントに入れないでくれ

「好きです!俺と付き合ってください!」

長い沈黙。いや俺からしたらだ。彼女からしたら一瞬だろう、誰かこの沈黙を、と思っていたとき、

「よろしく、お願いします。」

と扇子で仰ぎながら彼女は言った。え?ちょっと待って、今、彼女は俺をOKしたのか?したよな!ヨッシャャャャャ!!!

俺の名前は、岩倉 明智 彼女いない歴年齢の高校生だ。

「オーイ″ア~君″顔がヤバイことになってるぞ。」

「あ?そうか、ケンチャン」

ケンチャン、それはあだ名だ。本名 名実 賢士 今俺達は俺が住んでるアパートにいる。ケンちゃんとは高校からの友達で、今では夏休み中ほとんど俺のところに来て、寝転んでる。

「なぁア~君」

「何?」

「今さ、夏じゃん。」

「夏だね。」

「お前、恋とかしないの?」

ケンちゃん君が言ってきた。そら恋とかしたいよ。けど俺なんかが、「まっどっちでも良いけどさ、あっそだ明日夏祭りがあるってよ。ど?行く?」

「ケンチャンは?」

「おれゃ行くにきまってるやろ!」

「なら俺も行こうかな」

「おう!なら絶対来い!」

明後日の五時から夏祭りが始まるらしい。場所は近くの神社でやるとのことだった。特に用事がないので俺は行くことにした。だって俺には、夏休みを共に過ごす彼女なんていないから、だから野郎とこうしているのかも知れない。いやケンチャンなら来るな。アパートには。

目が覚めると太陽の光が落ち着いていた。ああ、これは不味いな。完全なる昼夜逆転だ。俺は朝食、いやこの場合昼食を食べ夕方までは暇なので寝ようと思ったが次は朝日が見れるな、と一人で苦笑してしまった。親父の転勤が多かった俺は東京生まれなのだが、色んな県をまたいだ。だが、もうそれはない。なぜなら俺が一人暮らしできるからだ。中学三年の二学期にこっちに来た俺は関東の人間と言うこともあってか、友達を作ることは無かった。だからケンちゃんは初の友達となる。だからかな?頼みを断れないのは。その後俺はテレビを見て適当に時間を過ごし約束の五時に間に合うよう、四時半に家を出た。

「五分前にはつけたか。」

「あ~君!よっ!」

「遅いぞ。」

「うるせぇ~つかお前も今来たとこだろ?」

「ん?ああまぁな」

「せやろ?そんな気がしてん」

やっぱり、ちょっとした付き合いでも気付かれることはあるのだな。ハハッ余りケンちゃんのことは侮らない方が良いらしい。

「まずはなにする?」

「何でもいいよ。」

「ほな!あれやろ!あれ!」

「あれ?」

「あれやん!あれ!」

ああやっとわかった。ケンちゃんが必死に指を指したから。ケンちゃんは中学一年生と同じ身長だから分かりづらい。あれとは、射的の事だった。きっと名前が出て来なかったのだろう。射的か、なにちょっと本気を出すか。結果?ああ俺が一つウサギの人形を落とし手に入れただけだった。ケンちゃんは一発も当たらなかった。仕方ないので人形をあげると子供の様に跳ね上がって喜んだ。子供だな、と思ったが子供なのでいいか。その後は金魚すくいや輪投げをして楽しみお腹が減ったと言われたので焼きそばを買った。そうやって適当に時間を潰した時だった。彼女に出会ったのは。祭りと言っても小さな祭りだ。だから浴衣を着る人なんて居なかった。けど彼女は違った。着ていただから見逃さなかったのか、否ただ単に可愛いかっただけだろう。その人は数人の男に手を握られ引っ張られていた。気づくと足が勝手に動いていた。

「ごめん!ケンちゃん、ちょっと行ってくる!」

口にそばを入れモゴモゴさせながら驚いているケンちゃんを置いて俺は走った。

「あの~止めてくれませんか?」

「ダメだよ。お姉さん」

「だって」

「うるせぇ~な~」

「うるさいのはそっちだ!」

ああまただ。また勝手に動いた。次は口か、チンピラはやんのか?とかうるさいのはどっちかな?とか言っているけどそんなことは聞こえなかった。何故かって?俺はこいつらには勝てないからだ。けど俺の知ってる中で最も強いやつが来た。

「あ~君!いきなり走ってくなや!びっくりしたやろ!ほんまやで!」

「あ~すまん。ケンちゃん?後で焼きそばおごるからこいつらを倒してくんない?」

「おおええで。けどそば一つか?」

と聞かれたときだ。横の彼女が私もお一つと言った。

「二つか、よし!やったるチンピラども相手したるは、こっちは出来立ての焼きそば賭かってんねん本気でいかせて貰うで」

勝負は一瞬だった。やはりケンちゃんを侮らない方が良い。背が低いから?細いから?そんなの喧嘩には関係ない。ハハッやっぱり凄いなケンちゃんは。俺はその後彼女と別れた。だが、その後の祭りは気が乗らなかった。

気が付けば昼になっていた。俺はテレビを見ていたらしい。というのも俺は昨日からの記憶がほとんどない。病気か?と聞かれれば否と答えるが。一種の病気かも知れない。テレビでは、名実選手のインタビューが行われているが全く興味がない。さてもうそろそろ来る頃か

「ヤッホ~あ~君!なんだいその顔はまるで陸に上がった魚じゃないか!」

と言い一人で大笑いしていた。一体どこが面白いのか、全くわからない。自分でも何で笑ったんやろ?と言ってるし。そして俺はこの一種の病気について言った。

「あ~君それ恋の病や」

「多分な。」

「年齢=彼女居ない歴のあんたがやで」

「そうなるな。」

「凄いな。」

何が凄いのかは分からないが凄いのだろう。

「そんで誰や!相手は、好きになった相手は!」

「昨日の浴衣着た人。」

「浴衣、、、あ~あの人か!はぁ~こりゃまた」

と腕を組ながら言ってくる。何様だお前。親か?親なのか?それとも近所のおばさんか?まぁいい。会いたいんだ。俺はもう一度あの人に。

「あ~あの人な~扇子売ってるんやろな~」

「え?どうしてそんなこと言えるんだ?」

「ん?だって綺麗な扇子してはったで。」

「たったそれだけで。」

「ん?あのあとどこの人なんですか?って聞いたら京都の人で昨日は扇子の絵のモデルを探しにきてんてそれでそのまま祭りも行っちゃおう的な感じできてんて。あの人言ってたで」

「京都か、遠いな」

「とおい言ってたてすぐそこやん」

「お金の問題だ。」

「あ~でもまだこっちにおるともうで」

「どうして?」

「そこは何で?やでまぁいいだって今日まだ祭りがあるもん。ほら花火大会。」

忘れていた。確かに昨日の祭りは小さな祭りだ。しかし本番は今日この日、花火を打ち上げる。モデルにしたいなら確かに今日もいるはず。

「ケンちゃん、協力してるれるか?」

「当たり前やん!任せとき!」

ああ本当頼りにするよケンちゃん

そして俺は今祭りに来た。だが、なぜか約束の時間を十分過ぎても来なかった。まさかッいやそんなことはない。はず。

「ごめん!待ったか?」

ああ待ったよ。凄くな。ほらこっちと言われ俺はケンちゃん付いて行くそこには昨日の彼女がいた。

「どうも。昨日はありがとうございました。」

「いえ、全部こいつがやりましたから。」

「確かに。お強いんですね。」

「友達のためならやるさ、それに焼きそば奢ってくれたしな!」

本当にありがとうな。ケンちゃん!お前は最高のダチだ!

「ほな、あ~君!任せたで、」

ああ分かってる。言うべきことは分かってる。勇気を出して言うぞ!と息を大きく吸い込んだ時だった。

「昨日の借りは返させて貰うぜクソガキ」

「せっかく良いところなのに」

本当だ。タイミングが悪すぎる。それに人が増えてる。昨日は三人なのに今回は三十人もだ。幸いここは人目が付かないところいや逆かだからここに現れたのか、

「ケンちゃん」

「喧嘩はすきやで、結果楽しみにしてるで!」

俺はそう言はれると彼女に走れますか?と聞いた。彼女ははい!と大きな声で答えた。

何分走っただろうか、俺は気づけば神社まで来ていた。彼女はあのこ大丈夫ですか?と聞かれたので俺は答えた。

「あいつの名前名実 賢士って言うんです。」

「あら、あの名実選手の?」

「ええ、オリンピックに出た選手の子供です。まぁあいつは隠して生活していますけど、だからあいつは負けません。」

と自信のある声で答えた。その時だった。

「や~とみつけたぜぇ~」

どうやら三十人もいれば一人は逃すらしい。さぁどうする?喧嘩した事ない歴=年齢の俺が。そう身構えた時だった。大きな音と何かに叩かれたような音、そして会心の一撃が喰らわされていた。ああ俺じゃないぞ、あいてがだ。彼女の平手打ちによって体制を崩していた。

「全く品のない人ですね。」

ハハッ痛そう~と思いながら俺は彼女に大丈夫ですか?と聞いたら舐めてもらちゃぁ困ります。と言われた。まぁなんだ。もう言うか、

「好きです!俺と付き合ってください!」

これが俺の最初の恋で最初の告白で最後の彼女への言葉だった。


少し暑いな彼女の扇子を買いに行こう。ケンちゃんも誘おうか。結果も含めてこないだの喧嘩の詫びも含めて。着物がよくにた最高の彼女の元へ。暑い。太陽の光の元で昼夜逆転を治し扇子片手に歩く。やれ今日は特に暑いな。

運命は変えれないけど、未来は変えることができる。

どだった?ギリギリ夏でしょ?あとむずかしいね~

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