私はお野菜さんを食べるのよ。
避難警報を聞くまでもない。
燃えている。燃え盛っている。
夜空が黒いのか。B-29の群れが黒いのか。
燃えているなぁ・・・
おっとっとっと・・・
そろそろ食べごろね。
この白菜。あとはまだね。もうちょっとよ。
あらら。大変ね。真っ赤じゃないの。
東京。
真っ赤といえば、トマトも真っ赤よね。
夏にはトマトがいっぱい盗れると良いわ。
場所は東京。時は東京大空襲・・・の最中に、なぜか鍋を囲む少女たちの姿があった。
響き渡る悲鳴
轟く爆音
燃え盛る炎
ぐつぐつと旨そうな鍋。
何をはばかることがあろうか。鍋を作る少女こそ私の祖母である。
うむ。実に。たくましい。
次回、戦時下のグルメ