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目覚めるLYシリーズ



ロゼの研究室



そこには次世代型アンドロイドLYシリーズの格納装置が8つあった。


1番から8番まで番号が付けられており、金属製の扉によって中は確認できない。

しかし、7番の格納装置だけが開かれており、その中には何も無いことがわかる。



そして、今、時空間装置の暴走の影響で、目覚めることの無かった2体のアンドロイドが目覚めることになった。


プシューーーーー。

ガシャン。


1番と3番の金属製の扉がゆっくりと開く。




そこには、2体の女性型アンドロイドが格納されており、今、ゆっくりと動き出した。



1番の格納庫から出てきたアンドロイドは、20歳前半くらいで、肩までの銀髪で、瞳の色は黒、服装は黒のパンツスーツであった。


彼女はゆっくりと辺りを見回す。


どうやら、起動出来たのは、私と3番だけのようですね。


彼女たちLYシリーズは、この研究所の殆どのデータにアクセスできる権限を持っている.


そのため、1番は実験状況の記録のために録画していた映像から、本来目覚めるはずのない自分達が実験装置の暴走の影響により偶然目覚めたことを知ることが出来た。


これからどうするべきかを考えていると、3番が慌てだす。


「た、たいへんだぞ! 1番! 主の気配が感じられない! 」


3番は16歳前後で黒髪、黒目、赤と黒の着物に黒のブーツを合わせた、いわゆる大正ロマンな服装であった。

そして、腰には刀が1本差してある。



「3番、実験の記録映像の最新版を見なさい。そうすれば、なぜ坊ちゃまが居ないのか、状況が理解できます。」


「実験の記録映像?そんなのどうやって観るんだ?」


「わからないのですか?」


「全くわからんぞ!」


ここで、1番はLYアンドロイドのデータベースを調べてみた。


なるほど、LYシリーズは、皆アクセス権は持っているけど、実際にその機器を扱えるかどうかは別なのね・・・。


とくに3番は、戦闘特化型でデジタル機器には苦手なようだ。


仕方がないので、記録映像をモニターに映し出す。


「おお!なんかすごい! あっ、主がいる!!」


主がモニターに映りおおはしゃぎな3番。しかし、主の横にいるアンドロイドが気になったようだ。


ナナリーと呼ばれる、アンドロイドをみて、唸っていた。


「んぎぎーーーー! 主とあんなに親しくしよって!!! しかも名前まで付けて貰って! 羨ましいーーーー!」



データベースを調べてみると、7番目に開発されたLYシリーズのようだ。

そこには、呼び名として、ナナリーと記載されていた。


自分にも呼び名があるかもしれないと思い、1番と、3番のデータを見ると・・・。


私の名前が『アイリー』であると分かった。

ちなみに3番は『サリー』であった。


「喜びなさい! 3番! 坊ちゃまは私達にも名前を付けてくれています。」


そう言って、私は名前の記載されて資料を画面に表示させる。


「ここに書かれているように、これから私のことは『アイリー』と呼びなさい! そして、あなたは『サリー』と名乗るのですよ。」


「サリーですか・・・うふふ〜 サリー! サリー! サリー!」


サリーは上機嫌で自分の名前を何回も言う。


正直、私も自分の名前を何回も言いたい気分だったが、現状では、坊ちゃまの救出が最優先である。


私達は状況を確認するためにも、坊ちゃまが消えた実験室へと向かった。







「主はここでいなくなったのか?」


「そのようですね。少し調べますから、サリーはそこら辺でおとなしくしておいて下さい。」


「わかったのだ。」


そう言って、サリーは近くにあったデスクの椅子に座った。



しばらくして、アイリーが言う。


「なるほど・・・。xyzの空間座表示に時間軸t、そして世界軸w、おそらく坊ちゃまの飛ばされた先の検討はつきました。」


「でかしたのだ! 早速、主の元へ向かうのだ!」


「しかし、問題があります。」


「どんな問題なのだ?」


「この研究所の設備のおかげで、坊ちゃまの元へ行くことはできるでしょう。しかし、恐らくこちらへ戻ってくるくとは出来ないでしょう。これだけの研究設備を簡単に用意できるとは思えません。」


「そのどこが問題なのだ! 主の居ないところに居ても意味がないのだ!」


確かに、そのとおりである。


「わかりました。一応、向かう先の座標とこちらの座標等の情報を記録してから行きましょう! 少し装置の設定を変更しますから、おとなしくしていてください。」


「わかったのだ!」





ピコピコピコ・・・


ピココピココ・・・


ピピコピピコ・・・



「これで設定完了ですね。サリー! 準備は出来ました。装置を起動しますがよろしいですか?」


「いいのだ!」



電源ON・・・ ウィーーーーン


そして、人一人がなんとか通れるくらいの黒い穴、時空界ホールが発生した。



「サリー、手を出して下さい。」


「ん?わかったのだ。」


アイリーはサリーの手を掴む。


「いいですか。何があってもこの手を離してはなりませんよ! この時空界ホールのなかではぐれてしまうと、もう二度と会うことはできなくなります! もちろん坊ちゃまとも!」


「わ、わかったのだ。」


そして、サリーはアイリーの手を強く握る。


「では、行きますよ!」





そして、2体のアンドロイドは消えていった・・・。





時空界ホールの中へと・・・。





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