Reincarntion
えっとさ…ちょっとした質問をするけど
自分の立場になって考えてくれないかな?
あ!難しくはないから安心して下さい!
小学生がよくやる質問だからさ。
自分が生まれ変わるなら何になりたい?動物?虫?魚?もしくは物とか木とかの植物?それとも、別の人生をやり直す?まぁ、人間やり直すにしてもいつの時代か分からないよ、自分が今生活してる時代かもしれないしそれよりもずっと前の時代かもしれないし、遥か未来か近未来……それとさ当然だけど、
今の記憶はないと思うよ(前世の記憶がもしかしたら残ってるかもな?)
まぁ、細かいことは気にしないで下さいね!
ただ、これから覗いてもらうのはどこかの国の小さな街の物語だからさゆっくり見て感じてくださいな。
〜ヤスオカショウウン〜
「眠てぇなぁ…」っとボソボソとした声で「安岡翔雲」
が呟く肩が重く気だるそうに、それを見て華豆敬慈は、面倒臭そうに返す。「あーもう、んだよ!眠てぇなぁって!」少しイラだった様な返しにショウウンは文句を言う、まるで遊園地の帰りに疲れてグズる子供みたいに「だってよォもう夜の10時だぜ?眠たいのは当たり前だよ?学校帰りでさはしゃぎまくったんだからさ!いくら高校生で夜更かしするのが当たり前でも疲れて眠たいのは眠たいんだ!」
その態度と返しにケイジは心の中で文句を垂れる
(それお前が言うか?学校帰りにゲーセンとカラオケと飯いこーぜ!ってはしゃいでた野郎が…)
っとイライラを表に出さずに頭の中で毒づいた。
ショウウンとケイジは今年高校1年生だ入学してから1ヶ月余りが経っている。同じクラスで初対面なのに、馴れ馴れしい態度で話しかけてきたのがショウウン。彼からすれば社交的だと思われたかったのだろうかケイジからすれば嬉しい様でもあり緊張した瞬間でもある、それから毎日学校で話していて連絡先も交換しているのだ。
ショウウンは俯き加減で手をブラブラしながらさらに愚痴り出した「なぁ、なんで俺らは入学してから初めて出来た友達同士なのに毎日ギクシャクしてんだ?」
っと問いかけるように呟いた
「さぁな?まだお互いの関係に慣れてないんだろ?」
そう言って投げやりな質問の答えを出した。
「そうなの?やっぱそうなの?」
「そりゃそうだろ?俺らの学校はさ市立で、制服は軽く着崩してるし派手なアクセサリーとか髪色も緩いってか……ほぼ自由だろ?」
「あー確かにな」っと軽く相槌を打ちながら
赤茶色に染まった髪をいじるショウウン。
それを見てケイジは思った。
(てか、コイツなんて見た目してんだ?)
ショウウンの服装は高校の制服を着ているが
はたから見たらだらしがない、ズボンはダボダボで白のワイシャツはシャツをだしていて黒地に赤のキスマーク模様が入ったネクタイもゆるゆるで高校の校章が刺繍されている特注のブレザーはと言うと腰に縛ってある。ベルトも革ベルトではなくプレイボーイのガチャベルトを長く垂れ流している。靴はハイカットのタウンシューズで黒のアンダーリムメガネをかけている。
誰が見てもだらしがないのは当然だ
ちなみにケイジはと言うとシロのワイシャツをズボンの中にピシッ!と入れて紺色の革ベルトで締めてある
ネクタイは黒の無地だ。5月で春の延長くらいのポカポカした日が続いているのにセーターを着てその上にはブレザーをきちんと着ている。腕にはスポーツブランドの黒い腕時計をしている。ショウウンとは反対に爽やか系のどこにでもいる高校生だ。
「なんか、お前さ……」っと申し訳なさそうにケイジが言う。
「ん?」っと喉を鳴らすようにショウウンが返す。
「いやな、お前ワケわからねーわ1番気になるのはその髪の色!」ケイジはワントーン大きめの声でそう言ってショウウンの髪の毛先をつまんだ。
「あ!おまっ!触んなよ!崩れるだろ!ワックスで毛束作ってパーマ風にしてあるのに!てか、俺の髪の色の何が変なんだよ!あ?」っと少し興奮気味に返す
「気になるだろそりゃ!根元ブラウンなのに毛先赤っぽいって」っとケイジも強気に返したさらにヅケヅケと言う「パッと見、土だからな髪の色!」
それを聞いて疲れてストレスが溜まっていたショウウンはケイジを睨みながら怒鳴る「分かってないなぁ君は!この髪型そして髪色はなぁ!」っと自分の髪の色を語ろうとした時にケイジが指さしてショウウンの言葉を遮る「着いたぞ駅」そう言ってショウウンはケイジのゆびが指している方向を見る。
「あ!ホントだ!悪ぃな俺疲れきってるから先に帰るわ!」そう言い残し駅のターミナルの中に駆け足で入って行った。「はぁーまったく」そう呟きケイジも改札を潜り自分の家の方向の電車が来るホームに入った。
帰りの電車の中でショウウンはiPhoneにイヤホンを繋いで音楽を聴いていた。「安岡翔雲」彼は一人暮らしだ
小さい頃に両親に見捨てられ祖母と祖父の家に引き取られた。祖父と祖母は二人暮らしでショウウンのことを中学生まで育ててたが、いつまでも一緒に居る事は無いだろうと半ば投げやりな気持ちで家を追い出された。そして、ショウウンは1人でアパートに住んでいる
学費と携帯代や光熱費と細かな小遣いは年金暮らしの祖父達から貰っている。ショウウンは自分には十分だと思っている。音楽を聴きながらショウウンは帰ったらどーすっかな…などと思ったとりま、シャワー浴びて寝るかなそう思っているとショウウンの住んでいる地域の駅に辿り着いた。
〜孤独の中で〜
ショウウンが夜眠っていると妙な夢をみた
ここ最近見る夢だ夢の中でひとつの質問をされる
生まれ変わったら何になりたいかそんな事をよく聞かれる。夢の答えは無い、なぜなら死んでその先何になるというのだろうと冷めた心で打ち消しているのだ。
ショウウンは質問の主になんでそんな事を聞く?
アンタ誰だ?っと逆に質問を質問で返した。
ちょっとの質問のあとに答えが返ってきた
「起き…早く目を覚まして…私は……あゆ…」
その答えを聞いたあとにショウウンはガバッと起き上がる。息を切らして、背中には冷や汗が伝っている
6時8分それを見てショウウンは「アラームがなるよりも早く起きちまったな、ってか誰だよあゆって」
そんな事を言いながらベッドから降りた。
〜昏睡状態の青年〜
個室の病室ベッドには呼吸機や点滴に繋がれた青年が横たわっている。
今日はね、学校で1年生の男の子に声をかけられたんだ。LINE交換してくれませんか?って、なんか嬉しかったからさ思わず交換しちゃった。
ベッドに横たわった青年に1人の少女が話しかけている。歳は高校生くらいで赤く染めた髪をしていて、青年のことを見つめている。
もう行くね、また来るから早く起きてよねショウ
そう言って青年の病室を出ていった病室のドアには
入院患者の札が付いていた。
「安岡翔雲」彼は2年前に事故で昏睡状態になっていた
医師からは目が覚めても後遺症なく正常に体が動く事は無いと告げられていた。
2年間昏睡状態彼はどんな夢を見ているんでしょうね。ひょっとしたら生まれ変わって別の人生を歩んでいる夢かも。