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フストリェーチャ  作者: 川崎雨御
第一章:春前の一連
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第一章5  《名前》

 前回までのシロウの奇妙な日常!


「なんのまねだ! 零香!」


「悪い?」


「俺に!!! ノートの宿題を写させて!!!!!!!」


「問答無用!! 成敗!!!」


「本当に大丈夫?」


「やったっ!! お兄ちゃんといっしょに食べる~」


「悪いけど、もう帰っていいよ?」


「大丈夫だ、俺は敵ではない。 信じてくれ」


「Да......」



 ――っとふざけをこれくらいにして、本番に入ろう! ついノリで別の形の回顧をしました。



 今日は三月十四日の夜の十時、俺はバイトを終わった後、家に帰る途中で・・・ある少女と出会えた。 その子の髪の毛の色はなんと、淡いピンク色でした。 しかも外国人で子供、おまけに傷だらけでした。


 その子は俺に気づき、なにを言ったが、でも聞き逃した・・・・・・そして俺は考え考えと色んな選択を真剣に選んだ、結局・・・この子を俺んちに連れる選択肢にしか残されたんだ。 彼女を家に運んだ後、まず傷を洗って、手当てをしていた。


 その後、彼女は目を覚ました、でもひとつ問題があった、彼女が何かを言おうとした時――


「Где здесь?」


 ――別の言語を話していた。


 そして俺は幾つの質問した後、ひとつだけ分かったことがある。 彼女はロシア語で俺と話す、日本語は喋らないが、意味が分かるみたい。 最初は俺に警戒していた、ロシア語で俺に質問したらしい(全然分かんなかったが)。


 そして彼女は痛みが感じないと気づき、隅々まであった傷がすでに包帯で巻いていた。 少女は幾つの包帯の中で、右腕にある小さなリボンを気づいて、再びロシア語で何かを喋った。


「Это...?」


 喋ってながら、包帯で作った小さなリボンを掴んだ。 そしてなんとなく彼女がなにか言いたいのか、気づき、俺は説明した。 そして彼女は泣いた。 泣いていると同時に、少女は少しずつ俺に近づき、俺の胸元で泣き続けた。 俺はなんにも言わず、ただひたすらに彼女を慰めた。


 その時は初めて気づいた、この子流している涙と悲しい泣き声は俺に対する信頼ってやつだ。


「よしよし・・・もう大丈夫だ。 俺はここにいるから・・・」


 そして彼女は俺の制服を強く掴んで、泣き続けた。



 ――数分後――



 少女がやっと泣き終わった後、俺は彼女をソファーで座って・・・俺も隣りにいるもうひとつのソファーで座ってた。 少女は自分の涙を拭いている間、静寂の数秒が経った。


 そしてようやく彼女は少し落ち着いた後、俺は決意を持って、この子に質問をした。


「な・・・君のお父さんとお母さんは何処にいるの?」


 ――まずは基本中の基本の質問をした。


「Я не поняла......」


 ――ええと・・・今なんて言った?! まあ、今は首を振ったことを見る限り、ここは「分からない」という解釈で認識しよ。


「じゃー次の問題。 君の名前は?」


 これも大事なことだ、もしこの子の名前を知れば、親近感が生まれるかもしれない。


「Я не поняла......」


 同じ答えをした、聞き間違えなければという前提で。 だとすれば、この子・・・記憶喪失?!


 おいおい、マジ?! やばい・・・やばいぞこれ。 親は誰なのかは知らない、自分の名前も知らない、どうしよう・・・?


 俺はな悩んでいる時、彼女は初めて自ら俺に声を掛けた、しかし――


「В чем дело?」


 ロシア語で話した。 ごめん、なにか言っているのか・・・さっぱり分からない。 でも、表情は心配そうで俺を見ていた。


 俺はすぐに笑って、彼女の頭を撫でた。


「大丈夫だ、なんでもないよ」


 それを聞いた彼女は、ニコッと笑った。 すっごく無邪気でカワイイ笑顔であった。


 そして彼女は再び俺の胸元に飛び込んだ・・・でもさっきと違って、今は俺を強く抱きついた。 俺は再び彼女の頭を撫でていた。


 ちょっとくせになっちゃったかも。


 俺は彼女の頭を撫でている間、あることを思い付いた、すっごく大事なことを。


「そうだ・・・なんで俺はこんな大事なことを忘れたんだろ?」


 俺は無意識に真剣な表情して、少女を見詰めた。 少女は何にも聞かず、ただ俺を見た。 そして――


「はい! これを、いつまでもそんなボロイ布を被せると、風邪を引くぞ?」


 思い出したことは・・・この子に用意した服だ!!


「Спасибо」


 今のは・・・・・・すぱし・・・にゃに? まっ、「ありがとう」という解釈で認識しよ。


 でも新しい服を着る前に・・・体を洗わないといけない、彼女は必要なことはまず、お風呂だ!


「その前に、風呂でその少し汚れている髪の毛と体をきちんと洗ってやるよ」


 俺の話を通じたみたいで、なぜか嬉しそうで返事をした。


「Да!」


 そんなに好き? お風呂。 まだ子供だから、好きかもしれない。


 確か俺はまだガキの頃も結構好きでした、お風呂・・・そんなことより、この子は記憶がないから、基本のことは覚えているのかな? 食べ方とか、お風呂に入る前に体を洗うこととか、などなど・・・その辺は大丈夫だよね?


 考えだとしてもなんにも始まらない、ここはやはり直接にあの子に聞こう。


「な、ええと・・・そうだった。 君は君の名前が覚えてないよね?」


 そして彼女は頭を振った。


 名前がないなら、ちょっと呼びにくいかもしれない。


 ここは俺が彼女に名前を付けよ。 あくまで一時的に彼女をこう呼ぶだけだ、やはりロシア人の名前がいいよね? 彼女、ロシア人だし(だと思う)。 手っ取り早く、グー○ルで探そう・・・ええと・・・ロシア人の女性のなまえ・・・と。 うお! いっぱいいるね、しかもちゃんと日本語の読み方もあるし、便利だな~。


「な、君の名前だけど・・・俺が付けてもいい? このままじゃ、君と話したら、どう呼ぶべきかも知らないと、なんか気まずいから。 あ、あくまでこれは一時的に君を呼ぶだけだ、構わない?」


「Ничего」


 今何言ったのかは全然分かんなかっただけど、うなずいただから、ここは「大丈夫」という解釈で認識しよ。 そうと決まれば、ここにいる名前を一目して、この子に似合う名前を付けよ。


 アナスタシア(Anastasia)、ディーナ(Dina)、エレオノーラ(Eleonora)、カテリーナ(Katerina)、ナターシャ(Natasha)、ソーニャ(Sonya)、エレーナ(Yelena)・・・地味な名前多いな。 もう一度見よ。


 そして探しているうちに、いつの間にか、彼女は俺のとなりにいた。


 どうやら彼女も気になっているみてえだ、名前。


「君も見たい? 名前」


「Да」


 ――ん? 今のは? ンダ? 秋田弁? なぜ今更言う? それとも聞き間違い? そんなことより、名前を探そう!


 そして少しずつ見ているうちに、ひとつの名前は俺と彼女を引き付けた。


「Эльвира」


 彼女はその名前のロシア語で書いている文字を読んだ、俺は日本語で書いている文字を読んだ。


「エリヴィラ(Elvira)・・・」


 この名前に不思議な感じをした、そして少し横の右にある文字を見たら、この名前の由来が書いていた。


 エリヴィラの由来は・・・幾つがあるが、《高貴と忠実》を見付けた。 へー《高貴》と《忠実》っか・・・まあ、確かにこの子には《高貴》のオーラが感じるけど・・・今のあいつは、髪がまだ汚れているままし、あんま《高貴》とい言葉がピンと来ないね。 よーし! 名前も決まったし、まずこの子をこの名前で呼んでみよ。


「エリヴィラ、この名前・・・気に入った?」


「Да!」


 彼女両手を上げて、満面笑顔で返事をした、なんて分かりやすいリアクションなんだろ・・・

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