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世界大戦勃発? 前編

どうやら某国では国王が先導して黒魔術を行っているらしい、という噂が近隣諸国へ広まるのにそう時間はかからなかった。


「それは本当の話か?」


「はっ!魔道師を含む魔法使いと国王が夜な夜な密室で怪しげな魔法、黒魔術を使っているのではないかと言われています。」


「それが本当なら民を導く王にあるまじき行為としかいいようがない愚行であり、犯罪であり、許されない事だ。この件について近隣諸国と連携してかかる必要がある。本件についての話し合いの場を早急に設けよ!」


「ははっ!」


ただのエロ本を召還しているとは知らない近隣諸国の王たちは猜疑心から連携を深め、とうとう某国への戦争をも辞さない事態へと発展しつつあった。



そして、それは間もなく現実のものとなった。




ある日、国王のもとへ真っ青な顔をした宰相が走り込んできた。


「何事か!」


「国王陛下! 大変です、砦の向こうに連合軍が進駐してきました!! その数10万!!!」


「なんだと! これまで友好的だった国々ではないか。我が国は攻められるようなことは何一つしておらぬのに、なぜ・・・?」


自分たちは攻められるようなことは何一つしていないと疑わない国王。実際、(召還したエロ本を見ているだけで)何もしていないのだが・・・



「どうやら、我々が黒魔術を行っているという噂が広まっているようです。」


「黒魔術だと? ばかばかしい。どうしてそのような話になるのだ?」


「それがどうやら、国王陛下と魔道師を含む魔法使いたちが夜な夜な儀式の間で怪しげな魔術を行使しているという噂が広まっているようです。また、『黒』を賞賛するような発言をしていたということで、黒魔術信仰に傾倒したのではないかと疑われたようです。」



国王がお前は何を言っているんだといわんばかりの表情で問い詰める。


「お前は何を言ってるんだ。黒は最高だろう?」


「はっ、黒が最高なのは疑いようのない事実ですが、今はそのような話をしている場合ではないかと。」



「黒がいいとか、あなたたちは何の話をしているのですか?」


同席していた女王が素朴な疑問を声に出した。


「いや、こちらの話だ、すまん。しかし、儀式の間へは『少々』出入りする機会が増えたかもしれんが、そのような濡れ衣で戦争をしかけられるのも困ったものじゃな。」



「全くです。あなた、どうにかしないとこのままでは本当に戦争になってしまいますよ。」


「ふーむ、戦争を止める手段か。今すぐにけしかけてくることもないとは思うがな。やはり、一番手っ取り早いのは、我々が黒魔術などというものを行っていないということを証明することかの。」



「そうですよ、あなた。あらぬ疑いをかけられているなら、疑いを晴らすのが一番です。」



「そうか。早速だが明日にでも転移魔法を使って国王たちを呼び寄せるとするか。」



次の日。今にも攻め入ろうとしている連合軍の、最後尾に控える隣国の国王たち3名の前に、転移魔法を使って魔道師が現れた。魔道師はエロ本を呼んで鼻血を出しているただのおっさんではないのだ。この国の全ての魔法使いの頂点に立つ男にかかれば転移魔法など朝飯前である。



「何やつ!!!」



護衛の騎士たちがとっさに剣で切りつけるが、全ての剣が魔道師の姿を素通りした。幻覚か?とも思ったが、魔道師の足下には間違いなく影が出来ていることから、幻影でもないようだ。騎士たちに囲まれた魔道師はゆっくりと膝をつき頭を垂れた。


「こちらも急を要するためこのような形での訪問となったことを謝罪いたします。国王陛下たちにおかれましては、我々の国王が黒魔術を使っているとの疑問を抱いている、との認識でよろしいですかな?」


「違うと申すのか!」


「はい。我々は黒魔術など行っていませんし、興味もございません。」


「それをどうやって証明することが出来るのだ?」


「ここに証拠を持って参りました。」


魔道師は紙袋を取り出して立ち上がり、国王の一人に手渡そうとするが、すぐさま護衛の騎士が割って入った。


「その手を引かぬか!無礼者め!」


しかし、今度は剣のみならず騎士の体までもすり抜けて国王の前にたどり着く。驚愕に立ち尽くす騎士たちを無視するかのように国王の前に封筒を差し出す魔道師。


「百聞は一見にしかずと申しますではございませんか。なに、中身を取り出さなくても封を開けてのぞき見るだけでも大丈夫です。」


「その言葉がうそであったら、どうなるかわかっているのであろうな。」


「もちろんでございます。(ニヤリ)」



ガサガサ。



封を開けて、中身を垣間見た瞬間、、、



「お・・・おぉ・・・」



鼻血を出しながらよろめいた。



「貴様~!!! 陛下に何をした!!!」



騎士たちの怒声が飛び、その場に居合わせた他国の国王たちの前に護衛の騎士たちが出た。



「何もしとおらぬよ。『ナニ』かは渡したがな。(ニヤリ)」



よろめいていた国王が姿勢を正し、騎士たちを制止する。


「待て、お前たち。私は大丈夫だ。それにこの中身は毒などではない、心配するな。」


「し!しかし血が・・・」


「これはただの『生理現象』みたいなものだ。たまたま今、出てしまったにすぎぬ。」


「そうおっしゃるのであれば。」


「ところで、そちらの国王陛下たちも、これを見た方が良いと思うのだが?」


「まことに毒ではないのだな?」


「それは私が保証しよう。実際に、こうやって無事であろう?」


盛大に鼻血を出されては説得力に欠けるものの、なにやらさっきよりも幾分元気になったようにも見える。



一人が封筒をのぞき見る。


「お、、、おぉ、、、女神様。」


跪いて祈りを捧げ始めた。



ガタガタッ!


見た目70歳近い白髪の老人が立ち上がった。


「おぉ、、、年老いて立てないはずの国王様が立ち上がられた、、、奇跡だ(涙)」


護衛の兵が泣き出した。


最初の国王が魔道師に問う。


「さて、この書物と黒魔術がどのように関係しているのか、見せてもらうことはできるのであろうな、魔道師どの?」


「もちろんでございます。そのために私が使わされました。国王様方におかれましては、私がこれから転移魔法にて我が主のもとへお連れしたいと思っていますが、よろしいですかな?」


「私は問題ないな。」


他の国王たちも無言でうなずいた。


「もし必要なら護衛の騎士たちを同行させるこも可能ですが。」


「そうだな、では国王一人につき護衛二人をつけさせてもらえるか?そのほうが残された者たちも安心できるだろうからな。」


「かしこまりました。では、国王陛下と護衛の騎士2名の3名ずつを我が主のものへ順番にお連れします」



かくして、魔道師により国王とその護衛の騎士たちが転移魔法により、儀式の間へと案内されることになった。


適当に書いたつもりがなんだかスケールが大きくなってしまいました。

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