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公園


少し暑いけれども、風の気持ちいい春の日。僕は彼女に会うために一人、やっと空いたベンチに座っていた。

待ち合わせ場所の広場は人でいっぱいだった。

視線を上げると、緑の敷き詰められた地面の先には、近々完成する予定だった高層ビルが屹立している。だがその工事は、てっぺんの骨組みを残したまま停滞していた。もう完成の必要がないからだ。


「彰!」


僕の名前を呼ぶ声にその方向を見ると、暑かったからか、脱いだコートを小脇に抱えた女性が手を振っていた。僕は片手を挙げ、ベンチを離れる。


「ごめんな、こんなに人がいるとは思わなかったんだ」


開口一番にそう言う僕に彼女はにこりと笑って「いいよ」と言ってくれた。


「ここじゃゆっくり話もできないね。他のとこ行こっか」


そう言って彼女は来た道を戻っていく。僕もその後を着いて行く。

ふと後ろを振り返ると、既にベンチには肩を抱き合って号泣する二人の女子高生が座っていた。




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