第5話
町の中心の時計塔がお昼を知らせる頃、魔法学校でもお昼休みの時間になっていた
シセイは親がいないため、普段は自炊でお弁当を持って来ている
しかし、今日は寝坊したため、食堂で昼食だ
シセイ「よし」
昼食はいつも1人。しかし、本人曰くさみしくないようだ
シセイ「…」
イツキ「?お、シセイじゃん!」
彼は生徒会長のイツキ。生徒会長ながら器が大きくよく相談役として他生徒から頼られている。見た目はとても生徒会長とは思えない見なり。人間界で言うなら…チャラ男…?
シセイ「あ、イツキさん。こんにちは」
イツキ「おう!1人か?今日は俺も1人なんだよ。隣いいか?」
シセイ「あ、は、はい」
イツキも優しい人物。1人で食べていたシセイを心配して声をかけたのだろう。だから、きっと俺も1人、というのは嘘である
イツキ「もうすぐ学園祭だな。お前のクラスは調子どうなんだ?」
シセイ「ま、まあ順調です」
イツキ「ルータ、だっけ?あいつのクラスは占いの店をやるらしい。ごく稀な天文学専門の生徒がいるらしいからな」
この魔法学校では入学したときから、属性や専門の学問が決められている。習って覚えていれば誰でも使える魔法が一般的に無属性魔法と呼ばれ、戦闘的な魔法はそれぞれの属性にわけられる。例えば、シセイは学問に適してはいなく、水属性である。ルータは学問のほうが適しており、薬草学専門となっている
このように、魔法使いにも属性や専門の学問があるのである
シセイ「(グリミちゃんのことかな…?)」
イツキ「天文学専門の生徒は毎年指で数えられるぐらいの人数しかいないらしい」
シセイ「そうなんですか…」
シセイが考えていた、グリミという少女はシセイのクラスメイト、グリアの妹であり、イツキが言ったようにごく稀な天文学専門の生徒である
イツキ「よし、俺はこのあと定例あるから行くよ。学園祭、頑張ろうな」
シセイ「はい!」