第26話
シセイ「(うーん…な、なんだっけ…)」
授業はちゃんと聞いていたし、有る程度勉強もしたはず。なのに一行にペンは進まない。教室にはシセイ以外のクラスメイトが答えを書くときに出るペンの音が鳴り響いている
シセイ「(ど、どうしよう…!)」
そのまま時は進み、史学のテストは終わってしまった
グリア「ふぅ…どうだった?」
まず、グリアは前の席のユアに話しかける
ユア「…普通」
平喘とした顔で答える、ユア
グリア「シセイ、あんたは?」
シセイ「わっ!え、えっと…」
グリア「なによ、バケモノが来たみたいな言い方して」
シセイ「ぼ、僕も…普通かな?」
そんなのは嘘で、実際は全然できなかった。あてずっぽうで書いた答えばかりである。絶望感に浸っているところをグリアに話しかけられたためにびっくりした
グリア「ふぅん。次は語学か。これが終われば帰れるー!」
そう言いながら、グリアはストレッチをするように盛大に体を伸ばした。シセイは次が終われば帰れる、という喜びよりも史学のテストの結果が出るのが憂鬱すぎた
シセイ「(ど、どうしよう…)」
だが、今は切り替えて語学のテストに挑むしかない
あっという間に休憩は終わり、先生が入ってきた
ナノウ「はい、はじめますよ」
彼女はナノウ。語学の先生でメガネをかけている。趣味は読書
ナノウ「しっかりと実力を出し切ってください」
語学のテストは古典の問題が並んでいる。人間界でいうなら、源氏物語とか…?